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青春はプールの中で7-15 - 03/15 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「・・・なんか出てった」
『・・・そうか』

柚木の暗くなった表情に焦って栗山は必死に違う話題を考える

「ね、そっちの環境ってどんなんなの?あ、オレ大学柚木先輩と同じ大学行こうと思ってたけど違う大学行くことにしたんだ」
『・・・会いたい』
「え?」
『帰りたいっ・・・柿内のメシ食いたい』
「・・・柚木先輩」
『だからっ・・・だからっ!柿内の顔見たくなかったっ!柿内の声なんて聞きたくなかったっ!柿内と連絡取りたくなかった』

いつも冷静で頼りになる柚木とは違う柚木が画面越しにいた・・・栗山の知らない柚木。いつもとは違う柚木・・・

『でもオレはここでやりたい・・・もう少し自分を試して成長したい・・・』

やっといつもの柚木の顔だと思ってホッとする

「柚木先輩・・・頑張ってるんだ」
『環境はイイ・・・レベルも違う。でも楽しい。毎日楽しくしてるよ・・・柿内のコト思い出さなけりゃ』
「うん・・・そっか・・・柿内くんは柚木先輩と連絡取れなくて無視されてると思ってうじうじしてるよ。もうやめちゃえばー?あんなうじうじしてるやつー」
『・・・やめろよ・・・そういうのは・・・』
「珍しいー。柚木先輩がそんなこと言うの」
『悪い・・・でも、オレも嫉妬してる。お前に・・・柿内といるお前に』

栗山は優しく笑うと「心配いらない」と囁くように呟いて画面に触れる

「オレ、もちろんフラれたし、柚木先輩のこと大好きだよ。柿内くんは」
『判ってる』
「うん。そうだよね」
『柿内に伝えて・・・』
「うん?」
『・・・オレの誕生日の頃に帰るって・・・』
「クリスマスだね・・・それまで柿内くんと連絡取らないの?」
『決心鈍る・・・オレ・・・な、柿内にはホントダメ・・・あいつにすげぇ甘えたくなるしワガママ言いたくなる。でも、泳ぎたい。ここで泳ぎたい・・・どっち取るかって言われても柿内の前では決められないと思う・・・それオレじゃない・・・そんなんオレじゃない・・・オレは』
「うん。判った。柿内くんも判ってると思うけど・・・それに・・・これ、暫く録画まわしてたの」
『は?!ちょ・・・やめ・・・』
「じゃあ、今度はオレ、自分の部屋から連絡するね?次はゆっくり仲良く話そうねー!急にごめんね?おやすみー」
『・・・あぁ、おやすみ」

通話の切れたパソコンの画面を閉じるとすっきりとした顔をした栗山は携帯を取り出すと柿内に電話をする

「もしもしー?柿内くんー?柚木先輩とお話終わったから帰っておいでよー。いいものも見せてあげるからー」






栗山と話す柚木を見ていたら子どものように嫉妬して思わず部屋を飛び出した柿内はコンビニで適当に雑誌を読んで棚に戻す
自分だって話したい。でも、柚木が話したくないというのだから。声が聞きたいのに自分の連絡は無視されるから・・・

それに加えて、折角久し振りに声を聞いたのにもっと話すべきことがあるはずなのに栗山と何をしたかだなんて・・・くだらない
柿内はまた次の雑誌を手にしたとき、携帯が鳴る

「もしもし?」

それは栗山からで・・・イイもの見せてあげると言われても柿内は悩む

「柚木さんは」
『だからぁ、その柚木先輩のイイものだってばぁー早くしないと消しちゃうよー!』

電話を切るとドリンクコーナーで適当なペットボトルを選んでレジへと持って行く
柚木に会いたい。声が聞きたい。触れたい触れたい・・・

レジでお金を払うとため息を吐きながらコンビニを後にする
柚木と話したい。話したい話したい

今帰ってもきっと栗山に嫉妬するハズ。柚木と楽しそうに会話した栗山に嫉妬していつもよりも酷い八つ当たりをしそうで怖くて「早く帰って来い」というのを無視して帰り道にある公園のベンチに座るとペットボトルのキャップを開けた




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まだ拗ねてる柿内w
彼は大人ぶってるけどホントはすごい子どもな感じだと思う。枯れかけてるけどさ。若さとは無縁の自制心とか持ってるけどさ
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