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青春はプールの中で8-12 - 04/07 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
柿内も祥子の経営するジムで働きだし、思ったよりも多い作業に追われる2人
休憩時間も合わないで結局一緒にいられるのは仕事前と仕事後

「柿内ー!柿内ー!柿内柿内ー!!!」
「あー?お疲れ」

営業時間が終わって掃除中、テンションの高い柚木が走ってきて相変わらずの体力だな・・・と笑う

「後片付けちゃんとやればプール使っていいって!」
「・・・今からまだ泳ぐ気か?」
「え?泳ぎたい」
「・・・オレも?」
「え?泳ぎたくねぇ?」
「・・・正直疲れたけどな・・・」
「だって今日途中で飯食ったし!オレ元気!あとでお前夜食作ってくれたらもっと元気!」

柿内がため息を吐く。正直今からまた泳いで更に夜食まで作る体力はないと思う。でも、柚木の泳ぎを久々に見たいとも思う

「なぁ、柿内・・・オレ、久し振りにお前と泳ぎたい」
「・・・いいよ。少しだけな?」
「よーしっ!よしっ!さぁ!行こう!な?!泳ごう?」

柚木の顔を見るとやっぱり輝いていて、あの頃と同じ・・・水球へ行ってもやっぱり泳ぐことに対して何も変わっていない柚木に安心し、嬉しくなる

プールへ入ると早速泳ぎ始めた柚木に目を細める
前からキックが強い柚木の泳ぎ・・・でも、またキックが強くなった気がする。柿内も壁を蹴ると冷たいプールを泳ぎ始める
もう2度と一緒に泳げることがないかもしれない・・・そう思ったけれど一緒にいる限りそうではないと改めて判る。共に目指す場所は違うけれど、共に泳いで高め合うことはまだできる。こうして泳いでいるだけで楽しくて嬉しくて・・・こんなにも強くなれる

「柿内!お前、なんかフォーム変えた?」
「あー、膝ちょっとやったからな・・・」
「は?!いつ!っつかなんで黙ってた?!病院は?!」

泳ぐのを止めて柚木が慌てて柿内のコースへと移って来る

「病院は一応行ったけど・・・ブレストやってりゃみんなやってるくらいのやつ」
「ホントに?」
「・・・それよりあんたのほうがそのキックがやたらと強い泳ぎでよく腰壊さず来たよな」
「ん!オレ体丈夫だからな!」
「あんたそればっか・・・」
「柿内、膝やってんのか・・・じゃああと200くらい泳いで終わろうか・・・」

柚木が我慢しているのが柿内にも判る。もっともっと泳ぎたいのだろう。明らかに残念な顔

「500・・・」
「お!でもお前はあんまりムリすんなよ?」
「こっからはフリーで泳いどく。もっとあんたの泳ぎ見せろ」
「おう!」

柚木が泳ぎ始めて柿内の周りが輝き始める
柚木は青春そのもの・・・柚木の存在が。柿内の青春そのもの・・・








柚木の誕生日、柿内は早めに仕事を上がって大量の唐揚げを揚げていた

「この量がほとんど流のお腹に消えるんだからホント不思議・・・」
「あ、おかえりなさい」
「ただいま。ごめんねー。結局ほとんど柿内くんが作ってくれるだなんて」

柿内は首を振る
元々そのつもりだった。確かに、いつも以上に作るのは大変ではあったけれど、それもバイトのお陰でなんとかできた。その点、あのバイト先を選んだのは正解だったと思うほど

「美味しそう・・・流が帰って来てから柿内くんのご飯がイイって駄々捏ねてちょっとイラっとしたけれどそれも納得かなぁ・・・」
「え?」
「流ったらね、日本帰ってきてすぐこっちに来させたけれど、柿内くんのご飯が1回しか食べられなかったことがよっぽど堪えてたみたいで留年したのをすごい反省してた。ご飯で反省ってところが流らしいでしょう?」
「・・・不謹慎ですけど・・・嬉しいです」

柿内が照れくさそうにするのを見て祥子が微笑むとインターホンが鳴る

「あ、竹市くんかしら」

祥子が玄関へと向かうと予想通り竹市でコートを脱ぎながらリビングへやってくる。恋人である球が合宿中で来られないかもしれないけれど、相変わらず当然だという顔をして柚木の家へやって来るのだ

「久し振りだな」
「っす」
「ユズはまだだな・・・おい、お前誕生日プレゼントどうしたよ?」
「・・・秘密」
「被るといけねぇだろ?なぁ、なんだよ」
「だから秘密だっつーの」
「ケチっ!あ、あと今日秀が恋人連れてくるって聞いたけどお前見たことある?」

柿内は少し手を止めて竹市を見る。秀の恋人・・・それは竹市の弟ではないのか・・・そう思いながら首を振った

「あ、洋和?あいつとはすぐにダメになったらしいぞー。結局、秀も洋和もいざとなったらやっぱり違ぇなってなったらしい」
「へぇ」
「まぁ、いい友人関係は続いてるらしいからあいつらにはそれが1番イイ関係なんだろ。親友と恋人のボーダーラインなー・・・そこに肉体関係が入って来るかどーかかー・・・判んねぇー」

柿内は頷きながらまた揚げ物に集中する。自分も考えたことがある。柚木を抱ける・・・そう思ってからもいざ目の前にしたらやっぱり違うんじゃないか・・・これは憧れなだけで恋愛とは関係ないのではないか・・・そう願ったこともあった。けれど、やっぱり萎えることはなかった。もっともっと望んだ

「竹市さんは最初から球さんのコト・・・あんただって別に男が・・・とかじゃないだろ」
「んー?まぁ、オレも驚いた」
「・・・なんだそれ」
「球さんの舌技に?」
「うっわ・・・聞くんじゃなかった」
「いや、聞いたのお前だからな?」
「だから後悔してんだよ」

竹市は笑いながら「精神力童貞めー」とぼやきながら空いている椅子に座る

「でも、お前こそ・・・じゃね?いっくらユズが可愛くたってあれ、完全に男だろ」
「・・・」
「お前、男イけんじゃね?」
「それはない・・・」
「試したのかよっ!」

吹き出した竹市を睨む。試した・・・わけではないが、好奇心から男性同士の動画も見たのだ。柚木をどうしたらもっと悦くできるのか判るのではないかと・・・でも、結局最後までそれを見ることはできなかった。どうしても受け入れられなくて・・・画面の中が柚木だと想像してもやっぱり想像しきれなくて気持ちが悪くなった

「ま、惚れたらなーんにも関係ねぇよなぁー勃つもんは勃つしー」
「・・・そんなもん?」
「お前後悔でもしてんの?」
「してるわけねぇしっ!・・・まぁ、無理させてる罪悪感は未だにあるけど」

竹市は笑う。本当にこの後輩は見た目と口の悪さで受ける印象とは全然違う。恋人の弟で大事な可愛がっていた後輩を任せるには丁度いい・・・

「それは忘れてやんな・・・でも、ユズも嫌々じゃないっつーのも覚えておけ」
「・・・っす」
「あー、秀も久し振りだなぁー・・・デートの後で来るのかー。連れてくるっつーことはそれだけ真剣なのかなー」
「じゃね?」
「どんな子か予想しようぜー?まず男か女か!」
「性別よりもまず性格がイイ子だろうな・・・」

柿内は揚がった唐揚げを皿に移して山盛りになるとテーブルへ運ぶ
秀の恋人。秀が惚れるのはきっと外見じゃなくて中身。きっと優しくて芯が強い。でもどこか守りたくなるような相手。でも高め合えるそんな相手だと想像する

「案外すげぇ美人かイケメンかも」
「秀は外見で騙されるやつじゃねぇし」
「あー、お前と同じ?」

竹市の言葉は何か含みがあって柿内はまた澤口のことを言われているのだと気付いて口を閉ざした





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久々に柿内と柚木が泳いだ感じです。最近、水泳シーンがなさ過ぎて物足りない・・・な・・・
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