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青春はプールの中で8-1 - 03/27 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「柿内、も、大丈夫。来いよ」
「でも・・・」
「見ろって・・・すげぇヒクついてんの判んね?」

すっかり蕩けたそこが誘うように震えているのを見て生唾を飲み込む

「っ・・・ユズ・・・ユズっ」

一気に貫いた雄を飲み込んでいく。深く深く飲み込んで・・・





「・・・ユズ?」

目を開けるとそこはいつもの光景。隣には誰もいない。冷たい布団

「・・・またか」

寒さが段々と濃くなって行く頃、まだ帰って来ない柚木の姿を追うように幻覚を見続けている
夢だけではない、幻覚。朝食を摂っている時でもいるはずのない大学内でもその姿が見える

「なぁ、お前の大学に潜り込んでオレ、怪しまれね?」

それはリアルな幻覚
もちろん薬の類も何もつかってはない・・・ただ柿内の願望だけで現れる幻覚

「大丈夫。見学に来た高校生に見えるよ」
「ふざけんなよお前ー」

その幻覚の柚木はいつものように笑って柿内も小さく笑う。周りにはきっとおかしな光景。誰もいないところで誰かと話している柿内を遠巻きに噂しながら離れていく
判っているのに。ここにいるはずなんてなくて、まだ日本のどこにもいないと判っているはずなのにリアルな柚木と会話せずにはいられない。飢えているから。柚木に。柚木との馴れ合いに



「なー、なぁ!!!!クリスマスも近いことだし寂しいメンバーで飲み行こうって話してんだけど柿内も行こうぜー?」
「未成年飲酒」
「お前ホント、意外と堅いよな?真面目か」
「なんかあって親に迷惑かけたら困る」
「・・・大丈夫。お前、どー見ても1年ですらないから」

友人の頭を軽く殴ると今のこの状態では気分転換も必要だと思い、頷いた




「・・・なんだこれ」
「んー?綺麗なお姉さま方とのお食事会にお前呼んでやったんだからもっと喜べっつーの」

当日、明らかに男女比率が半々のその飲み会に柿内は不機嫌な顔をして友人を少し離れた所へ呼び出して詰め寄った

「いやー、長身の友達いてよかったわー!とりあえずお前頭数なだけだから」
「・・・オレは」
「今は遠距離の彼女がいるんだっけー?ホントにいるのかー?連休あったってお前会いにも行かねぇでバイトだろー?話も聞かないしそれってホントにいるのかよぉ」
「・・・」

ホントにいるのか・・・それすらも判らなくなってしまう。いや、いる。柚木のことは今でも大切に思っているし何よりもあの部屋に確実に柚木はいたのだから

「今日くらいいいだろー。背の高い理系男っつーのが向こうの希望だし!それにホントオレを助けると思えよ!本命いるんだってー!」
「・・・」
「柿内ぃー頼むぅー!」
「判った」

柿内は両手を合わせて懇願する友人に溜息を吐くと席へと戻る。必死なのは柿内にも伝わって来たし、自分がしっかりしていれば何も問題はない。そもそも、愛想のよい方ではない自分が何か起こすとも思えなかった

暫く当たり障りのない飲み会だったが、時間が経つにつれて酒も回って席移動があったり盛り上がったりで柿内はどんどん場の雰囲気から浮いていく

「こいつねー、学校に弁当とか作って持って来ちゃうんだーよ!」
「黙れ」
「えー?!すごいじゃんー!」
「キモーい!って反応期待したのにー」
「料理男子はポイント高いよー!!!」
「んじゃ今度柿内に教えてもらおう」
「教えねぇし!」

絡んでくる友人がしつこくてなんとかここから逃げ出す方法を考えていると「遅れてごめん」という声に顔を上げる

「あー!やっと来たぁ!!!!」

にこりと笑った彼女は「澤口 彩佳です」と頭を下げて1番近かった柿内の隣へと座る

「今日来られないのかと思ってた」
「人数見ると私来なくてもよかったねー。あーそれなら最後まで見てくればよかったー。折角水泳部取材入れたのにー」
「出た出たアヤの水泳マニア」
「ん?水泳・・・?柿内、お前水泳部じゃね?」

澤口の目が輝いて柿内を見る

「水泳部?!水泳トークできる?!」
「や・・・え?」
「種目は?タイム!っていうかそれよりなによりも球ちゃん知ってる?!」
「え?あ?・・・え?」

突然早口で捲し立てられて柿内は戸惑う。澤口の友人たちは「また始まった」と興味を失ったようにまたさっきまでしていた話に戻る

「あー、ごめん。大して力入れてない系か・・・」

その言葉に少しだけムッとして自分のタイムをぼそりと呟いた

「・・・種目、フリー?やっぱり大したことないのか・・・」
「ブレスト」
「おー!ブレスト!じゃあ結構いい線行ってるんだ?」
「高校んときはインハイ目指してた」
「インカレもあるじゃんー・・・っていうか出ること目標って小せぇなぁー」

柿内は黙る。確かに出ることを目標としていた。出て・・・何が残る・・・

「私はさー、今は泳ぐよりも泳ぐ人を追いかけていたくてねー・・・昔はJOとか出てたんだよー?んでー、その頃から球ちゃんの虜ー」
「・・・まぁ、泳ぎすげぇよな」
「お!球ちゃんの泳ぎ判るー?もー全てを魅了するよね!あのパワフルな泳ぎ」

柿内はグラスを傾けて少しだけ頷く
球の大学で泳がせて貰ったときにも球の泳ぎは見ていたし、それに魅了されるのも理解できる・・・

「柚木 球・・・もーね、私はすごい大好き」
「・・・あれ?柿内、お前の同居人も柚木じゃなかった?」
「ちょ・・・」
「何?!同居人って何?!柚木って多い苗字じゃないよね?!何?!何?!もしかして球ちゃんの弟の秀ちゃん?!いや、秀ちゃんはまだ高校生だから・・・流ちゃんか・・・何?!どういう関係?!」

柚木の名前が出て柿内は固まる
球と秀が有名なのは判っているが、柚木の名前まで出てくるなんて目の前の女は柚木兄弟とどんな関係なのかと胸騒ぎまでしてくる

「っつかお前いちいちあちこちの会話入って来るなよ」
「えー!?オレの特技じゃーんっ!ねぇねぇ聞いてー?オレ、同時に別々の会話参加できるのー!すごくない?」

柿内は友人の自慢話にため息を吐くと澤口が隣で小さく「あ」と呟いたのに気付く

「流ちゃん・・・柿内・・・あぁ、柿内・・・カッキーか」
「は?!」
「そっか!カッキー!納得ー!んじゃたけちゃんの後輩だよね?」
「ちょ・・・あんたなんなの?」

澤口が笑う。確かに怪しい女なのは自分でも判っていること

「球ちゃんのすごーい追っかけ・・・球ちゃんもたけちゃんも友達だったりするよ?」





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またまた青プで申し訳ないですけれど青プです!
っていうか・・・今回もまた後半まだ書けてない・・・だからホントは3日くらい休もうかと思ったけれど休んだからって書かないだろ私っ!と思って自分に鞭打ちながらのUPですw

頑張る・・・頑張るからぁぁぁぁぁToT
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