FC2ブログ

騙されて魅せられて4 - 03/25 Fri

trackback (-) | comment (0) | その他SS
満たされて満たされた・・・幸せすぎて・・・

夜ひとりになるとふっと昔を思い出して・・・あの裏切られた瞬間を思い出して急に怖くなる

怖い。怖かった・・・

「出て・・・出て・・・っ・・・」

天城は水嶋に電話をしてしまう。深夜2時・・・当然寝ているのは判っている。でも怖くて。怖くて怖くて・・・

『・・・もしもし・・・天城さん?・・・どうかした?』
「っ・・・水嶋くんっ・・・」
『ん・・・今何時・・・』
「ごめ・・・ごめ・・・でもっ・・・怖くて・・・水嶋くん、ごめん・・・」
『少しだけ待っていられる?今から行くから・・・』
「え・・・」

声が聞けただけで安心すると思ったのに、水嶋は飛んでくる
来て抱きしめて眠るまで頭を撫でて・・・優しく声を掛けてくれて・・・

「オレは裏切らないです・・・天城さん」
「ごめん・・・ごめん・・・こんなことで電話してごめん」
「いつでも電話ください・・・可能な限り飛んできます・・・眠って・・・明日も仕事でしょ?」
「ん・・・水嶋くんも・・・仕事あるのに・・・」
「うん・・・でも、天城さんに会えたから平気」

水嶋の声と心臓の音で安心して眠る・・・甘やかされすぎて怖い・・・明日急にこの手がなくなるかもしれないという不安・・・裏切りは突然やってくるのだから・・・






そして、その時は近付いてきた

『もしもし・・・天城さん?あの・・・話があります』

いつになく、真剣なその声は天城の胸を締め付け、覚悟を決めさせる。約1年・・・幸せだった・・・騙されていたとしても許せる。水嶋なら許せる・・・そう思うほどに天城は水嶋に惚れて惚れて・・・落ちていた

夕飯を簡単に用意しようと思ったが、最後なのだと思うとつい張り切って作りすぎる・・・机に並んだ食事を見て泣きたくなった・・・別れたくない。お金なら全部持って行ってくれてもイイ。保証人になるのもいい。内臓も売れるものなら売ってくれてもイイ・・・

それでも失いたくない・・・



「遅くなりました・・・え・・・何・・・すごい・・・」
「うん・・・上がって・・・まず、食べよう?」
「え・・・あ、はい・・・」

水嶋のコートを脱がせると席に着かせて食事が始まる・・・豪華な食事・・・それでも味なんて判らなくて、水嶋の喜ぶ顔をずっと見つめていた
最後でも笑ってくれてよかった・・・そう思いながら・・・

「天城さん・・・?え?どうしました?何?どっか痛い?」
「え・・・あ」

食事が水嶋の胃袋へと片付けられていくにつれて天城は胸が痛くて涙が零れていた

「天城さん・・・」
「水嶋くん、は・・・何を隠してたの?」
「え・・・あ・・・」

今日、言いたかったことを見透かされたようで水嶋は口を閉ざす

「勤め先?」
「や、名刺の通りです」
「借金とか・・・いくら?」
「や、ないですよ?」
「じゃあ・・・結婚してる?」
「え?ないです」
「じゃ・・・何?」

水嶋はひとつため息を吐く

「・・・あのね、天城さん・・・ずっと隠してたけど・・・」
「うん」
「オレ、天城さんのこと騙そうとしてた」
「・・・うん」

それは天城にとって別に驚くことでもない話。そして「やっぱり」と思う話

「あ、違うよ?今は全然・・・っていうか・・・天城さんのおかげで人を騙そうだなんてこと思えなくなったんだ」
「・・・?」

話が見えずに首を傾げる

「あーっと・・・話って言うのは・・・」

水嶋がポケットからひとつの銀色をとりだしてテーブルへと置いた






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

明日騙されて魅せられて最終話になります
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する