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青春はプールの中で9-5 - 07/29 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
一緒に暮らすようになってからいつだって用意されている食事。もし用意されてなくても柿内がいれば言えば作ってくれた。それを柿内も当然のようにするから柚木も当然だと思っていて・・・
だから今日のこの食卓に並ぶ出来がいいとは言えない料理に「うーん」と柚木は唸り声を上げた

「ただい・・・ま?」
「・・・おう」

味見は何回もしたし、味付けはできていると思う。でも見た目の悪い料理たちに柿内が美味しくなさそうだとか思っているのだろうと少し眉を顰めて柿内を睨む

「・・・腹・・・減ってた?悪い・・・オレ、部活あるって言ってなかった・・・っけ?」
「・・・オレが作ったら悪いっつーのかよ」
「いや、悪いっつーか」

食卓に並ぶ料理と柚木を見比べて柿内は頭を掻く

「・・・オレも食って・・・イイやつだったりする?」
「食いたくないなら別にオレが全部食うからイイ」
「食いたくねぇとか誰が言ってんだよ」

柿内に腕を引かれるとすぐに柿内の胸に頭がぶつかる

「手とか無事?」
「オレももう成人してるからな!もうガキじゃねぇんだよ」

柚木の指が無事か確認するとそのまま指に唇を寄せる

「どうしたんだよ・・・」
「・・・た・・・たまにはオレが」
「たまにはって一緒に暮らし始めてからは初めてだろ・・・やばい・・・悪いけどオレ、すげぇテンションあがってっからな?」
「・・・嬉しいのかよ・・・」

柿内が柚木を抱きしめて髪にキスをしながら「当然」と言うのを聞いて柚木も柿内の腰に腕を回す

「手、洗ってくる」
「おう」

柿内が洗面所へ行くのを見送るとカバンから水着も出して洗ってやろうとカバンを開ける

「・・・?」

水着の袋を出すと見慣れない弁当箱が一緒に転がってきて察する

「・・・」

どう頑張ったって柿内のようにきれいに美味しくご飯なんて作れないどころか柿内を好きだと思う女の子が作るお弁当にもきっと勝てやしない。どう頑張ったってやっぱり柿内の隣にいるのは自分じゃなくて女の子がよくて・・・

柿内の隣に自分がいるのが自然だとしてもそれは親友だとかそんな立場のほうがずっと自然な気がして来て・・・

「柚木さん、メシ、何合炊い・・・た?」

洗面所から戻ると弁当箱を見つめている柚木がいて慌てて弁当箱をその手から奪い取る

「こ、これはあれだぞ!」
「・・・気にしてねぇし」
「いや、聞けよ」
「聞きたくねぇっつってんだよ!」

柿内に掴まれていた腕を振り払うとひとり食卓へと座って作った料理に手を着ける

「・・・柚木さん」
「うっせぇ。腹いっぱいなら食うな。お前の分なんかねぇよ」
「柚木さんっ!」

バカみたいだと思いながら作った見た目の悪い形の崩れたジャガイモを口に入れる
甘辛く味付けをしたそれは見た目よりもおいしいけれど、きっと見た目がよければ柿内が弁当なんて貰うことなんてなかったんじゃないかと思うとイライラして・・・イライラして・・・このイライラが何なのか判らないまま柚木はただ不格好な料理を口へと運ぶ

「・・・食いたいん・・・すけど」
「うっせ!黙れ」
「聞けよ・・・」

ダンッ

箸を机に叩きつけた柚木に驚いた柿内が体をビクリとさせる

「食欲失せた」
「いや、待てって・・・」
「食いたいなら勝手に食えよ・・・オレは出てくるから」
「ちょ・・・は?!」
「・・・頭冷やす時間必要だろ。オレも、お前も」

そう言いながら柚木は部屋を出て行く。残された柿内はただ黙って座って目の前の食事に手を合わせて口へと運ぶ

「美味いし・・・」

柚木が完璧なのは知ってる。やれば料理だって何でもできるのを知ってる。でも柿内がいつも料理するのは少しでも柚木の役に立ちたいから。柚木に必要だとされたいから・・・

「携帯も置いてってるし・・・」

机の上に置いたままになった柚木の携帯を見ながらどうせ行くのは秀のところか新井の所だろうと思いながらただ食事を黙々と口へと入れた








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まだ書いては消して・・・を繰り返している青プ・・・最後までの流れは決まっているけれどなかなかうまく繋げられなくて唸る日々であります。ポケモンGOやりながら・・・
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