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擦れ違いはきっと愛のはじまり14 - 07/17 Sun

trackback (-) | comment (0) | 苺華シリーズその他SS
夏休みは寮長の点呼も緩いもので、部活が早く終わったという大輝が部屋へとやってくる。今日は普通に部屋のドアから・・・

「それで、松月がすげぇ有紀に感謝してた。ありがとなー?でもちょっと妬けるー!オレ以外にも超優しいー!そこが有紀のイイところだけど・・・」
「松月くんのほうがお前よりイイ子だよな・・・夏の課題ちゃんと夏休み中にやろうとしてるし」
「だってオレは去年からエース!あいつは補欠ー!」
「・・・それあんまり関係ない」

有紀が苦笑すると頬に触れる手が優しく、それでいて強引に唇を奪っていく

「ん・・・」
「有紀・・・」

情欲の色が灯った声に有紀は大輝の肩に手を置いてそのキスを受け入れる。今日も昼間ちゃんと勉強はしていたし、課題もほとんど終わらせた・・・だから・・・だから・・・
シャツを脱がされて触れられていくとポケットから取り出した小さめの容器・・・いつものぬるぬるとするあれだ・・・と思いながら大輝を見上げるとそのパッケージに見覚えがあって体を強張らせた

それはあの時自分の足元に転がってきて日浦に手渡したものと同じ・・・

「有紀・・・好き・・・好き」

いつもよりも熱く感じるそのローションが体内へ入って来るのを感じると唇を噛んで頭を振る

「ゃ・・・」
「ヤダ?・・・ここら辺・・・は?」
「や・・・だ」

いつもよりも強張っている有紀の体に大輝は手を止めて有紀の髪を掻き上げると涙を溜めた瞳に胸が冷える

「そ、そんなヤだった?」
「・・・今日はもう帰って・・・くれ」
「え・・・」
「今なら普通にドアから出て行けるし・・・」
「ちょ、え?」

何か判らない状況にただ大輝は「ごめん」と謝りながら部屋を追い出される・・・





部屋に戻った大輝はすぐに日浦へとメールを打つ
自分を嫌いだと言った日浦が本当に嫌がらせで有紀の嫌がることをさせて別れさせようとしているんじゃないかと疑って・・・

もし、日浦の立場だったらしたかもしれないから。好きな人と恋人が仲良くなるようにだなんてなかなかできないことだったから

するとすぐにトントンとドアから聞こえて大輝は顔を上げる

「ちょっと!言いがかりやめてくれる?」
「日浦・・・」
「りーちゃん何もしてないってば!」

そう言いながら部屋に入ると「はーーーー」と座り込む

「おい・・・」
「や、やっぱり運動部はバカ多すぎてオレきっつい・・・」
「・・・仕事帰り的なやつか」
「んー。終わって部屋出た直後にメール来たからそのまま寄った・・・っつかー・・・あれ、別に普通のやつだし!自分で1回使ってみたら?普通だしっ!オレが普段使ってる奴だしっ!」
「・・・でも、泣くほど嫌がられた・・・んで追い出された」
「はぁ!?泣かすなっつっただろ!バカ!クソか!クソ」
「泣かしたいわけないだろ!!!あー・・・心折れた。もうイイ。手出すのやめる。キスは気持ちよさそうにするからキスと手だけでイイ・・・」

そう言いながら頭を抱えた大輝に「それがいいかもな」と呟いて横に倒れる

「おい・・・寝るなよ?」

反応がない日浦に少し寄るとペチペチと頬を叩く

「おい・・・日浦?・・・日浦?・・・おい!誰か!ちょっと来てくれっ!」

隣の部屋のドアを乱暴に叩き、周りの部屋のドアも同じように叩くと周りの部屋からも何事かと続々と生徒が集まってきて、それは同じ部活の仲間も集まってくる

「何の騒ぎなんだよ。大輝」
「日浦が倒れた!」
「・・・誰?」
「りーちゃん?」
「突然日浦が倒れてっ!」

焦った大輝と同じように心配する生徒と大輝が男娼を呼んで無理をさせたんだと白い目を向ける生徒たち・・・

「医務室運んだ方が良さそう?」
「頭打った?」
「いや、突然・・・あ、オレの所来る前に誰かん所行ってきたとか言ってたけど・・・誰か知らないか?おい!誰かっ!」
「あー、アメある?」
「は?」
「りーちゃんって低血糖じゃなかったっけ?多分りーちゃんのポケットにも入ってる」
「・・・あ・・・これかっ!」

日浦のポケットを探ってアメを取り出すと部活の仲間がアメを口に入れて小さく砕くと歯茎と唇の間に挟む

「・・・慣れてんな・・・お前」
「んー、妹が同じなんだよなぁ・・・もー、大輝ムリさせんなってー。あんまり運動量増やしてもこうやってぶっ倒れるんだからー」
「いや、オレじゃなくて・・・」

大輝の言い訳なんて誰も聞いてない。その様子を見ていた松月はただ、拳を握りしめてその場を去った









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そーやって倒れるのは水尾の妹のことである
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