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スイーツよりも甘く甘く幸せに2 - 02/01 Mon

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その日、みのりは仕事を終えて家に帰る気分でもなく駅前を歩く。そういえばこの辺の洋食店のことだった・・・と思いながらきょろきょろと周りを見渡すと見つけた小さな可愛らしい洋食店
昔、ここにあったのは確かもう少し感じの違う定食屋だった気がするけれど、見ないうちに色々と変わったのだと扉を開く

「いらっしゃいませ」

笑顔で対応してくれたのは常連の「あきちゃん」と姉に教えてもらった彼女。みのりは少しだけ微笑んで「空いてますか?」と尋ねる
彼女もすぐに笑顔で対応して案内してくれた2人掛けのテーブル

小さな自分の実家の雰囲気にも似た洋食店
照明は少しだけ暗くて可愛らしい内装に少しだけ戸惑う
男1人では少し浮くような気がしてしまって少しだけそわそわとしてしまう

メニューを渡されるとオススメを教えてもらってみのりは言う通りにハンバーグを選択する

「コースになさいますとサラダとスープ、食後のコーヒーまたは紅茶とデザート・・・あぁ、水野さんのケーキにはとても敵わないデザートなんですけどね」

そう彼女に言われて名前まで知られている・・・と思いながら首を横に振ってハンバーグとライスのセットにした




料理が提供されるまでの間、不躾だとは思ったが落ち着かなくて店内をキョロキョロと見渡す。大抵は女性客で男性がいてもカップル・・・自分の店と変わらない客層だなぁ・・・と思っていると自分と同じように男性が1人で隅の席に座っているのを見てホッとする

「あきちゃん」がそんな男性の所へ行き、何かを耳打ちするとスーツを着たその男性が勢いよく振り返って立ち上がる

「っ・・・」

それが彼・・・「しゅうちゃん」と呼ばれる彼・・・
夫婦なのだったら彼もここにいて当然だし、そもそも彼を見に来たのだから丁度良かった・・・そう思いながらみのりは微笑んで手を振った

こんな軽い行動ができるのも大人になったから。数々の甘い恋、苦い恋を積み重ねてきたから
そして彼が彼女に背中を押され、近付いてくる

「・・・こ・・・んばんは」
「こんばんはー」

ペコリと頭を下げた彼は言葉を選びながらみのりに挨拶し、1人だからご一緒してもいいですか?と尋ねてくる

「いいよ。もちろん。オレも1人じゃ寂しいなぁー居辛いなぁーって思っていたところだから」

そう言うと彼女を手で呼び寄せて自分のテーブルの上にあるものをこちらへ移動するように告げる

「仲良しだねー」
「?・・・まぁ、ですね・・・」
「いい店だねぇ」
「あぁ、どうも・・・ありがとうございます」

頭を下げた彼がとても可愛いと思いながらみのりは運ばれて来たハンバーグをカットして口へと運ぶ

「あ、おいしい」
「あぁ・・・悟・・・キッチンの奴が・・・秋奈の旦那なんですけど」
「・・・?」
「秋奈」

彼が「あきちゃん」を指さしてそう言うとみのりは思わず吹き出しそうになって口を押える

「待って!え!キミたちが夫婦とか付き合ってるんじゃなくて?!」
「・・・水野さん・・・オレのこと覚えてなかったんすか・・・」
「え!待って。意味判らない」

彼が頭を抱えてため息を漏らす

「・・・オレ、斎藤です。斎藤 秋夜」
「え・・・あれ?ここ・・・」
「親父の代は定食屋でした・・・」

そして今度はみのりが頭を抱えてため息を漏らす
昔から知っている
姉、かなえが知っているのは当然だ・・・昔から家族ぐるみの付き合いをしていたというのにランドセルを背負っている秋夜しか思い出せなくて全然結びつかなかった

「思い出しました?」
「秋夜くん・・・だね」
「えぇ・・・それと、ここライスよりパンのほうが絶対旨いですよ。ここで焼いてるし」
「うわー・・・そうなの?」
「・・・食べますか?」
「いいの?」
「ちょっと言ってきます」

そして秋夜が席を立つと姉に余計なことを漏らしてしまったと頭を押さえる
昔から知っている彼をカッコいいだなんて・・・目の保養だなんて・・・

それでもやっぱりキッチンへと話し掛けている秋夜はスマートでついスーツの下を想像してしまって頭を何度か振って邪念を追い出した

「すぐ、出ますから」
「わー、嬉しい」
「・・・」

昔から懐いてくれていた秋夜。昔はよく喋る子だった気がするけれど、大人になるにつれてこんなにも口数も少ないイイ男になったのだとじっと見つめる

「・・・なんですか」
「え?」
「いや・・・水野さん・・・めちゃくちゃ見てくるから」
「あー、ごめんねぇ。小学生だったのにいきなり大きくなってたから」
「・・・まぁ、いきなりじゃないんですけどね・・・水野さんいなかっただけで」

みのりは「そうだねぇー」と言いながらまた秋夜を見つめる

「お待たせしましたぁー」
「秋奈ちゃんも大人になったなぁ・・・」
「えー?!水野さんだってー・・・素敵な大人になってるじゃないですかぁ」

秋奈が持ってきたパンを机に置くとみのりの肩を叩く

「だって小学生だった秋奈ちゃんが結婚してるとか・・・オレもおじさんになるわけだよなぁ・・・って」
「水野さんは今も昔もイケメンですってばー!」

秋奈がまたみのりの肩を叩いて去っていく

「・・・親父さんたちは?」
「隠居生活楽しんでますよ・・・」
「そうか・・・秋夜くんは就職?」
「・・・料理人目指してた時もあったんですけどね・・・普通にサラリーマンやってます」

みのりは「そう」と微笑んで運ばれてきたパンを口に入れる。香ばしい小麦の香りが口に広がって「おいしい」と呟くと秋夜に微笑みかける

「秋夜くんは?」
「え?」
「結婚」

これはただの興味。世間話としての話題・・・






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またあれです。ここの平均年齢を上げてしまうカップリングw
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