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青春はプールの中で6-10 - 01/16 Sat

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
時間はあっという間に過ぎていく
日々、勉強ばかりの柿内だったが、近い未来、遠い将来の為にひたすら勉強をする

「柿内くーん!」
「・・・」
「明後日行けるのー?」
「明日の模試次第・・・」

教室にやってきた栗山を一瞬見てまたテキストに目を落とす

「そっか・・・明日頑張ってねー」

いつもの軽い笑顔でヒラヒラ手を振る栗山にイライラするのも追い込まれているせい
まだなにも考えなくてもいい栗山が羨ましいせい・・・でも。頑張れば自分には明るい未来が待っているはずだと自分に言い聞かせて頭を振った





模試の速報が発表されてホッと胸を撫で下ろし、電話を手にする

『もしもし!柿内!明日来れる?!』

電話に出るなりそう言った柚木に柿内は少し吹き出して「うん」と呟いた

『オレ!考えた!明日球に部屋借りよう?2人きりの時間取るのそれが1番だよな?』
「や、あんたが栗山誘ったから栗山いるだろ」
『栗山には案内、別の奴にちゃんと頼んだし!時間潰すなら球と竹市さんにメシでも連れてってもらえば』
「・・・いや、オレはあんたの学園祭回れねぇってことかよ」
『・・・判った』

少しだけ拗ねたのは顔を見なくても声だけで判る
2人きりになりたい。でも、その為に学祭を抜け出して・・・

「柚木さん、あんた祭り事好きだろ」
『あ?・・・まぁ、好きだけど?』
「楽しみにしてんじゃねぇの?初めて球さんと一緒にやる学園祭」

そう言われると柚木は黙り込む
楽しみにしていないわけじゃなかった。寧ろ、楽しみにしていた。でも、柿内と過ごせる時間も貴重で、楽しみにしていて

『・・・判った。明日、水泳部がやるの見て笑えよ!』
「何?笑えるの?」
『うん。笑える!』
「何やんだよ・・・」
『それは見てのお楽しみー』

最後に柚木の声が笑い声になって安心しながら電話を切る
そして、栗山に行ける旨のメールを送ると携帯を置いて机に向かった
本当は遊んでる時間なんてない。でも、会いたくて。会いたくて会いたくて仕方ない




「あれ?流ちゃんどうしたの?」
「・・・ちわす」

電話を切るところモヤモヤした気持ちを抱えきれなくて兄の部屋へと向かう

「なーに?明日カッキー来れなくなっちゃった?」
「いや、来れるって」
「・・・じゃあ・・・?」

部屋に入るとため息をつきながらベッドに倒れる

「竹市さんは?」
「あ!たけちゃんはバイト終わったら来るよ」
「・・・んー・・・なー、球ー」
「うん?」

球は冷蔵庫を開けて柚木に飲み物を出そうとしていると大きなため息が再び聞こえる

「竹市さんと遠距離だっただろ?」
「うん。流ちゃん、オレンジジュースしかないけどいい?」
「別に喉乾いてないしなんだっていい・・・んで、たまにしか会えねぇじゃん?」
「まぁ、オレも遠征だとか色々あったし・・・なかなか会えなかったねー。時間見つけては帰ってたけど」

球がコップにジュースを入れてテーブルへ置く

「毎回ヤってたんじゃねぇの?」
「な・・・えぇっ?!」
「っつかヤりたいだろ!普通!なんでそんなオレ拒まれるわけ?」
「待っ・・・流ちゃん拒まれてんの?!なんで?!」
「オレが聞きてぇよ!」

ベッドから体を起こした柚木が枕を殴る

「あいつが分かんねー」
「流ちゃん、カッキーのことホント好きなんだねー」
「あ?・・・まぁ、じゃなかったら付き合ってねぇし・・・遠距離とかめんどいし・・・」
「うん、そうだよね」

優しくそう言うと弟の頭を撫でる
可愛くて愛しい弟が恋人の話を自分からしに来る日が来るなんて思ってなかった
優しいから自分の感情よりも相手の感情が先。だから付き合って欲しいと言われたらなかなか断れなくて付き合いも体の関係も結んできたから・・・
思い返してみれば、もしかしたら弟はこれが初恋なのではないかと思う。愛を与えられて同じように返す以外の恋・・・初めての気持ち

「なーんか妬けるなー。いいなー。カッキー。流ちゃんにこんなにも想われてて」
「っ・・・バカにすんならもうイイ。帰る」
「カッキーはすごい考えてるんだと思う」
「は?」

球の頭を撫でてくる手を振り払うと笑顔の球が柚木を見つめている

「前・・・カッキー来た時さー、カッキーはオレに殴ってもいいって言った」
「なんで兄貴に殴られんだよ」
「流ちゃんを今から抱くからって・・・なーんかあの時オレなんでか負けたっていうかカッキーは本気なんだなーって。普通する?恋人の兄貴に今からヤるからって宣言!相当本気じゃないとしないでしょ?!」

初めて知ったことに柚木は恥ずかしくなる
そして体の関係があの時以来拒まれていることで少しだけ柿内を疑っていたことを反省する

「・・・でも、あれだね。流ちゃんを拒むのは許せないね?」

また柚木の頭を優しく撫でると球はそっと柚木を抱きしめた








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柚木兄弟はなんでも相談しちゃうからきっと付き合っている相手も大変だと思う。うん。っていうか兄弟どころか親にまで話しちゃうレベル
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