FC2ブログ

青春はプールの中で8-14 - 04/10 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
ケーキを食べてプレゼント交換だとかも終わって後片付けもひと段落した頃、秀が榎本を送って来ると告げて手を振る

「あー、今年はこの後のカラオケ大会が寂しくなるってことかー・・・」
「あ、オレ行きますよー」
「たけちゃんは最初から人数に入れてあるけどね」
「柚木さん行ってきたら?」
「は?!」

柿内が小さく手を挙げて「すいません」と呟く

「オレ、なんか姉貴から呼び出しくらってんで・・・」
「聞いてねぇし・・・」
「悪い。さっきメール来た」
「・・・」

柚木の顔が曇ったのを見て柿内が申し訳なさそうな顔をした。今日は誕生日。充分に甘やかしてあげるつもりでいたけれど・・・

「・・・そうか・・・姉ちゃんか・・・」
「ん・・・」
「それ、終わったら?」
「終わったら?!」
「戻ってくるか?」
「・・・」

顔を上げて祥子を見るけれど優しく微笑まれただけで言葉に困る

「・・・く・・・来る?」
「?!」
「や・・・姉貴・・・多分あんたのこと知ってる・・・し」
「・・・」
「いや、姉貴なら・・・判ってくれると思うし・・・だったら・・・紹介・・・したい・・・し」

柿内の声が段々自信なく小さくなっていく

「行く」
「!」

柚木の潔い答えに柿内は驚いて、少し離れたところで2人を見守っていた家族はホッと安心したような表情になる

「んじゃ!オレ、柿内んとこ行ってくるから」
「いってらっしゃーい」

笑顔で見送られた柚木。最初からカラオケの人数に柚木と柿内が入っていなかったことは誰も口には出さないでいた






「柿内の姉ちゃんってどんな人ー?」
「最悪に性格悪い人」
「なんだそれ!」
「いや、外面はイイ。親にもイイ顔して・・・オレにだけ悪魔」
「えー?」
「・・・んで、頭はよくて親に好かれて親の望み通り医者になった人・・・」

急に柿内が真面目な顔をしてそう言ったのを柚木は隣で「ふぅん」と頷く。話しは聞いたことがあったけれどどんな人なのかもよく知らないこと。いつだってご飯の支度を押し付けられているイメージしかない

「でも、確か柿内の進学応援してくれたの姉ちゃんだろ?」
「・・・」
「実は弟想いのイイ姉ちゃんなんじゃねぇの?」

柿内の家へ着くとカギを開ける
思い返せば、柿内の家へちゃんと来るのはテスト勉強を教えに来た時の数回しかなくて、更に柿内の家族に会うのだと思うと少し緊張する

「ただいま」
「遅っせぇよ!バカ!待たせん・・・あ、いらっしゃい」
「こんばんは・・・遅くなりまして・・・」
「や!いやいやいやいや、ごめんっ!ごめんねぇ?えっとーノリの・・・あ、ああっ!!!ノリ!バカっ!ちょっと来い!」

現れたのは柿内と血の繋がりがあるのかと思うような美人。でも、口の悪さは同じかと思いながら姉に襟を掴まれて連れていかれた柿内を見つめる

「もしかしてもしかしてっ!!!」
「・・・なんだよ」
「あれ、ユズ?」
「っ?!」
「うっわー!連れてくるなら連れてくるって言えよ!バカ!あの子があんたの」
「待て・・・待て・・・お前どこまで知ってんの」

姉がニヤリと笑うと『全部』と答える

「な・・・」
「そりゃー?紀行くんったら一途なのでわかりやすいって言うかぁー?・・・あんた、昔、バレンタイン当日に簡単にすぐできるチョコレートレシピ教えろとか言ってきたじゃん?なーのに浮いた話の1つや2つどころかなーんにも出てこないし、出てくるのは部活の話だけじゃん?『柚木さん』って名前だけじゃんーそっからこれは女じゃねぇなぁーとかね・・・」
「っ!!!」
「まぁ、ただの部活の先輩なのかと思ったこともあったよ?そりゃあったよ!でもそっからことあるごとに料理の腕は磨くし、たまにはお菓子まで作っちゃうし?これはただの先輩じゃねぇなぁ・・・ってねぇ・・・でも・・・すっげぇイケメン!何アレ!あんたに勿体ないっ!いや、もうあれが弟になるなら全然イイ!超オッケー!超かわいい!寧ろあんた帰ってこなくてイイからユズだけ帰って来ていい」
「・・・それで、何の用だよ・・・」

柿内の言葉でくるっと笑顔で柚木に振り返った姉が笑顔のまま近付いて来て柚木は何か言われるのかと内心ドキドキしながら柿内の姉を見つめる

「紀行の姉の紀代美ですー!いつも紀行がお世話になってますー」
「あ、いや、こちらこそ・・・」
「ホンット使えない愚弟だけどどんどん使ってやってねぇー?」
「・・・柿内・・・にはいつもご飯も作ってもらってるし・・・ホント感謝してます」
「今日、お誕生日ですよね?これ、つまらないものですけどーよかったらー」
「え・・・ええっ!?」
「ちょ・・・何?」
「これ、こっちはあんたに」

紀代美から袋を押し付けられてついでに厚みのある封筒を上に乗せられる

「それ、父さんから」
「な・・・は?!」
「母さんには確かに連絡し辛いかもしれないけど父さんにはたまには連絡してやってよ!あの人はあんたのこと気にしてるから」
「は?父さん?!」

紀代美は柿内の肩を叩くと「んじゃ頑張れ!青少年ども!」とカバンを片手に出て行く

「ちょ、なんだよ!これだけ!?」
「あったりまえだろ?これからあたしデートだし!もぎ取ったクリスマス休暇!さっきまで仕事だったけどっ!超多忙だったけどっ!仲間の分まであたしが楽しむっ!!!」
「・・・ありがとうございますっ!お姉さん、メリークリスマス」
「!・・・あー、マジで実の弟が逆だったら・・・またおいでね?」

柚木の笑顔に胸をときめかせながらそう笑顔で去っていく

「・・・マジか・・・」
「っつかオレの誕生日なんで・・・」
「前・・・チラッと言ったかも・・・な。あんたの誕生日パーティー誘われてるっつって・・・あいつ記憶力半端ないし」

柚木は照れくさそうに笑うと紀代美から受け取った包みを開ける

「あ、これ何?シャンパン・・・?ワイン?確かに酒解禁になったけどさっ!」
「シャンパン・・・だな・・・あいつホントどこまで知ってんだよ・・・あんたが年上だとか・・・まぁ、先輩だとは言ってたけど・・・」
「やっぱりイイ姉ちゃんじゃん」
「・・・かもな・・・」

そう。4人家族ではあるが、この家を使っていたのは主に柿内と姉の紀代美だけ。両親は病院と隣接になっている柿内の祖父母の家でほぼ生活していて、ここ数年はまともに会話すらしていない。だから紀代美は柿内にとってまだ家族として1番近い人間なのは確か

「お前のは?」
「あー・・・コート・・・」
「うわー!イイじゃん!羽織ってみろよ」

柿内は言われるがままにコートを羽織る。それはぴったりで、暖かいコート

「似合うし!・・・んじゃ、オレはこれやる」
「は?」
「向こうで買ってきた。手袋」
「・・・ありがとう」
「おう。この冬は暖かいなー?」
「・・・ん・・・暖かい・・・」

家族の暖かさ、恋人の暖かさ・・・防寒具の暖かさよりも心が温かい。それはぽかぽかと内側から柿内を温めていく

「・・・んで、姉ちゃんは帰ってこない・・・と・・・」
「・・・とりあえず、部屋・・・行く?」
「おう」









にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

ご、ごごごごごごごめんなさいっ!!!!昨日の更新すっかりすっ飛ばしました!!!!
柿内の姉ちゃんのお話も書きたかったのです。すごい美人で性格が悪い感じの姉!でも、きっとホントは誰よりも弟のことを想っているんだと思うんです

あぁ、それにしても最近グダグダだぁ・・・本業イベントで大きいのが色々重なっておりまして。そちらの制作作業に追われる毎日すぎて書く時間が全くないのですToTいっそのこと大きいイベントがひと段落するまでお休みするか・・・と思ったけれど、そうすると6月のおわりになってしまうしー・・・そんな長いことお休みするわけにはっ!!!!っていう葛藤!時間が足りないーーーーっ
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する