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青春はプールの中で8-5 - 03/31 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「うん?どゆこと?流ちゃんもしかして鍵失くしたとか?カッキーは?もうバイト行っちゃった?バイト先行ってみれば」
「・・・っつーか・・・」

柚木が言い辛そうにしているのを見て隣を「おつかれさまーっす」と通り過ぎていく但馬のマフラーの端を掴む

「なんすか・・・」
「但馬!今日暇だよね?バイトない日だよね?」
「まぁ、そうですけど・・・」
「よし!流ちゃん、但馬ん家行こうー?」
「・・・」

但馬は目の前にいるのが柚木だと理解すると戸惑いながらも「狭いですけど」と了承した





「ね、流ちゃん!但馬のコーヒー美味しいよ?お砂糖入れる?」
「ん・・・」
「ねぇ、流ちゃんどしたの?」
「・・・あー・・・なんつーかちょっと心折れたっつーか」
「うん?」

柚木はコーヒーを啜ると「美味い」と呟いてため息を漏らす

「柿内になんかあったー?」
「え・・・えっと・・・」
「あー、マジか・・・いや、いいんだけど・・・仕方ねぇと思うし・・・でも無視することねぇだろっつー・・・」
「え?無視?」

柚木は頷く。柿内を少しでも早く驚かせたくてトランクを引いたまま柿内の大学の門の前で待っていた。そして柿内を見つけたのに柿内は・・・

「目合ったのに気付いたのに無視して逃げられた。ムカついたから走って追いかけようと思ったけどなんか途中で心折れた」

新井が柚木の頭を撫でる

「ずっとほっといたオレが悪いけど無視・・・キツい」
「・・・ほら、ここでやっと新井さんの出番すよ」
「うん?!何?」
「いや、力になるのはできるでしょ。あーっと、柚木さん、オレ1年の但馬です。今更な自己紹介ですけど」
「あー、悪い。急に押しかけて。んで悪いついでに今晩泊めてくれると嬉しいっつーか」
「んー、帰りましょう」

新井が但馬の胸を叩く

「流ちゃん心折れたっつってんのに何!」
「いや、泊めるのは別にいいんだけどずっと帰らないわけにもいかないっしょ」
「あー・・・そっか・・・じゃあオレカッキー家にいるか電話してみようか」
「多分バイト・・・大学行く前に家も1回帰ったけどもう誰もいないしオレの部屋鍵掛かって開かねぇし」
「・・・」
「何なの?何でオレは自分の部屋にも入れねぇの?」

新井は柚木の手を握る
そう。あの部屋は誰も入れないための柿内の聖域

「流ちゃん、カッキーは絶対流ちゃん好きだよ!」
「あ?」
「カッキーは絶対に絶対に流ちゃんだけ好き!」
「・・・いや、あー知ってるけど?」
「ね、カッキーのバイト終わる頃部屋押しかけよう!んでカッキーにオレがお説教するっ!浮気とかない!心変わりとかないっ!」
「んー?何?浮気?」

但馬は「バカ」と小さく呟くと口を開く

「柚木さんはメシ食いました?」
「あ、1回は食べた」
「いや、1回はとかなんかよくわからない返答だな・・・」
「あのねーあのねー!流ちゃんすっごい食べる!オレの3倍食べる!」
「・・・それ物理的におかしいよな?あんたも2人前は軽く食っちまうっつーのにこの細い体に3倍とか入るわけなくね?」
「でもホントだよ!」
「・・・っつか・・・メシとか言うなよ・・・オレホントに柿内のメシやっと食えるって楽しみにしてたのにまだおあずけくらってキツいのまた思い出した・・・あー心折れる」
「え!それ?!1番のダメージそれ?!」

新井が驚くのを不思議な顔で柚木は見上げる

「だって柿内はもし別れたって柿内だし」
「・・・あー・・・もぉぉぉぉ!!!!そういうところホント羨ましい!カッキーとの関係羨ましいっ!!!そんなこと言っても流ちゃんそもそも別れる気もないっての知ってるけどっ!オレも早くちゃんとした彼氏欲しいっ!」
「あれ?こいつ彼氏じゃないの?」
「えー?但馬がー?但馬はねー・・・但馬はぁ・・・ん?但馬ってなんでオレとこんなにも一緒にいるの?」
「あんたが勝手についてくるんでしょうが!・・・いや、そうじゃなくて柚木さんメシ作りますけど、食いますよね・・・」
「あ、食う!」

意外に元気じゃないかと但馬は安心しながら2人に背を向けてキッチンに立つ

「あいつ、彼氏じゃねぇんだ?」
「えー!だってノンケだし?オレ、ノンケ興味ない」
「江口だってノンケだろーが」
「・・・それもそうだ」

新井が笑うのを見て、日本に戻って来たことを改めて実感する。でも、想像した帰国とは全然違う。隣にいるのは新井じゃなくて柿内で・・・但馬が料理するのではなく柿内が料理をして・・・あんな無視する柿内じゃなくて「おかえり」と他では見せない優しい柿内・・・

「で、お前柿内の何知ってんの?」
「え?」
「浮気がどうのーっつってたじゃん」
「・・・こないだね、カッキーが女の子といるところ見たんだ」
「それだけ?」
「でね・・・それ、相手が・・・アヤちゃんなの」

澤口の名前が出た瞬間に柚木も全て察して思わず吹き出す

「で、喰われたって?」
「カッキーみたいに女慣れしてないような男がアヤちゃんに迫られたらイチコロでしょ」
「・・・」

柚木は少しだけ驚いた顔をする
柿内が女慣れしていないか・・・そんな風だったかと高校時代を思い返す。部活関係でも女子部員と話もしていたし、理系クラスで数少ない女生徒とも話をしていたのを覚えている

「あいつ、別に女慣れしてねぇわけじゃねぇよ・・・ただ、口が悪いから敬遠されてただけで・・・んで、あいつそんなモテなくもねぇからな?」
「え?」
「・・・いや、モテなさそうだけれどもっ!」
「うん」
「正直だな!お前!仮にもオレの彼氏だっつーの!・・・まぁ、それでもあいつがアヤに惚れたっつーなら・・・考えなくちゃ・・・だよなー・・・ねぇと思うけどなぁ・・・っつかあいつがアヤ抱いたのか・・・」

新井は「違うといいよね」と言いながら自信はあるのに何を不安に思っているのかと不思議に思う

「うん。っつか浮気が後ろめたくてオレのコト無視したんなら余計にムカつくよな・・・」
「流ちゃんは不安で心折れたとかじゃなくてムカついてんの?!」
「あー?もーあいつのこと公衆の面前でぶん殴ってやろうかと思ったくらいにな!オレのコト無視したの後悔させてやる」







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柚木の「ぶっとばしてやる!」が書きたかったけど1回書いたらなんか可愛すぎてやめたwww
3月も終わりですねぇ・・・っつかエイプリルフール来るけど何も計画してなかったToT


というわけで明日も通常運転でございますー。ごめんなさいー
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