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騙されて魅せられて1 - 03/22 Tue

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人には騙される人と騙す人が存在する・・・彼、天城 雪太は騙される人のスペシャリスト・・・友人は皆、騙され屋と彼のことを呼ぶ・・・

「また騙されたんですって?」
「・・・誰に聞いたのー・・・」

行きつけのバーでカウンターに座るとマスターが少しだけ笑ってそう聞いてきた・・・騙された。これは事実だし、ここへ来る友人たちは知っているから隠しようがない

「さっきコウタくんが来てそう言ってました」
「そうかー・・・コウタかぁ・・・騙されたけどー・・・お金なくなったけどー・・・でも、騙されるオレが悪いんですよねぇ・・・あーあー新車買おうと思ったんだけどなぁ」

天城はため息を吐きながらグラスの中身を傾けた

「あーあー・・・なーんでこんなに騙されるんだろう・・・」
「・・・騙されたんですか?」
「・・・」

いつの間にか隣に人が来ていたことに気付き、大きな独り言を恥ずかしく思う
顔を上げると優しく微笑んでこちらを見ていて、こういう優しい顔にコロッと騙されるんだな・・・と思いながら笑う

「そう・・・何度目かなぁ・・・可愛いのは勤め先を隠してたとかねー・・・実際はプーでいつの間にか家に居着いてヒモになっててーで、いつの間にか男作って逃げてったやつー」
「それは辛い思いしたね・・・それでも可愛いものなんだ?」
「そうだよ!こないだのはーお金持ち逃げされた」
「・・・それ、何飲んでるんですか?奢るよ」
「飲み代に困るほどではないよ?」

ここまで来るととりあえず疑ってしまう。騙しやすい顔だと思われて近寄ってくる輩を牽制するために・・・牽制しても牽制しても大丈夫だと心を許した直後に騙され、逃げられてしまうのが天城なのではあるが・・・

「あぁ、ごめん・・・オレも騙されたことあるから・・・さ」
「・・・カシスウーロン・・・」
「うん。奢らせてくれるんですか?」
「一杯だけね!奢ってもらうだけ!」

男は微笑んでマスターに「カシスウーロン」と伝えるとまた優しい目で天城を見つめる

「オレ、水嶋 寛太。よかったら、そのドリンク飲み終わるまででもお話聞かせて?」
「・・・話だけだよ!」

天城は優しい目の水嶋に騙されストーリーを話し出す・・・それは終わることのない長い長い話・・・




「大丈夫?タクシー乗れる?」
「んー・・・だいじょぶー・・・ねぇ、かんちゃんー・・・聞きじょーずだねぇ」

結局、話を聞いてもらいつつ飲み物を奢ってもらい続けた天城は飲みすぎて水嶋に抱えられて道を歩く

「タクシーやっと止まった・・・天城さん、オレの連絡先ポケット入れておくから気が向いたら連絡して・・・他のお話もしてみたい」
「・・・んー?かんちゃんー・・・お家まで送ってくれないのー?」
「あー・・・判った。じゃあ天城さん、行先だけ言って・・・あとは寝ててもイイから」
「わーい・・・かんちゃんー」

天城は水嶋に抱きつくと行先を運転手に告げた直後に眠りに落ちた




「・・・頭痛いーーーー」

朝、目を覚ますと朝日が眩しくていつカーテン開けたのかと首を傾げながら冷蔵庫へと向かう

「あ、おはようございます」
「え!!!!えええええええ!!!!!」
「朝食、適当に作っちゃいました。えっと、オレ、仕事あるんで、先出ますね」
「え、あ・・・えっと・・・」
「そこ、オレの連絡先と一応怪しい者じゃないって証明じゃないけど名刺も置いてあるから・・・じゃあ」

きっちりとスーツを着た水嶋を呆然と見送ると天城はテーブルに並んだ朝食を見て「うわぁ」と声を漏らした。送ってもらったところまでは覚えている・・・いや、水嶋に抱きついて帰るなと言ったのも自分だと覚えている・・・しかし、そのあとは・・・

「やっべぇぇぇぇ!オレ!またやっちゃった?!」

誰もいない部屋でそう叫んで天城は頭を抱えた





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なかなか新シリーズが書けなくて単発になりましたー。
結構前に書いたものだけれど少しの間お付き合いください^^
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