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つれないキミと売れてる僕9-10 - 06/21 Tue

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
「里見はそれで機嫌悪いんだね?」
「あー?」

須野が困った顔をしているのを見て首を傾げる

「あ、違う!なんでもないっ!!!里見はまだ仕事あるの?」
「いやー?」
「あー、そう・・・えっと・・・」

あぁ、これは須野からの一生懸命なお誘いだと気付くが、葛西との賭けがあったと思い出す
里見には最初から結果なんて判り切った賭け・・・でも、遊び事だとしてもいくらくだらないことだとしても負けたくない里見

「んじゃスッキリしたからとりあえず寝るわ」
「え!あ、うん」

体の関係なんてなくたって須野はずっとこうして全て捧げる。判っている・・・それが須野の愛だなんてずっと前から知っている

「おやすみ」
「んー」






「ねぇ、光ちゃんやり過ぎじゃないー?これー」
「あー?」
「いや、ってか何作ってんの?」
「ロールケーキ」
「え!まさかのロールケーキ!!!!」

失敗作やら洗い物がうんざりするほど山積みになったキッチンで里見は自分も粉だらけになりながら葛西と相変わらず空き缶をドミノのように並べていく

「このなー?ドミノの最終地点がロールケーキタワーなわけ」
「なんでロールケーキタワー!!!っていうかお菓子作ったこともない人間にロールケーキとかもー無謀すぎて爆笑ー!」

ケラケラと笑う葛西につられて里見も笑う



里見の苦労の甲斐あって、なんとか完成した空き缶のドミノと不恰好なロールケーキタワー。須野は帰宅してそれを見て少しだけ笑ってキッチンの惨状にため息を吐いた

そして空き缶を足で倒して倒れていく空き缶。そしてロールケーキタワーに当たった缶はロールケーキを倒すことなく転がった

「・・・これ、手作りってことかぁ・・・」

それがなんだか嬉しくなって須野はふわりと笑って空き缶をゴミ袋へと片付け、キッチンも綺麗に片付けていく

「里見が作ったのかなぁ・・・いやー、まさかねぇ、でもなー・・・キッチンすごかったしなぁ・・・」

里見の手料理なんて数えるほどしか食べたことがない。なのに、今目の前に多分里見が作ったロールケーキがある・・・須野はそっと写真を撮るとロールケーキをかじる
固くて美味しいとは言えないロールケーキ。でも、それは幸せの味がした





「おはよう。里見」

里見が朝起きると既にコーヒーの香りがして、リビングには須野の姿

「おう」
「ね、ロールケーキ、美味しかった」
「嘘つけ」

里見は須野の差し出したコーヒーの入ったマグカップを受け取りながら須野の胸を殴る

「あ、ホントに里見が作ったやつ?」
「あー?」
「や、なんか葛西なのかどうなのかって・・・でも、なんかあれは里見な気がして聞いてみた」
「んー・・・怒んねぇの?」
「え?」
「部屋、めちゃくちゃにしたろ?」

須野は優しく微笑んで首を振る。朝早く目をさます里見。今ここに須野がいるのだからきっと昨日は寝ていないのだろう。それでも怒ることなく優しく笑っている

「里見・・・もうじき忙しいのも終わるんだ・・・」
「あー?」
「そしたらまた3人で飲もうね」

里見は適当に頷くと「あー・・・くそ」と呟き、須野はビクリと体を震わせた
何か里見の気に障ることでもしたのかという不安で振り返る

「須野ー・・・お前、オレの事」

トントン

里見が何か言いかけた時、部屋の戸が叩かれ、こんな早朝に?と2人は顔を見合わせ、玄関へと向かう

「あ、おはよー。やっぱり起きてたよねー」
「・・・な・・・何だ?なにかあったか?」

こんな朝早く、撮影でもない限り起きているはずがない葛西の姿を見て里見はいつもの冷静さを失うように声を上げる

「・・・知ってたなぁ?こいつー」

葛西が笑って里見の胸に拳を当てる
そしてすぐに里見は葛西が知ったのだと理解した

「お邪魔しまーすっ。あ、須野ちゃんまでー!おはー!!!なんだよなんだよー!2人仲良しだなぁ・・・」
「・・・おはよ」

葛西のことは里見から聞いたし、葛西が今こんな朝早くから仕事がないことも知っている
だからここへこんな早朝に来る理由なんて・・・

「財産分与がどーのって家捨てたオレにどーして関係してると思うー?っつかー・・・突然そんな文書来たって困るよねぇー」

我が物顔で里見の部屋へ入り、ソファに座る葛西からは酒の匂いがして須野は淹れたコーヒーを葛西にも手渡す

「・・・光、またオレを守ってくれようとしたの?」

顔を上げた葛西の顔は今にも泣き出しそうな顔で里見は葛西の頭をふわりと撫でる

「違ぇよ・・・オレがあいつのこと嫌いだから」
「・・・こないだ父さんに会いたいか?とか聞いたのこれだったんだね・・・またオレ・・・光に迷惑・・・光、ごめ・・・オレ全然恩返しもできてないのにっ・・・」

泣き出した葛西にどうしたらいいかわからず須野は葛西の隣に座ると背中を撫でる

「須野ちゃんにも・・・オレ全然・・・返すって言ったお金もまだ返せてないしっ」
「僕は葛西にずっと感謝してるよ。里見とこうやって暮らせるのは葛西のおかげ。きっと里見と付き合えたのも葛西のおかげ」

優しく微笑んだ須野を見て須野の胸に葛西は抱きついて涙を流して謝り続けた




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葛西泣きすぎじゃね?っていうね・・・w
里見の作ったロールケーキはきっと美味しくない。完璧な里見でもお菓子はきっと作れないと思うんだ
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