FC2ブログ

赤い糸26 - 06/01 Wed

trackback (-) | comment (0) | その他SS
怜の表情が乏しくなっていたのはテストが思うように行っていないからだと思った。いや、そう思いたかった
キスを避けるのはテストの代わりに提出する小論文で徹夜が続いて疲れたからだと思いたかった

お酒を飲んでも以前のように楽しそうに笑わないのはバレンタインシーズンが近くてバイトが忙しいからだと思いたかった
遊びに誘ってもただ首を振るのは・・・

「怜・・・」
「うん?」

ただ部屋に来て黙って酒を飲むだけ・・・何を話してもあまり興味なさそうな返事しか返ってこない怜をただ後ろから抱きしめる

「・・・怜・・・」
「何・・・」
「セックスする?」

怜が新田を見上げて少し照れたように笑う。でも、新田の求めていた笑顔じゃなくてこの状況を作り出しているのが自分だと思うとまた辛くて怜を強く抱きしめる

「怜、楽しそうじゃないから・・・」
「な・・・なんだよそれ・・・楽しそうじゃないとか・・・」
「だからすっげぇトロトロのグズグズにして気持ちよくしてあげる」
「・・・お前時々おっさんっぽい・・・」

怜が呆れたように笑って新田の頬を撫でる
別に体の関係がなくなったわけではなかった。けれど、新田が抱いていてもそれは怜の抜け殻のような気分になることがあって・・・

「最高に気持ちいいセックスして・・・」
「うん?酒飲む?」

怜が笑うと新田は微笑みながら怜の耳元に唇を寄せる

「それで・・・別れよ?」
「・・・え?」

怜の表情が固まって新田を見上げた
それは怜にとって考えていなかった言葉

「・・・待って・・・え?何?」
「いや・・・やめてよー・・・怜、その顔、折角の決心が揺らぐー」

新田が笑って怜にキスをする
いつから決心していたか・・・多分、俊輔が怜のことを好きだと言った瞬間から・・・もう、ダメだと思った。赤い糸だとか信じてないけれど、それは直感的に・・・同時に怜が笑わなくなったのもその頃・・・別れたくない。自分だけ。そう言われても信じ切れなかった。俊輔が怜の近くにいるだけでイラついてそれを怜にぶつけて・・・奪われたくなくて体に自分を刻み込んで・・・でも、それも限界。このままだと2人とも壊れるのは判っているから・・・

「いや・・・なんで?オレ・・・オレは・・・」
「怜、そろそろ自分の気持ちに正直になろうか」
「オレ!正直だしっ!」
「・・・それに、オレ、卒業したら今のバイト先にそのまま勤めるからさぁ・・・誘惑も多い職場じゃん?怜もきっと心休まらないでしょー?」
「・・・それは・・・新田が・・・」
「うん。でもさー、すっげぇ可愛い子とかの誘い断り続けるのもどーかなぁ・・・できるかなぁ・・・」
「なっ!!!!」
「今は怜しか見えない・・・でも、これからは判らないよ?」

怜は自分の心臓の音がうるさくて胸を押さえる。でも、治まることのない胸の音はてのひらから更に伝わってきて新田を睨むように見つめる

「・・・怜が好き・・・だけど、誘惑以外にも生活リズムもやっぱり合わなくなるでしょ?それですれ違って別れることになったら・・・オレ、暫くピアノ弾けなくなると思う」
「え?ピアノ・・・弾けない?」
「弾けるー・・・でも、マスターに酷評受けてるところー・・・今はバイトだから大目に見てもらってるらしいけど・・・だから、卒業までに時間かけて友達に戻ろ?楽しく飲んで・・・さ」

楽しく・・・楽しく・・・手元のグラスを見て怜は目を伏せる。そういえば、少し前までは新田と飲むのはもっともっと楽しかったような気がした。順平や風花と話すときのように自分が自分でいられた気がした・・・でも今は・・・

「新田・・・が好き・・・でも、オレも判んない・・・オレがこんなんだから新田を傷つけてるんだって思うとまた苦しかったし・・・」
「ごめんな?ホントはもっと早く怜を解放するべきだったよね・・・でも、ホント好きだった・・・お前が言う赤い糸がなんでオレは繋がってないんだって・・・」
「お前と繋がってたらよかったのに・・・ずっとそう思ってた・・・ずっとホント思ってたよ?」

新田がふわりと笑って怜に唇を寄せるとそのまま床に押し倒す

「これ、オレのワガママ・・・最後に怜を最高に気持ちよくさせてオレを覚えておいてほしい」
「・・・ホントワガママ・・・」

唇が何度も何度も降りてきて怜の唇、頬、首筋、耳に軽い音と共に唇の感触を残していく

「怜、ごめんね?オレで感じる体にしてごめんね?」

キスされる度に体が覚えている。これからされる快感への期待で高まっていく気分
そしてふと思い出したミカの言葉・・・


「元カレの形、体が覚えてるのが怖い」



あぁ、それはこういうことなのかもしれない・・・今ならわかる。今まで知らなかったオトコのカラダ。それを感じるように作り替えられていって、新田の指を、手を、雄の熱い楔を。体が覚えているから

「新田ぁ・・・」
「うん?」
「お前のコトオレが忘れられなかったらどーしてくれんの?」

新田が笑って「店においで・・・」と怜の耳元で囁いた






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

とうとう別れを切り出した新田くん。そりゃーボリューミーな話になるわなぁ・・・とようやく気付いたw
赤い糸が終わったらつれキミ売れ僕が更新できるように頑張って書いておりますよーーーーっ!そして青プのラストが固まった・・・でもラストまでの間は全然書けていないっていうーーーーっ!それでも青プは今年中には完結するなぁ・・・とか思っております。
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する