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青春はプールの中で7-1 - 03/01 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
春。夏が近づいてきて新生活にも慣れてきた頃、この2人の生活にだんだんと暗雲が立ち込める

「柿内ー!今日も遅い?」
「んあー?あー、遅い・・・バイトラストまで」
「・・・そうか」

それは生活のすれ違い
仕送りにあまり頼れない柿内がバイトをできるだけ詰め込んでいるのも理解はできた。でも、2人の時間なんて一緒に住んでいるのにまるでとれないことへのストレス

「お前、昨日も遅かっただろ。それで授業大丈夫なのか?」
「授業はちゃんと出てる」
「そ・・・か」

柚木が干していた水着をカバンに突っ込むと隣に並んだ水着に目を留める

「・・・お前、部活も出たの?」
「んー」
「・・・バイト少し控えないとお前ぶっ倒れるぞ?」

柚木の言葉に眠い目をこすりながら頷いて頭を抱える
好きで好きで好きで仕方なくて一緒に暮らし始めたはずなのに顔を合わせれば小言ばかりな気がして疲れていた
柚木の言葉は正しい。判っているけれどふんだんに仕送りもある柚木とは違うと声に出しそうでそんな自分に腹が立つ
判っていてこの道を選んだのに・・・もし親の期待通りの道ならばもっと・・・なんてあり得ない想像までしてしまう

「じゃあそろそろ時間だろ」
「あー、今日1限休講」
「え?」
「・・・いや、嘘じゃねぇよ?」
「うん・・・行ってきます」
「先寝てて」
「うん」

昨日もバイトで遅かったのに眠たそうな顔をしながらも朝食を用意してくれて、顔を合わせてくれたのだと思うと柚木は少しだけ心が軽くなる
柿内が帰る時間には大抵もう柚木は眠っているし、顔を合わせられるのは朝だけ・・・話したいことがあるのになかなか朝だけじゃ足りない。時間が・・・足りない





「ユズ」
「あ、竹市さん!久しぶりですねー」
「球さんから聞いたけど・・・」
「あー!そう!うん・・・そう」
「なんだよ。もっと喜んでんのかと」
「嬉しいよ!嬉しい・・・うん」

柚木は少しだけ遠くを見る

「・・・あー・・・マジで?」
「うん?」
「柿内反対してんの?」
「や!そうじゃない!別に反対・・・じゃなくって・・・」
「あ?」

竹市が柚木の顔を覗き込む

「まだ話してない」
「はぁぁぁ?!お前、すぐだぞ?!っつかどーすんだよ」
「・・・なかなか会う時間が・・・ない」
「それ、オレの前で言う?」

竹市が笑って柚木を見つめ、柚木はハッとしたように「ごめん」と謝る
球といえば遠征だとか合宿で新居にもなかなか居られない程

「柿内そんな学校忙しいのか」
「っつかバイト・・・ばっか」
「はぁ?」
「まぁ、あいつ仕送りカツカツだし・・・いや、でも・・・バイトしすぎだけどね。夜ずっといないから・・・」

柚木はそう言って竹市には笑顔を見せる

「・・・お前、痩せたんじゃね?」
「あー、かも!」
「折角少しはまともになってきたのにこれじゃ・・・よし。飯食わせてやるから今日、来い!」
「・・・うん。行く」

そういえば朝食は作って貰えているけど夕食は暫く柿内も作ってない・・・そう思い出して苦しくなる

「あー!あいつ嘘つきですよねぇ!オレの食生活は任せろ!とか啖呵切っといて!」
「あぁ、そうだな」
「ホント・・・一緒に暮らすの早まった・・・んすかねぇ」

幸せだったのは春休み中だけ・・・それからはずっとこんな風にもやもやしている

「オレと球さんは良かったと思ってる」
「惚気かよ!」
「おう」
「あぁ!!!安西先輩ー!!!竹市先輩が虐めるーーーっ!!!!」
「こら!いや!違う!違うって!!!!」

水球部の先輩を見つけて柚木がわざとらしく泣きつくと竹市の首に腕を回して締め上げる

「ムリムリムリ!!!っつか重ぇ!!!!!」

竹市が暴れるのを見て柚木は笑った






柿内が帰る部屋は電気の消えた暗い部屋
寝ている柚木を起こさないようにいつもそっと部屋に入ると携帯の明かりだけでリビングへ行く

そして冷蔵庫を開けると手付かずの食事

朝、1限目が休講になったから作っておいた夕飯だったが、柚木は気付かなかったかとため息を漏らし、自室へ移動して電気をつける

「・・・」

体が重い。風呂へ向かうのも面倒くさい・・・それでも酒とタバコと油の匂いが気になってバスルームへ向かう

柚木を抱きたい。そう思っていたのに。大学へ行けば一緒に暮らせばそれが叶うのだと信じていたのに今じゃ抱きたいという気持ちも起こらない
魅力とかそんな話じゃなく・・・
元々は毎日部活で忙しい柚木の体を気遣ってワザとバイトを入れた。時間があればある程触れたくなるから・・・けれど、抱きたいと思う気持ちが起こらないのはまた違う気がして疲れた体に頭を振る

「ダメだ。これじゃ」

そう呟いた言葉はシャワーとともに排水溝へと流れていった







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こんばんは。ほぼリアルタイム更新w

しかも実はラストがまだ書けてないという未完成をUPするという恐ろしいことをしています
ホントはね、20話近く書いたのを気に入らなくて全部消して、15話まで書いた半分がまた気に入らなくて消して・・・ってやってるから時間が無くなったのです・・・青プのメンバーみんな好きだからどうにかしてみんな楽しく過ごさせたい・・・そんな想いで書いているわけです

大学生になった柿内。柚木との同棲生活スタート編。少々お付き合いくださいませー
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