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つれないキミと売れてる僕8-13 - 02/22 Mon

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里見の仕事の関係上、帰宅することが皆に伝えられても周りは大きな反応はなかった

彼女以外・・・

「帰るんですね・・・」
「おう」
「寂しいなぁ」

里見は笑うと「あ」と思い出したように小さく叫んでポケットから単行本を取り出す

「え?」
「サイン、結局やってなかったからな」
「あ、ありがとうございます!」

両手で本を大事そうに受け取った河野は指に光る指輪を見て大きな瞳で里見を見上げる

「あー?」
「・・・いえ・・・」

そして頭を下げて再度礼を言うと走ってその場を離れて行った




「光、ありがとねー!んじゃー今日はゆっくり帰る支度でもしてー!」
「おう」

葛西にそう言われてカバンに荷物を詰める。持ってきた時から荷物が増えた・・・わけでもなくて、増えたのは須野から貰ったシャツ1枚だったのになぜか全然カバン

に入らない荷物に首を傾げる
荷物からあふれたものを足でカバンに押し付けてみるけれどやっぱりあふれ出してきて「はぁ?」とただ疑問の声を上げた

トントン

「葛西丁度良かった!荷物が・・・あ」

ドアを開けると河野がいてウルウルとさせた瞳に里見はつい「どうした?」と気を緩ませる

ドン

両手で力強く胸を押されてよろけた拍子に河野が部屋へと押し入ってくる

「おい、何すんだよ」
「・・・最後のお願いにきました」
「あ?」
「あたしを抱いてください」
「お前っ・・・諦めるとか言っただろーが」

里見は立ち上がってドアを開けると河野の腕を掴む

「須野さんだったんですね」

河野の言葉に里見は河野を見ると「なんのことだ」と睨む

「恋人・・・だから抱けないんですか?」
「はぁ?お前の妄想には付き合いきれねぇ」

里見は河野を部屋の外へと追い出そうとする

「バラしちゃってもいいんですか?」

ギクリと体が硬直するが、それを表面に出すことはない
表面上繕うことにも慣れている・・・

「バラすも何も気持ち悪いこと言うなよ」
「・・・その指輪!須野さんもしてた。同じだった」
「んなもん似てるだけだろ」

ペアリング。でも薬指ではないもの。ただのファッションリングとして押し通せる。そう須野が言いながらくれたもの

「同じデザイン・・・友達と?あー、女同士でもやりますよ。可愛いデザインだからお揃いーって・・・でも・・・それはなんか違う」
「あー?お前、それ脅迫って言うんだぞ?」
「いい。皐月先生が欲しい」

河野の目が真っ直ぐで里見の背中に冷たいものが走る

「受け入れてもらえないならあたし、悔しくてバラしちゃうかもしれません」
「・・・葛西もきっと同じの貰ってんだけど?」
「・・・嘘。監督してなかったし」
「してなかっただけかもだろ・・・こんな小せぇもん失くしそうだしつけてるだけで」

里見の嘘はペラペラと口を突いて出てくる。けれど、そのひとつひとつをすべて否定されて追い詰められていくのが里見にも判る

「お前、何だったんだよ。こないだの涙は!」
「・・・相手が勝てない相手だと思ったから。歯が立たないんだって思ったから」

河野の言葉に里見はカチンと来る。まるで須野になら勝てると思われたようで・・・須野が見下された気がして。それは恋人だからではなく、親友として腹が立つ

「仮にオレの相手が須野だとしてもお前が勝てるのどこだよ」
「あたし、女なんで!」
「だから?」
「あたしは先生のために子どもも産めるっ!」
「はっ・・・オレは別に望んでねぇっつーの」

そう。別に望んでない。望んでいるのはきっと須野の方・・・

「でも、あたしは女だから負けませんっ」
「・・・だから」
「料理だって掃除だって洗濯もやるしっ!」

須野だっていつもやってくれる

「先生を気持ちよくもします」

須野だってしてくれる

「どこかへ行くときだって気持ちよく送り出すし」

須野だって

「帰るときには温かくしておきます」

いつだって須野がしてくれていること

「・・・それ、お前じゃなくてもできるし。そもそも女じゃなくたってできるだろ。孕む以外?」
「っ!!!じゃああたしはっ」
「何だっけ・・・抱けばバラさねぇ?オレらそんな関係でもねぇしどーでもいいけどめんどくせぇ。とりあえず脱いでオレの勃たせれば?」

里見はシャツのボタンを外すとベッドへと座る
河野はワンピースのファスナーを下ろすとその場でそれを脱ぎ捨てて里見の足元へと跪いた







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里見ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!いや、これはもうあれだ。河野ちゃんにムカついといてやってください
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