赤い糸17 - 05/13 Fri
徐々に冬が近付いて来て、気付くと俊輔が彼女ではない女の子を膝に乗せていたりするのを見て小さく舌打ちをする
オレ、彼女一筋だからー。そう言いながらも彼女がいないときにはこんな風に他の子といちゃつくのが信じられなかった。それに比べて新田は学校で自分以外とはほとんど話すこともない・・・
「なぁ、怜、昨日出た課題さー」
「うん」
「オレのシミュレータが出した答えが予測値と全然違ったんだけど怜はどうだった?もう1回シミュレータ回してるけどやっぱり予測値違いそうで設定違うかもっていう状態なんだけど・・・」
「あー、パラメータ触った?」
「触った」
「あれ、触らない方が上手く行った」
「マジ?!」
怜は頷くとパソコンを開いてシミュレータを立ち上げて新田に見せる
「あー!オレの予測値通り・・・怜、あとで設定するの手伝って」
「おう」
「怜ちゃーんっ!オレにも見ーせてーっ」
怜は振り返りもせず「断る」と冷たく言うとすぐにパソコンを閉じて立ち上がる
「ちょ!そこまで嫌い?!マジで?ねぇ、俊ちゃんのどこが嫌いか教えてー!新田と仲良く話してたじゃーんっ!」
「チャラいところが嫌い。気持ち悪い」
「ええええええ!!!チャラいって!!!!」
怜の言葉に周りの笑い声が教室に響く
「確かにチャラいー!」
「俊輔チャラいー!」
「怜ちゃんにフラれる俊輔ウケるしー!」
「えー!泣くよ?オレ泣くよ?オレ一途なのに!!!泣くよ?」
彼女以外の女の子を膝に乗せて笑っていたのに何が一途だ・・・そう心の中で悪態を吐きながら荷物を抱えて教室を出た
「やっほー!ひっさしぶりー!」
「ヤダ!来たんだ?!久し振りじゃんー!」
クリスマスも近くなった頃、久々に俊輔の彼女がゼミに顔を出したのを教室の隅でなんとなく眺めていたとき、新田が教室へ入ってきて手を振ろうとするとすぐに俊輔の彼女が新田に近付いてツンツンと胸を突く
「新田ぁー・・・あたしー、しばらく学校来てなかったけどーずーっと聞きたかったんだよねぇー」
「え?」
「学祭のあとー・・・あんた怜ちゃんにチューしてたでしょうー?」
「えええー!なにそれー!怜ちゃんとそういう関係だったの!?えー!!!」
怜がいるのに気付いていないのかと教室の前のほうで盛り上がる皆に恐怖を感じながら体を小さくしてカーテンに身を隠すようにする
「あぁ、見たんだ?あれは違うって」
「えー!ばっちり見たってぇー!」
「あれは怜がしてきたやつだし」
「えええー!怜ちゃんがー?!」
違う・・・違う・・・あの時、自分からしたキスじゃない・・・
「そうそう。怜、どうもそっちなのかなぁ・・・まぁ、怜なら許すよね?」
なんだ・・・それは・・・
「怜ちゃん可愛いからってぇー?!えー!でも男同士ー!キケーンッ!」
「可愛いけど・・・キモくね?」
「やだー!厳しいー!」
「一瞬触れただけだったし、あんまりイジメんなよ?」
「えー・・・なんか意外だったしー・・・がっかりー」
それは怜にとって裏切りのような言葉・・・全て押し付けられた・・・あの時されたキスを全て・・・全て・・・
「なぁ、新田、あんまり嘘吐くなよ?怜がその後泣きながら教室出てきたの見た」
「・・・あれは」
教室へ入って来た俊輔が怒った顔をしながら新田の胸倉を掴んでいるのを見て怜は息を飲む
茶化していただけの空気が一気に険悪なものへと変わったのに気付いて耐えられなくなった怜はカーテンから出て教室の後ろのドアから逃げ出した
「え!怜ちゃんもしかしてずっといた?!」
「・・・」
新田はしまったという表情をして呆然とする中、その後を俊輔が走って追いかけていた

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「なぁ、怜、昨日出た課題さー」
「うん」
「オレのシミュレータが出した答えが予測値と全然違ったんだけど怜はどうだった?もう1回シミュレータ回してるけどやっぱり予測値違いそうで設定違うかもっていう状態なんだけど・・・」
「あー、パラメータ触った?」
「触った」
「あれ、触らない方が上手く行った」
「マジ?!」
怜は頷くとパソコンを開いてシミュレータを立ち上げて新田に見せる
「あー!オレの予測値通り・・・怜、あとで設定するの手伝って」
「おう」
「怜ちゃーんっ!オレにも見ーせてーっ」
怜は振り返りもせず「断る」と冷たく言うとすぐにパソコンを閉じて立ち上がる
「ちょ!そこまで嫌い?!マジで?ねぇ、俊ちゃんのどこが嫌いか教えてー!新田と仲良く話してたじゃーんっ!」
「チャラいところが嫌い。気持ち悪い」
「ええええええ!!!チャラいって!!!!」
怜の言葉に周りの笑い声が教室に響く
「確かにチャラいー!」
「俊輔チャラいー!」
「怜ちゃんにフラれる俊輔ウケるしー!」
「えー!泣くよ?オレ泣くよ?オレ一途なのに!!!泣くよ?」
彼女以外の女の子を膝に乗せて笑っていたのに何が一途だ・・・そう心の中で悪態を吐きながら荷物を抱えて教室を出た
「やっほー!ひっさしぶりー!」
「ヤダ!来たんだ?!久し振りじゃんー!」
クリスマスも近くなった頃、久々に俊輔の彼女がゼミに顔を出したのを教室の隅でなんとなく眺めていたとき、新田が教室へ入ってきて手を振ろうとするとすぐに俊輔の彼女が新田に近付いてツンツンと胸を突く
「新田ぁー・・・あたしー、しばらく学校来てなかったけどーずーっと聞きたかったんだよねぇー」
「え?」
「学祭のあとー・・・あんた怜ちゃんにチューしてたでしょうー?」
「えええー!なにそれー!怜ちゃんとそういう関係だったの!?えー!!!」
怜がいるのに気付いていないのかと教室の前のほうで盛り上がる皆に恐怖を感じながら体を小さくしてカーテンに身を隠すようにする
「あぁ、見たんだ?あれは違うって」
「えー!ばっちり見たってぇー!」
「あれは怜がしてきたやつだし」
「えええー!怜ちゃんがー?!」
違う・・・違う・・・あの時、自分からしたキスじゃない・・・
「そうそう。怜、どうもそっちなのかなぁ・・・まぁ、怜なら許すよね?」
なんだ・・・それは・・・
「怜ちゃん可愛いからってぇー?!えー!でも男同士ー!キケーンッ!」
「可愛いけど・・・キモくね?」
「やだー!厳しいー!」
「一瞬触れただけだったし、あんまりイジメんなよ?」
「えー・・・なんか意外だったしー・・・がっかりー」
それは怜にとって裏切りのような言葉・・・全て押し付けられた・・・あの時されたキスを全て・・・全て・・・
「なぁ、新田、あんまり嘘吐くなよ?怜がその後泣きながら教室出てきたの見た」
「・・・あれは」
教室へ入って来た俊輔が怒った顔をしながら新田の胸倉を掴んでいるのを見て怜は息を飲む
茶化していただけの空気が一気に険悪なものへと変わったのに気付いて耐えられなくなった怜はカーテンから出て教室の後ろのドアから逃げ出した
「え!怜ちゃんもしかしてずっといた?!」
「・・・」
新田はしまったという表情をして呆然とする中、その後を俊輔が走って追いかけていた

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