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キミの名前-つれキミ売れ僕番外- - 04/02 Thu

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕番外編
「ねぇ、慎吾くん・・・なんで須野さんのことは名前じゃないの?」

ある日、葛西は由梨乃にそう聞かれて「それ聞いちゃうー?聞いちゃうのー?」とにやにや笑う。
葛西の人懐っこい性格は由梨乃の両親でさえも名前で呼んでしまう程なのに須野のことだけ名字で呼ぶ・・・


「それはねぇ・・・」




高校二年生の春

「マジかー・・・オレだけクラス違うとか神様のいじわるぅぅぅぅぅーーーーー!」
「それは神様じゃなくて学校側へ文句を言うところだろ」
「クラス違っても隣だし・・・」

一年かけて仲良くなった三人だったが、葛西だけ隣のクラスになるというお約束展開。

「昼飯のときは絶対一緒に食うから!!!あと!帰りも一緒に帰る!!!」
「・・・来なくていいぞー」
「うん、今まで通り一緒に食べて帰りも一緒にしよう」

昔からつれない態度の里見といつも優しい須野
変わらない・・・変わらないと信じていた関係




「光ー!寛人ー!終わったー帰ろ・・・」

委員会で遅くなった葛西が「待ってる」と言ってくれた二人を迎えに教室に行くと誰もいない教室で机に倒れて寝ている里見とそれをただ微笑んで見ている須野の姿・・・

それはまるで映画の一ページを切り取ったような・・・二人

「・・・」
「あ、葛西、里見、起きて・・・葛西戻ってきた」
「んー・・・あぁ・・・」

あまりにも自然で
あまりにもきれいで

茶化すこともできなくて戸惑う葛西

「・・・」
「・・・どうした?」
「お前ら・・・」

どう言っていいのか判らない
仲間外れにされた気分

「?」
「つ・・・付き合ってんの?」
「は?」

里見の冷たい目と須野の少し慌てた表情・・・
茶化したいわけじゃない・・・
ただ知りたかっただけ

「寛人の目・・・見たことないくらい優しく光見てた」
「あー・・・」
「黙れ葛西」
「でもっ!」

ガタリ・・・と音を立てて立ち上がった里見はただ冷たく葛西を睨んでいた

「茶化してるわけじゃないよ!」
「・・・じゃあなんだ」
「オレ・・・たち・・・親友だよな?」
「・・・なんで?」
「オレだけ仲間はずれ・・・?」

泣きだしそうな葛西の背中を慌ててさすりながら「違う。違う違う。僕たち親友だよ!」と須野が言うが涙は止まらない

「じゃあ教えてよ!」
「・・・えっと・・・ね・・・僕、里見のことがずっと好きだったんだ」
「・・・須野っ!」
「いいから・・・きっと葛西も僕を避けないでいてくれるから・・・」

先にそんなことを言われたら避けることだってできなくなる・・・

「でも、里見は違うんだ。僕が一方的に好きなだけ」
「・・・一方的?」
「片想い・・・だね・・・僕、この高校に来たのも里見と一緒にいたくて・・・」

あぁ、前に聞いたことがあった。学習塾が2人の出会いだって・・・
葛西は頭でぼんやり思い出しながら溢れる涙を手で拭う

「寛人は光が好き・・・うん・・・判った・・・でも、オレは友達でいい?」
「違うよ・・・みんな友達。里見も葛西も友達」
「・・・うん・・・」

それでも涙は止まらない・・・
信じられない
信じられない

周りから「須野くんと里見くんが仲イイの判るけど葛西はねー」と言われ続けている関係・・・
自分だけが普通。
イケメンと言われる須野と里見とは違って自分だけが普通・・・
釣り合わない・・・

クラスが分かれて、客観的に見て釣り合わないと自分でも感じてきていた頃


「いつまで泣いてんだよ・・・チビ」
「・・・っ・・・」
「里見!」
「お前見てるとムカつく・・・」

目の前が暗くなる・・・
最近、冷たい・・・
冷たいとは思っていたけれどここまで思われていただなんて・・・

「・・・ごめ・・・ごめ・・・オレ・・・1人で帰る・・・待っててくれてありがとう」
「葛西っ!待って・・・待って!」

腕を掴まれて動けないのは体格差のせい。
この時、身長がまだ伸びきっていない葛西は160センチなかった

「寛人・・・ごめんね」
「それだよ!それ!」
「え?」
「お前、何、須野のこと馴れ馴れしく名前で呼んでんの?」
「え・・・里見?」

葛西は何を言われているか判らない。里見のことも名前で呼んでるのに須野の・・・名前?
須野も同じく意味が判らず里見を見つめた

「みんな須野って呼んでんのにお前だけ名前でこいつのこと呼ぶな」
「・・・うん」
「オレだって須野って呼んでんだろ」
「・・・うん・・・オレも須野って呼んだら今まで通り?」

里見は少しだけ考えて「そうだな」と答える

さっき、須野は片想いと言ったのに・・・

葛西はそう気付くが、それは伝えない。自分だけが秘密を知った気分になってなんだか嬉しくなった

「えへへ・・・帰ろーぜーーーーっ!」
「うん」
「だな・・・ってかあれだ。葛西。肉まんおごれ。待っててやったから」
「えぇぇぇぇ!!!!なんで!待っててくれるって言ったのそっちじゃんっ!!!!!!」


夕焼けを背中で3人並んで帰る。
須野はいつか里見と付き合えるといいなぁ・・・と夕焼けに願った高校二年生・・・





「・・・てなことがあったんだよねー」
「へぇ・・・その頃から里見さんも須野さんのこと好きだったんだ」
「!」

由梨乃にそう言われて「そう!!」と叫んで由梨乃の両肩を持った。

「そーなの!誰でも気付くでしょ?!普通!なのにあの二人はずーっとずーーーーーっと両想いだって気付いてなかったの!おかしいでしょ?!おかしいよねっ?!しかもね、しかもね!あの光って男は未だに自分が須野のこと大好きなの認めてないのっ!もーこれはね!オレがあいつらを見守ってキューピッドしなきゃいけないレベルでしょ?!」

由梨乃も「そうね」と微笑んであぁ、この人がなかなか鋭いのは意外と苦労人だからか・・・と1人納得した。




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学生時代の3人を書くのがすごく楽しいですー
須野ちゃんのバースデーもの早く仕上げてUPしていかないと間に合わないのに・・・時間が全然足りない;
誕生日SSだったはずなのにどんどん長くなっていって収拾つかなくなってきております
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