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青春はプールの中で9-15 - 08/09 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
柿内がひとつ息を吐きだすと顔を上げる

「謎の彼女・・・な・・・まぁ、オレは彼女っつってなかったと思うけど」
「あ?やっぱりエアー彼女なわけ?」

柿内は首を振る。しかし、話が見えない友人たちは柿内をつつきながら「なんだよー」と笑う

「お前、家来たことあるよな」
「あー?あるよ」
「・・・だからお前はオレの恋人会ったことあるっつーこと」
「・・・は?あんときルームメイトの・・・はぁぁぁぁぁぁ?!」

それは想定内の反応
あのとき、部屋に居たのは男の柚木だけで、他に会ってはいないのだからその柚木が・・・と考えると何を言ったらいいのかどう反応したらいいのか困る
柿内はイイ友人。自分だって生活費に余裕があるわけじゃないのに食べるのに困ったときには「お互いさま」だと食事を恵んでくれたし、休んだ時の代返にノートのコピーもさせてくれた。合コンだって困ってると何度か頼み込めば渋々だけれど了承して来てくれたし・・・

「・・・まぁ、キモいと思うならそれでいいんだけど」
「・・・柚木さんなの?」

沙耶が恐る恐るといった声でそう柿内を見ると柿内はひとつ頷く
柚木はカミングアウトなんてしなくていい。そう言った。でも、柿内の中での優先順位の最上位は柚木で、それ以外はその下・・・カミングアウトしたことで何が変わるかだなんて判らないけれど、柚木の心配がひとつ減るのならばそれで十分な収穫

「ま・・・待てよ。お前、別にモテなくないじゃん?それがいっくら可愛い顔してても・・・ないだろー」
「顔じゃねぇし・・・」
「じゃ・・・じゃあお前、男が好きな奴だったわけ?」
「それは違う」

それだけは否定する。柚木だけ。柚木じゃなかったら欲情どころか友情以上の触れ合いだってムリ
柿内の家にも行ったことがなく、そのルームメイトが何者か判らない女の子たちは顔を見合わせて「男?」そう囁き合う。話が見えないけれど、会話の流れで柿内の恋人が男だというのは理解したようだった

「とりあえず、謎の恋人はあのルームメイト。ちゃんと存在してるし、オレにとってはすげぇ大事な人」
「・・・あー、そ・・・か・・・マジかぁ・・・」
「んで、沙耶もお前らもただの友達・・・だろ?まぁ、それは今の聞いてお前らがどう思うかは勝手だけど」
「や!・・・オレはあれだ!まぁ・・・お仲間にゃなれねぇけどあれだろ?別にオレのコト取って食おうとかそういうんじゃねぇんだよな?」
「当たり前だろ・・・気持ち悪い」
「んならやっぱり変わんねぇよ。だぁかぁらぁー・・・次の授業代返頼んでイーイー?」
「・・・おい・・・」
「だってさー!!!次出るとバイトギリなんだってば!」
「・・・仕方ねぇな」

友人に「さーすが柿内ー!」と背中を叩かれて結局唐揚げを奪われる。変わらなかった・・・意外にも受け入れられたことに少し驚きながら取り残された女性陣達を見る

「あー、うちら授業に移動する・・・わぁ」
「うん・・・じゃぁね」

そそくさと去って行った彼女たちはきっと離れていくのだろう。陰でこそこそ悪口を言われたりするのかもしれない。そう思うと少しだけ笑った

「・・・ごめん」
「あ?」

黙っていた沙耶が口を開いて謝罪をしたから沙耶も気持ち悪いと去っていくのだと察した

「もしかして、私・・・部屋行ったの気まずくなったりした?私、柚木さんの前で柿内に女の子薦めたりしたけどそれ、まずったよね?」
「・・・あ?」
「いや、柿内と柚木さんがそんな・・・あー、でもそっか考えてみたら柿内、柚木さんと喋ってるとき優しい顔してたわー・・・あー失態!気付けよ私っ!やばい!超ごめん」
「・・・何が?」
「今度お詫びになんか買って持って行くよ!柚木さん甘いもの好き?」

思った反応と違ってただ沙耶を見つめる

「何?」
「うん?ケーキとか好き?」
「いや・・・また来る・・・のか?」
「行くけど?」

変わるもの。変わらないもの・・・それぞれの反応が柿内を笑顔にする
友人は今まで通りだったし、あからさまな態度で離れていく女の子たちもいたけれど、沙耶のように逆に心配してくる人間もいる・・・

「柚木さん、なんでも食うよ・・・でも、質より量だ。あの人」
「そっか!じゃあホールで買っていかなくちゃね?」

笑った沙耶につられて柿内も笑う。照れくさくて下を向いて皿に残ったサラダをつついた
恋人がいる。そう堂々としてもイイのだと思うと心がどこか軽くなった気がした・・・





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オリン.ピックが盛り上がってる中、水泳の話なのに泳ぎ描写が書けない今の状況がもどかしくてもどかしくて!!!コイミズならやれるのかなぁ・・・とかうずうずしているところであります
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