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つれないキミと売れてる僕7-7 - 12/22 Tue

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
里見の携帯が鳴って、いつもの泣き言だと思いつつも電話を取る

「はい」
『里見、ごめん。これでしばらく連絡しないから僕のこと鬱陶しいとか思わないで・・・帰ってきて』
「は?」

意味がわからなくて聞き返す。鬱陶しいとかそんなことは昔からで最近ではそうと思わなくなってきたのに、須野の勘違いに里見は言葉を失う

『僕、仕事の邪魔してたんだよね?里見が仕事集中したいなら部屋の鍵かけていい。僕、我慢する・・・でも、でもお願い。部屋出てくとかはヤダ』
「あー・・・じゃあ・・・あと3日待て」
『え?』
「そしたら帰る」
『え?ホント?あ、あのっ・・・我慢するとか言ったけど一瞬でいいから顔見てもいい?!』

殆ど消えた傷跡。2日後にある検査の結果と再診が終われば問題ない・・・あとは里見の気持ちの問題で、それも整理はついている

「バカか。別に別れようとかじゃねぇよ」
『っ・・・じゃ、じゃあ待ってるっ!あ、食べたいものとかある?!』
「仕事だろ」
『そうだけど』

いつもの須野に思わず笑みまで漏れる

「ビールだけ忘れず冷蔵庫に入れておけ」
『うんっ!うんっ!!!』






「よかったー!傷も問題なくなくなったし、病気もクリアだったね!」
「んー・・・」

付き添いなんて要らないと言ったのに付いてきた葛西にそう言われて里見は適当に返事をする

「あー、明日帰る」
「え?」
「あいつも限界っぽいしな」
「・・・光、大丈夫?」
「あ?何が?」

葛西は先日、吉田から聞いた里見の状態を心配したが、本人が気付いていないのなら言う必要もないと首を振る

「須野ちゃん喜ぶね!」
「だろうな」

これでこのまま元通りになればいいと望む。何事もなく元通りに・・・
里見は何もされていない。ただ、事故にあってそれを隠しただけ・・・ただそれだけ




「里見!!!おかえりっ!!!おかえりっ!!!」

昼間なのに部屋に須野がいてギョッとした里見は数歩後退りをした後に小さく「ただいま」と呟く

「あ、ごめ・・・嬉しくてつい」
「や、まぁ・・・いいけど」

須野が少し困った顔で笑うのが苦しい
困らせたいわけではないし、須野が嫌いになったわけでもない

「お前、仕事は?」
「うん?あ、うん!今日はね、オフになったの」
「・・・お前また山口さん困らせたんじゃねぇだろうな」
「ううん!今回はホントに・・・ちょっと今、仕事、落ち着いてるんだ」

須野がそう笑って里見は「ふぅん」と言うといつものソファに体を預ける
吉田の部屋が悪いわけではないが、やっぱり自分のこの部屋が落ち着いた

「何突っ立ってんだ?」
「や、仕事するんだろうと思って部屋戻った方がいいなーとか・・・でももう少し里見の顔見てたいなーとか悩んでて」
「今までだって仕事しててもここにいただろ」

里見がおいでおいでと手でジェスチャーすると須野はすぐに里見の足元に跪く

「何?足が先?」
「里見・・・里見だ・・・」

そっと足に触れて靴下を脱がせるとすぐに爪先にキスを落とす

「おい、汚ぇ」
「里見はどこも汚くなんてない・・・里見・・・里見っ」

爪先から少しずつ上へと這い上がる須野の唇。里見は須野の腕を引き寄せて顔を上げさせるとソファに座らせてキスをしようと顔を寄せる

「っ・・・ゲホッ」

急にせり上がってきた吐き気は水音を立てて床を汚す
あまりにも突然で顔を背けはしたものの、流れる冷汗とともに震える体

「里見?!」

そしてあの時のフラッシュバック・・・蹴られる。そう思って思わず身構えてしまう

「大丈夫?」
「っ・・・須野・・・?」
「うん?服、汚れたから流しに行こうか」
「・・・」

抱き抱えられてバスルームに運ばれる

「須野・・・」
「胃腸風邪、流行ってるみたいだよね・・・大丈夫?」

須野にシャツを脱がされる

「・・・シャワー自分で浴びられる?」
「お前も汚れた・・・」
「うん?あぁ、シャツ?こんなの大丈夫。シャワー浴びてスッキリしておいで」

優しく頬を撫でられて何度も頭で繰り返し「違う」と叫ぶ
中津とは全然違う。須野は須野で優しくて・・・

シャワーを浴びて出ると部屋はキレイに片付けられていてポタポタと里見の濡れた体から水滴が落ちて床に落ちる

「・・・須野?」

あまりにも静かな部屋が不安になってそう小さく須野を呼ぶとすぐに須野が顔を出す

「あー!もーまたちゃんと拭かずに出てきてー!」

タオルを持った須野が里見にふわりとタオルを被せて拭いてくれるのもどこか懐かしい気がする

「自分で拭ける」
「僕に拭かせてよ・・・久し振りなんだもん。こうできるのも」

ふわりと笑った須野に里見も笑う

「っ・・・里見・・・大好き」

タオルのまま抱きしめられると須野の香りが中津を思い出させてまた体が勝手に硬直して震えだす

「・・・里見?」
「な、なんでもねぇ」
「寒い?」
「違・・・」
「ホント?あ、里見がシャワー浴びてる間にコンビニでスポーツドリンク買ってきた!あんまり好きじゃないだろうけど、これ飲んで?それで、今日はビール禁止です」

須野に渡された冷えたスポーツドリンクが里見の胸を締め付ける
優しくて。昔からずっと優しくて中津とは全然違うのに、中津が頭に浮かんでしまうことが苦しかった







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甲斐甲斐しい須野の復活です。やっぱり須野と里見はこうじゃなくてはーーーー
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