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騙されて魅せられて2 - 03/23 Wed

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出勤すると同僚の近田光多が「酒臭いー!」と言いながら天城の顔をつねる

「・・・コウタ・・・オレ、またやっちゃった・・・騙される。やばい」
「ええー?!またー?っつかせっちゃんモテんね・・・なんかズルい」
「・・・騙されるのに?」
「それはいーやー」

近田はそう言って書類の山を天城の前にドンと置いた

「・・・何これ・・・」
「ん?今日のお仕事」
「・・・え・・・」
「せっちゃん、お仕事って甘くないね」
「・・・ホントに・・・」

二日酔いで重い頭を抱えながらその書類をひとつ手に取って仕事を始める




なんとか今日の分の仕事を終えた天城は水嶋に連絡しようか迷っていた
謝りたかった・・・置いていった名刺は有名な大きな商社だったし、もしかしたらイイ人なのかもしれないと少し期待しながら・・・

部屋に戻って「うーん・・・」と悩むと悩むよりも行動だ!と電話をする
数コール後、聞こえた声は昨日聞いたあの優しい声・・・優しい目に優しい声・・・酔っていたけれどそれははっきりと思い出せる

「あ、オレ、天城・・・判る?」
『連絡くれると思わなかった・・・うん、ありがとう』
「・・・っていうか・・・ごめん。オレ、最後記憶ないんだけど・・・」
『あー、昨日?天城さん、オレに抱きついて、起きる時間言った後そのまま寝ちゃって・・・』
「え!」
『あ!オレ!何もしてないよ!本当です・・・』
「・・・朝飯・・・旨かった」
『よかった』

水嶋の声は心地よく天城を包み込む・・・騙されやすいのはこの惚れっぽい性格もあるんじゃないかとわかってはいるが、あの顔とあのスタイル、そしてこの声・・・天城の心を虜にするには十分

「水嶋くん、今度、その・・・」
『うん?』
「一緒にメシ食わない?」
『あぁ、オレが言おうと思ってました・・・いつにします?何か食べたいものがあれば予約もしますよ』

天城は「金曜日は?」と聞くとすぐに「いいですよ」と帰ってくる・・・

『あ、でも金曜日だと予約時間見えないかなぁ・・・天城さんは終わる時間決まってます?』
「決まってない・・・予約するような店じゃなくていいから・・・さ」
『わかりました。できるだけ早く仕事終わらせます』
「・・・うん」
『それじゃ・・・声、聞けて嬉しかった。ありがとう。また・・・』

電話を切ると天城はため息を吐く

「・・・まーた惚れてやんのー・・・」

それでも恋をせずにはいられない。もう簡単に好きにならない・・・だなんて昨日までは思っていたのに。人間の感情というのは全然見えない。どうしようもなく止まらない

待ち遠しかった。約束した金曜日が待ち遠しくて・・・

『もしもし?』
「・・・オレ・・・天城」
『えぇ。電話くださって嬉しいです』

彼の声がもっと聞きたくて。もっと知りたくて・・・優しくされたくて毎晩電話をしてしまう。それでも嫌がられることなく、いつも優しい包み込んでくれるような声に癒され、仕事の愚痴も人間関係の愚痴も全て電話で吐き出す。
まだたった1回会っただけ・・・なのに、きっと今までの彼氏よりもずっと長く話している




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強気受けじゃないと調子が出ないっていう水尾ですw
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