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つれないキミと売れてる僕8-16 - 02/25 Thu

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「あいつ、不器用なんだ。器用に見えてすっげぇ不器用」
「・・・」
「今までの相手もいくら1回限りっていってもその時その時で愛した子しか無理。あいつに愛を与えられた子はさー、やっぱり諦めきれないだとかますます惚れるんだけど同時

にあいつの人間性?みたいなの見えちゃって結局諦められるんだよな。光は自分以上に愛せるやつなんていないから。1番は自分。それは変わらないんだって光の愛を受けて感

じるんだ」
「・・・」
「でも、君は違う。ってことはさー・・・愛なんて欠片さえもなかったんじゃないのかな」

唇を噛む
なかった。愛なんて全く感じなかった
大した言葉も交わさずに・・・

「なんて言うの?」
「え?」
「オレにも光にも言わなきゃいけないことあるでしょ?!」
「ごめんなさい」

葛西はうーん。とひとつ頷くと

「オレはこれで許してあげる」
「・・・あたしバラそうとかホントに思ってたわけじゃない」
「うん。かすみちゃんはそんなことしない子だって信じてた」
「でもっ・・・悔しくてっ・・・あたしっ!あたしっ」

今まで全て思い通りになってきた。欲しいものはねだれば与えられてチヤホヤされて・・・
手に入らないことがこんなにも苦しいだなんて思ってもいなかったこと

「・・・うん。でも、これからもっともっと苦しい思いするんだよ?思い通りにならないことなんてこれからたくさんある」
「・・・」
「あー、2人が幸せそうに見えたかもだけど、須野ちゃんなんてずーっとずーっと10年以上も苦しい思いしてやっとやっと掴んだ幸せ。光だって今まですっげぇ苦労もあったんだ・・・本人は全部「終わったことだ」「大したことない」ってあっさりしてるけどさ・・・これで壊れたら・・・オレは許せないと思うから覚悟して」

河野は涙を拭いてまた溢れる涙を隠しもせず頷いた
後悔してないわけじゃなかった。いや、寧ろ、後悔しかなかった。あれほど欲しかった里見の体は冷えていて機械的に自分を抱く里見に心だけが傷ついた

「あ、その目!腫れると明日の撮影響くからちゃんと冷やしてなんとかしてね!!!」
「・・・」

葛西が出て行くと葛西の優しさにまた涙が溢れて頬をつねる
泣いちゃいけない。泣いたって何も変わらない・・・いや、この涙と共にこの気持ちを流れ落ちてしまえばいい




「あー、判ったところでどーすんのオレっ!違っててほしかったぁぁぁ!っつかオレ動けねぇし?須野ちゃんに行かせるとかリスキー過ぎるでしょ!!!」
「でっかい独り言っすね」
「ひっ!・・・聞いてたぁ?」

コンビニの袋を手に持った伊月がロビーで頭を抱えていた葛西に足を止めて話しかける

「・・・今度はなんですか?あの人たち」
「・・・」

葛西は少しだけ周りを見て伊月に「ちょっと聞いてくれる?」と部屋へと呼んだ

「っていうかこんな時間にどこいってたの!」
「あ、コンビニでマンガ・・・」
「なんか意外と可愛いとこある・・・じゃなくってー!」

葛西はため息を吐くとどこから話していいのか悩む

「あー、結局かすみちゃんとなんかあったんすかぁ」
「っ!!!!何それ!なんで知ってんの?」
「いや、なんとなく。ある程度は本人からも聞いてたし」

それならば話が早い。と葛西は今の状況を伊月に話すと「どーしたらいいんだよぉ」と泣きついた

「え?普通に寛人くんに迎えに行かせたらいいし」
「ええええー?!でもさぁでもさぁ!!!!」
「いや、寛人くん多分、今、皐月先生が誰か抱いたとか聞いても平気だと思いますよ?先生も先生であり得ないデレ方してるし」

葛西は俯く

「っつか普通のカップルでも喧嘩くらいするのに監督は2人にビクビクしすぎですよ!監督だって夫婦喧嘩するでしょ?」
「オレしない・・・あっ!!!それってもし光が須野ちゃんと別れたら自分がそこに入り込んで光を・・・とか考えてたりする?」
「あー!それイイっすね」
「ナシ!今のナシ!!!!!」

伊月はアハハと笑うと天井を見上げる

「ナイですよ。なんだかんだ言って先生、めちゃくちゃ寛人くんに惚れてるし、寛人くんなんて惚れてるとかもうそんな次元で言い表せないでしょ・・・好きすぎて頭おかしい

。あの人」

葛西はひとつ頷くとそれに同意する

「寛人くんにぜーんぶ話しちゃえばイイっすよ。監督から。でもきっと寛人くん「そっか」で終わります」
「なんかそんな気がしてきた・・・」
「あとはかすみちゃんかーこれからに響かなきゃいいけどオレ結構キツいこと言ったしなぁぁぁぁっ」

葛西は河野の涙を思い出すと頭を押さえた

「とりあえずー・・・先生のこと忘れようと必死だからオレが付け入って来ようかなー」
「は?」
「かすみちゃん可愛いし」
「や、待って!何それ!須野ちゃんと全然違う!」
「え?そりゃ違いますけど?」

ケロっとした顔でそう言うから葛西はため息を吐くと笑い出す

「バレないようにしろよー?」
「あー、そこらへんはぬかりなくやるから大丈夫っす」

伊月は「それじゃあ」と立ち上がると葛西の背中を叩く

「あんまり無理しないでくださいよー」
「兄弟揃っていい男・・・オレ辛い」
「あー、先生言ってたけど監督も昔すっごい可愛かったって。今でも可愛いっすよねぇ?」

伊月が部屋を出て行くと「このたらしが!!!!」と葛西は顔を赤くして呟いた






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伊月は須野とは全然違うと思うんだ。うん
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