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擦れ違いはきっと愛のはじまり15 - 07/18 Mon

trackback (-) | comment (0) | 苺華シリーズその他SS
日浦が大輝の部屋で仕事を終えた後に倒れたという噂は夏休みが終わるまでには皆が知っている大きなものになっていた

あれから何度か大輝と会う機会はあったけれど、体を求められることもなく、キスと手でお互いを抜き合うくらいで終わる情事・・・セックスをした後に自分にも倒れられたら困る・・・と思っているのでは・・・と何度も何度も疑って言いかける。でも会えば自分にしか見せないようなあの笑顔を向けられて信じたい・・・でも・・・と有紀の頭でグルグルと同じ考えが回って落ち着くはずの図書館でも落ち着けなくなっていた

「有紀さんっ」
「松月くん」
「有紀さんのお陰で感想文ちゃーんと書けたんですよー!まだ他の課題は残ってるけれどー」
「もう夏休み残り少ないよ?」
「えぇ・・・監督に部活出入り禁止言い渡されました」
「あー・・・」

去年夏休みの課題が真っ白のまま新学期を迎えた部員が何人もいたから今年は夏休み前から厳しくなったのか・・・と笑うと「少しなら教えられるよ?」と有紀が言う

「ええ!マジっすか!」
「まぁ、オレはとっくに終わってるし」
「うっわ!じゃあ、じゃあ教えてもらってもいいですか?!数学とかマジでわけわかんなくて」

机の上に数学の全然使っていない参考書を広げると落書きだらけの大輝とはまた別の問題児だ・・・と思いながら鉛筆を動かす

「・・・なんか有紀さん痩せました?」
「え?」
「いや、なんか元々白くて細い感じだったけど・・・夏なのに」
「まぁ、松月くんと比べたら誰だって色白く見えるよ・・・」

真っ黒に焼けた肌を見せられて大輝の肌もこんな色だ・・・と思い出す
Tシャツの下も何故か灼けていたけれど・・・と思いながらふと最近Tシャツを脱ぐこともしないと気付く

「有紀さん?」
「・・・大輝・・・どうしてる・・・?宿題ちゃんとやってるんだろうか」
「あー、オレ、最近大輝先輩からちょっと離れてるっていうか・・・」
「?」

少し気まずそうな顔をした松月に首を傾げるとぐいっとシャツを引っ張られる

「え?」
「・・・有紀さん、オレにしときません?」
「え・・・何?」
「オレは男娼とか呼びませんよ?」
「や・・・え?」

言ってる意味が判らなくて戸惑っていると唇を奪われて松月の体を押し退ける・・・いや、正確には押し退けようとした。けれど、力では明らかに勝てなくて・・・

「っ・・・っーーーー」
「いっ・・・」

侵入してきた舌を噛むと離れた松月と距離を取るように椅子から離れて口を拭く

「・・・何・・・すんだよ・・・」
「あぁ、すんません。なんかつい」
「つい・・・じゃないっ!酷い・・・酷い」
「だって、オレ、有紀さんのコト好きになってたから」
「嘘っ・・・やめて・・・やめろ・・・もうヤダ・・・お前ら・・・ホント・・・ヤダ」

涙目になった有紀にまずいと思った松月も席を立つが逃げるようにその場を立ち去った有紀を追いかけようとして強い力で投げ飛ばされるのを感じた

ガシャン

静かな図書館で大きな音が立って人が集まる
体の大きな男が馬乗りになって1人を殴りつけている所で慌てて人を呼ぶ人間、止めようとしても力の差で止められない人間・・・静かなハズの図書館が騒がしくなった瞬間だった








トントン・・・

「有紀ちゃん?どしたのー?」
「・・・日浦・・・ホントのコト教えて・・・ウソとか誤魔化しとかしないで」
「うんー?なになにー?りーちゃんで判ることならなんでも聞いてー」

ドアを開けた日浦に俯いた有紀が口を開く

「大輝と・・・寝た?」
「え?・・・え・・・もしかしてあの噂信じてたりする?!」
「・・・誤魔化さずに嘘つかずに教えて」
「・・・オレが有紀ちゃんの恋人と寝ると思う?疑ってる?」

疑いたくない。友達だと思っていた。唯一、大輝とのことを打ち明けた相手・・・
けれど、お金を貰えば関係ない・・・そうも聞いたから・・・大輝の部屋で倒れたというのも聞いたから・・・

「あー、やばい。泣きそう・・・いや、泣きたいのは有紀ちゃんだよなぁ・・・ごめん。寝てない。これはホント」
「でもっ・・・でも・・・見たって言うやつもいるしっ・・・もし、そうならオレ・・・信じてたけど、信じたいけど・・・」
「うん・・・判る。オレの生活態度とか見てたらそりゃ、うん。そうだよね・・・でも、寝てない・・・大輝の相談は受けてたけど」
「なんでっ・・・相談なんて・・・だって・・・仲良くもなかったし」
「・・・有紀」

掴まれた腕を振り払うとショックを受けた日浦の表情に気付いてすぐ目を逸らす

「・・・ごめん・・・頭冷やす・・・」

後ろに下がった有紀に避けられているのが判って日浦は寂しそうに笑うと「でも、絶対違うよ」と呟いた





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夏休みとか書いてると学生に戻りたいなぁ・・・とか思うよねー・・・でも戻ったとしたって水尾の夏休みは全部部活に捧げていたんだったと3秒で我に返りました。
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