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つれないキミと売れてる僕8-11 - 02/20 Sat

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「おー、なんだ。海見える」
「うん。ここ、コーヒー美味しいんだって」

須野が車を停めたのは山の反対側が見える小さなロッジ風な喫茶店
可愛らしい外観を眺めて写真を1枚撮る

「へー」
「さっき、喫茶室行ったんだけどコーヒーが里見好みじゃなかったし」
「・・・」

確かに好みではないけれど気にならない程度なのに須野はそのためにここまで連れてきたのかとため息を漏らす。また自分のコト・・・部屋も車も全部里見のために用意する・・・須野が自分を好きなのだから何かをしてもらうのは当然だと思ってきたが、流石に尽くされすぎて重い気すらする

「とりあえずー、お茶して、そのあともう少し移動して散歩しよう」
「・・・まぁ、任せる」

店のコーヒーは里見の好みのもので外を見ると海が見える。また写真を撮るとずっと里見を見続けている須野に顔を向けた
自分の顔がキレイなのは知っているけれどそんなに自分ばかり見ていて飽きないのかと少しだけ首を傾げる。ここにはもっと見るべきものがたくさんあるのに・・・ずっと里見以外は見えていない須野

「リラックスできた?」
「・・・んー」

ニコニコと自分を見つめる須野にふと気付く
昨日、帰ってきてから疲れているのは須野の方ではないのか・・・長時間のフライトにそのまま里見の元へと運転して駆けつけて今日も朝から・・・
自分はリラックスしたとしても須野はリラックスできているのか・・・疲れは取れたのか・・・ふと疑問が浮かんでしまう。これは今までの里見だったらあり得ない疑問・・・

「うん?」
「・・・お前、疲れてねぇの?」
「僕?疲れなんて・・・幸せだとさー、疲れなんて感じないよね」
「・・・」

コーヒーカップを置くと「行くか」と立ち上がると先に店から出る
支払いは里見がすることはない。いつものように須野が財布を出して少し談笑すると店から出てきて小走りに里見の待つ場所へ駆けてくるのだ

「うん?」
「・・・今から行くとこはお前の行きたいところか?」
「うん。そうだよ」

ならいい。そう思いながら車に乗ると里見から須野の手を握る

「?!さ、里見?」
「あー?」
「や、ううん」

もっと凄いこともたくさんしているというのに里見から握ってくれたのが嬉しくて顔を赤くして頬を緩ませた

「里見、さっき僕に疲れてないかって聞いたでしょ?」
「あー?あぁ」
「昨日里見に会えると思った瞬間に疲れ吹き飛んでさ・・・里見の顔見て抱きしめた瞬間にすごい元気になった!で、今こうして里見から触れられてホント幸せすぎて疲れとか感じるわけないよ」

そんなバカな・・・そう思いながら里見は窓の外を見つめる
疲れというのは肉体的にも精神的にも溜まっていくもので。精神的なものは自分で発散できたとしても肉体的には無理なのに・・・と須野の手を握りながら指で須野の手を撫でるのだった




「・・・だから、オレはお前の行きたいところか?って聞いたよな」
「うん。だから・・・」
「どう考えてもお前興味ねぇだろ」
「いや、あるよ!うん!ある!」

着いたのは植物園。里見は短編小説で花言葉シリーズを出していて、その関係で植物園も今まで何度か足を運んではネタを探していたが、須野と一緒に来たことは1度もない。それどころか須野はそもそも花に興味はないはずで・・・

「あのねー、里見の本の花とか実際見たことなかったし・・・里見は少し詳しいでしょ?だから」
「・・・ホントバカ」

須野は微笑んで入場券を買うと中へと入っていく

「えええー?!温室!鳥もいるんだって!なんで?!鳥!!!鳥たくさん!」
「・・・お前、はしゃぎすぎだろ」

里見は苦笑しながら携帯を手に持ちカメラを起動させて何度も足を止めては植物を鑑賞する

「だって僕、考えてみたら植物園初めて来た」

須野が幸せそうだから。楽しそうに笑うから。里見が題材に使った花を見つけると須野を近くへ呼んでその花を使った理由を話す
ただそれだけなのにまた須野が幸せそうに笑うから里見は何度も繰り返してやるのだった





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水尾も色々と疲れているので速攻で回復させる方法を知りたいでござる・・・
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