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赤い糸28 - 06/03 Fri

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卒論のテーマが固まった頃、夏休みに入る。就職活動もない怜にとってはバイトをしつつ大学院への準備と卒論を並行して続ける

「大学院行くってことは怜くんは来年も続けてくれるのー?」
「まぁ、大学次第ではあるんですけどね・・・」
「やー、怜くん人気あるし頼りになるから嬉しいなぁ」

バイト先でそう言われると怜は少し照れつつも頼りにされているということが嬉しくて笑う

「あー!なんか怜くん最近すごい表情いいよねぇー・・・あ、彼氏と上手くいってんの?」

少し小声で言われると怜は目を伏せながら笑って首を振る

「彼とは別れました」
「え!!!えええええ!!!ご、ごめん!ごめんね?!」
「や、それでも今、友達としてすごいイイ関係なので・・・」
「ホント?ごめんね?変なこと聞いちゃった」

気まずい雰囲気にさせたことを謝ったみのりに怜はひたすら首を振る
きっと身近にいた『お仲間』に親近感を感じていたのだろう。もっともっと色々話したかったのにみのりもどう話していいか判らなくて黙ってケーキの飾りを続ける

「・・・好きって言ってくれる人とルームシェアするってどう思います?」
「え?」
「や・・・なんでもないです・・・」

みのりの顔がぱっと明るくなって「それコイバナ?!コイバナ?!」と怜の隣に近付いてくる

「怜くんはその人のコト好きじゃないの?」
「・・・好き・・・です」
「うん?あれ?じゃあルームシェアじゃなくて同棲?」
「や!付き合ってない・・・っていうか・・・オレ、そいつのこと嫌ってて・・・いや、ホントは好きだったんだけど嫌ってて・・・近付くなって言ってて・・・」

みのりはニヤニヤと笑いながらイチゴの隣にチャービルを飾る

「怜くん、今日あのチョコレートケーキ持って帰りなよ」
「え?」
「んで、彼に話してみなよ?」
「・・・いや、だから」

みのりが笑ってケーキを箱に詰める

「甘いものって色々解決してくれるんだよー?特にオレのケーキは恋を叶えるケーキって言われてるし?」

それは雑誌の煽り文句じゃないか・・・怜は思いながらもきれいなみのりの横顔を見つめる

「あ、怜くんってタルトの方が好きだっけ?」
「や、オレは甘いものよりも酒が好きっていう・・・」
「えええええ!ケーキ屋でずっとバイトしといてそんなこと言う?!あのチョコレートケーキは特別。ホントはねー、あれ、オレの彼氏用ー。彼のためだけに焼くケーキ」
「え、そんな・・・」
「恋を叶えるケーキだなんて嘘だって思うでしょー?でも、実はあのケーキだけは別ー・・・オレの恋も叶ったんだもん」

みのりが微笑むとそんなケーキを貰ってもいいのかと心配になりながらみのりを見つめる

「え!大丈夫だよ?流石に彼もホールは一気に食べられないしー」
「・・・」
「正直になるのも怖いし、好きな人と付き合うのって怖いよねぇ・・・でも、その先はすごい幸せ待ってるから」

怜が頷いてお礼を言うと「若い子可愛い!羨ましいっ!」と呟かれた





バイトが終わるとケーキを持たされた怜は外へ出て立ち尽くす。そういえば、俊輔は実家に住んでいるし、その実家の場所だって知るわけがない

「・・・」

ケーキの箱を見て順平と風花の所へ行こうかと思ったけれど、みのりが恋人のためにだけ焼く特別なケーキだと思い出してひとつ深呼吸をすると携帯を取り出した

発信先は俊輔・・・少しの電子音の後に『もしもしっ!?』そんな焦ったような大きな声が耳に響いて思わず受話器を耳から離す

「・・・うるさい」
『あ・・・ごめ・・・えっと・・・掛け間違えとか・・・じゃなくて?』
「お前さー・・・大学の最寄り駅まで来れる?」
『え!何?今から?』
「無理ならイイ」
『や!行く!でも・・・えーっと・・・あーっと・・・30、40分かかるけど!』
「ん・・・じゃあ着く少し前に連絡して」

電話を切ると怜は心臓を押さえながらケーキの箱を見つめてひとつ頷いた





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ラストスパートへ向けて時間がどんどん流れていくんだーぜーーーーいっw

っていうかさー・・・1年って早いなぁ・・・と。私の誕生日も来ちゃうじゃん・・・去年はPCを新調したから今年はスマホを新調・・・したい・・・なぁ(切実)
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