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つれないキミと売れてる僕9-8 - 06/19 Sun

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
啖呵を切ったものの、里見は部屋に戻って紙の数字と見つめ合う
印税は全然大したことがないし、稼いでいるといっても微々たるもの・・・両親の残した財産、事故の損害賠償を使って生活している里見には簡単に払える額ではない

「里見、何見てるのー?」
「数字」
「?・・・そっか?」

仕事が終わったという須野が手土産を持って里見の部屋を訪れたが、里見はさっきからずっと何かを見つめていてそれについて聞いてもいいのかと須野は迷っていた

「なー」
「うん?!」
「金くれ」
「え!あ!うん!幾ら?!何ー?どしたのー?」

ニコニコと財布を出した須野にため息を吐く

「お前、幾らならオレにくれる?」
「全財産」
「ぶはっ・・・マジかよ・・・」

迷うことなく即答した須野に吹き出すと真面目な顔をして須野を見つめる

「それ、寄越せ」
「・・・いいよ」

須野は頷く。お金なんて別に必要ない。里見がお金が必要ならばその方が須野にとって大事なことだから

「里見」
「あー?あぁ、お前とは付き合えねぇよ?体売るなら金持ちババアに頭下げてくるしな」
「違・・・あの、何に使うかとかは聞いてもイイ?」

里見は「あぁ」と頷いて葛西の話をした

「そっか。判った」

ニコニコはしていたけれど葛西のためだと知って少しだけ不機嫌になったのがなんとなく判る

「須野」
「うん?」
「目、瞑れ」
「?」
「キス、してやるよ。オレのキス高ぇからな?」
「や!ムリ!!!ムリムリムリムリ!!!そんなの要らないからっ!!!!大丈夫!何も要らないっ!僕のお金なんて里見にいくらでもあげる!見返りなんて欲しくないっ!」

全力で拒否されて「あぁ、そう」とあっさり引く里見に須野は自分の唇に触れた
想像する。里見に触れられることを。キスすることを・・・人の唇はどんな感触なのか。知らない。キスシーンですらも避けてきた須野にとって未知の世界

「顔、真っ赤だぞ」
「ぅ・・・」
「オレ、父さんも母さんもオレがやりたいこと否定しなかった。なんでも若いうちにやれって背中押してくれた・・・相当恵まれてたんだな」
「里見・・・」
「お前は優子さん生きてる時反対されたのか?」

須野は少しだけ考えて微笑む
母には「血は争えない」と呟かれたあの日

「応援はしないけど反対もしないって言ってたなー」
「・・・僕の場合、生活費に医療費稼がなくちゃだったし母さんも悩んだと思うよ」

須野の母が病に倒れ、母子家庭の須野は働くことを余儀なくされた。そこに突然降って湧いた学生のままで働ける道
須野は迷うことなくその道へ入り、事務所の社長に気に入られ、援助してもらって、成功した

運が良かったのだと思う。でも、正解だったと今も信じている。演じることは役割を与えられるようで楽しかったし、毎日充実しているから

「まぁ、葛西にも同じように選ばせてやりたいんだ。自由に。暴力で縛り付けられるんじゃなくて」
「里見は優しいよね」
「・・・んなんじゃねぇし」

里見は照れ隠しのように須野の頭を叩くとタバコを咥えてまた紙を見つめた




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須野はもう芸能界デビューはしている(高校のときからしている)けれどまだそんなには稼いでないと思うんだ・・・

身の回りで変化が起きすぎててもしかしたら今よりももっと時間も余裕がなくなるかもしれないという話が出ていてあーあーあーあーあーあーあーあああああああ!!!!!ってなってるところでございます
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