FC2ブログ

青春はプールの中で7-13 - 03/13 Sun

trackback (-) | comment (2) | 青春はプールの中で
「カッキーは流ちゃんのコト好きっていうの隠さなかった?」
「・・・そもそもオレは・・・」

好きだと気付いて早い段階で柚木本人に気持ちがバレていた柿内はバレたきっかけを言い出せずに口籠る

「あ!そっか。カッキーあれだったね!流ちゃんの体操服事件でバレてたんだったね」
「ぶっ!!!!な!!!あの人何っ!!!!!」

吹き出したコーヒーを慌てて拭き取ると笑っている新井を睨む

「流ちゃんさー・・・カッキーのこと自慢するんだもん」
「何が自慢だ!人の忘れたい過去を・・・」
「流ちゃんの惚気だよ・・・ホント惚気にしか聞こえない・・・まぁ、隠せなかったんだよねぇ・・・カッキーは。でもさー、普通は友達だったり先輩、後輩を好きになったらやっぱり隠したくならない?少なくともオレは江口の親友でいたいからずーっとずっと隠してる。気付いてるけど男と付き合ってるのも隠してる」
「・・・そうなのか」
「はーちゃんも隠したいんだよ」
「・・・何を」
「本当の気持ち」
「・・・柚木さんが好きって隠してねぇよ?あいつ」

新井は「ホント鈍感っ」と笑って頷いた
栗山の柚木への気持ちは本当。でも、憧れの好きと恋愛の好きの違い・・・

「はーちゃんなーんで今回ここ来たんだろうねぇ?」
「大学悩んでるとかなんとか」
「じゃあさー・・・今日、大学の部活もあるんだしオレに連れてってとかなんか言うのが正しくないー?」

確かに、それは柿内もよくわからないところ。竹市に頼んでやろうかと聞いたのに、それも要らないと言ったし、柚木もいないこの部屋に何をしに来たのか・・・

「だからさー水泳以外のことでここに・・・ってあれ?今何時?オレ部活は?何時から?!」
「知るかよっ!!!」
「ヤダー!!!今日タイム計るから遅刻すんなって江口に言われてたのに忘れてたぁぁぁぁぁっ!!!!やばいっ!水着どこ!?」
「いや、あんた昨日ここ持ってきてないからな?部室じゃねぇの?」
「あ!そうだ。ここ来るからって部室に干してきた!ヤバいっ!急がなくちゃ!!!」
「・・・いや、待て。まて・・・急がなくても朝飯食える時間だから・・・ほら、時計見ろ。時計っ!」

柿内が指した時計を見て今日はいつもよりも早起きしていたのと、自宅じゃないのを思い出して胸を撫でおろすと「ご飯食べるー!」と柿内にそう言った







朝食の後、出て行った新井を見送ると柿内はバスルームのドアを叩く

「栗山ー、裸でずっとそんなとこいるとホント風邪ひくぞー?」

それでも反応はない

「・・・栗山ー・・・お前さー、さっきのさ」
「何も言ってない!」
「今回、オレに会いに来た?」
「んなわけないでしょ?自信過剰もいい加減にしてよね」
「・・・じゃあさっきの告白っぽいのはやっぱり嫌がらせ?」

柿内の言葉につい言葉が詰まってしまう
いつだってすぐに悪態が口から出てくるのに出てこない。好きだと漏れた感情が罪悪感と後悔でぐるぐる腹の中を回る

「よく判んねぇけど、なかったことにしたいならなかったことにしてやるからそっから出て来いよ。朝飯もう冷めてるし」
「・・・こんな顔っ・・・出られない」
「見ないふりしてやるから。っつかお前の号泣姿なんて柚木さんの卒業式ん時散々見たし」
「・・・」
「オレのときは涙1粒だって見せなかった癖になぁ?」

栗山は「違う」と心で呟いて頬を流れる涙を拭う。柿内が卒業する前日、泣いて泣いて泣いて・・・涙が枯れた。そう思える程泣いてから臨んだ柿内の卒業式。柿内の前で涙を見せたくなくて。潤んだ瞳でさえも見せたくなくて・・・

「オレはお前のこと憎たらしいけど可愛い後輩だと思ってるから」
「っ・・・」
「いや、超憎たらしくて可愛くねぇけどな・・・ホント可愛くねぇけど・・・部活ちゃんと行ってくれてんのもなんか嬉しかったっつーか」
「当たり前っ・・・柚木先輩が愛した部活なんでしょっ!」
「あーあーあーあーあーあーっ!ホントそれ恥ずかしいこと言ったから!忘れろっ」
「一生言ってやる」
「・・・まぁ、そんで・・・これからもそれ以上には思えねぇの判ってんだよな?いや、柚木さんともし別れることになったとしても・・・さ」
「柚木先輩と別れたらオレがありがたく柚木先輩をもらい受けますからっ!」

柿内は苦笑して「そうか」と呟くとドアノブに手を掛ける
鍵なんてかからない部屋のバスルーム・・・

「なっ!開けるなっ!」
「うわー、ホント泣いてるし」
「うっさいっ!ホント最低!」
「ごめんな」
「っ!!!!!!さっ・・・最低っ!最悪っ!大嫌いっ!」
「おう・・・知ってる」

それすらも笑って聞いてくれた柿内に栗山はハッとして下を向くと振り上げていた手を下げる

「でも・・・大好きだったよ」

柿内の迷った手が栗山の頭に乗せられてすぐにタオルを掛けられる

「さ、メシさっさと食え。片付かない」

そう言って立ち上がった柿内はバスルームを後にすると栗山はタオルで口を押えて声が漏れないように熱い涙を流した





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

報われない恋・・・柿内はたとえ柚木と付き合っていなくても栗山とはムリです。それを栗山も判っていて、そして尊敬して大好きな柚木の恋人を好きだという気持ちで罪悪感を感じて悩みに悩んでいるのに性格上それを隠して・・・ってのが書きたかったのにやっぱり難しかったです
でもこれできっと栗山はとりあえずすっきりして次に進めると思うの。栗山サイドでは何か書くかとか全然決めてないけどやっと前に勧める・・・みたいな。
関連記事
スポンサーサイト



comment

管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016/03/13 Sun 08:15:54
Re: タイトルなし : 水尾 央 @-
>ラムまま様
コメントありがとうございます♪
柿内は柚木のことが大好きだし、別れたりよそ見することはないから本当に本当に栗山のことどうしようか悩んだのです。
書いているうちに栗山のことがすごく好きになっていたし、みんな幸せにしてやりたいのにそれはできなくて・・・だからこその過去形に「大好きだったよ・・・」に落ち着きました^^
新井はもう少し青プが進んだらコイミズの続きが書けるし(それ待ちw)今しばらくお待ちくださいー♪栗山もねぇ・・・どうしようかなぁ・・・うーん。栗山の話を書くとなると・・・また水泳部話が増えますねwww

いつもありがとうございます^^
2016/03/16 Wed 10:11:18 URL

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する