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コイゴコロミズゴコロ2-3 - 09/02 Fri

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昔話を聞いた但馬が黙ったままなのを見て新井は不安になりながらそっと但馬に触れる。触れた瞬間にビクリと震えた但馬に少しだけ傷ついた顔をしながらも仕方ないと目を伏せながら触れた手を下げる

「・・・ごめ・・・変な話聞かせて」
「・・・悪い」
「・・・うん」

判っていた。きっと付き合えない。一般的には酷いことをされたハズなのに気持ちよくなって忘れられなくなって恋愛対象が男になった自分に呆れたのだろう。覚悟はしていたけれど・・・どこかで受け入れてもらえると期待していた自分もいた

「え・・・っと・・・オレ、帰る・・・な?」
「え?」

立ち上がろうとした新井の腕を掴んだ但馬の手が熱い・・・もうこんな熱は勘違いするから要らないのに・・・でも、心はこの熱を求めている。欲しくて欲しくて・・・好きだと言ってくれた但馬の体温をもっと感じていたい

「抱きしめて・・・イイ?」

但馬の言葉に顔を上げると次の瞬間にはもう但馬の腕の中・・・

「・・・但馬?」
「悔しい・・・」
「え?」
「なんだよ・・・その王子様みたいな存在・・・オレが簡単に勝てるわけねぇじゃん・・・新井さん救ってくれたのがあの人だなんて・・・忘れられるわけもねぇし、存在でかいに決まってんじゃん・・・」

嬉しかった。但馬の腕の中が気持ちよくて胸に頭をピタリとつけると心音が伝わってきてそれがまた気持ちイイ

「オレ、但馬が好きだよ・・・」
「・・・ん」

今はこれで充分。自分の腕の中に新井がいる。ただそれだけで・・・いや、本当は江口なんてすぐに忘れてほしい。どれだけ新井の王子様のような救世主だったとしても江口は新井の想いに応えてくれるわけじゃないのだから・・・辛い恋心なんて忘れてただ笑顔でいてほしい・・・







「で、なーんであたし誘ったわけ?」
「・・・お前しかいなかったから」
「やぁだー!それ勘違いするぅー!!!・・・とでも言うと思ったか?あ?」

今週末までの映画の前売り券は売れもせず、結局彼女を誘うことになった

真田 香織

但馬の中学からの同級生・・・そして・・・但馬の元カノ

「誘った割にファーストフード奢ってくれるだけだし?見たくもない映画のチケット代も徴収されるし?あぁ、割にあわん」
「いや、考えてみろ。なんでお前に全部奢らなきゃなんねぇんだよ」
「・・・まぁ、いっか。あんたの幸せで不幸な近況聞けたし・・・情報料ってことかー」
「・・・不幸って」

地元が同じ真田とは中学卒業間近から付き合い始め、高校2年の夏前まで付き合っていた
違う高校に進み、すれ違いも多くなった時、真田の前に現れた男に但馬は彼女を奪られた・・・いや、身を引いたのだ
そして、何の因果か同じ大学へ進学し、相変わらず同じ水泳部に入り再会した

「でも、まさかあの新井さんがあんたに振り向くとはねぇー」
「なんだよそれ」
「だって、新井さんっつったらやっぱ江口先輩じゃん?」
「・・・だよな。誰から見てもそりゃ判るよなぁ・・・」
「で、今日も江口先輩の代わりにバイト?あんた、ホントに付き合ってもらってんの?それ!不幸すぎてあたし超楽しいんだけど!」

高校の時にインターハイで凄い人を見た。泳ぎがキレイで速くて本当に凄い!と興奮気味に言った但馬の言葉を真田はまだ覚えていた。それが男だとそのときは思わなかったけれど、大学で熱っぽく新井の姿を見つめる但馬を見て全て理解し納得がいった
男なのにどこか色気を感じる新井。元彼の好きな人が男だと判っても茶化すネタにはなったけれど、別に気持ち悪いとかそんな気持ちも湧かず、こうして今も友達を続けている

「っつかさー、男2人でこれ観ようってどーいうことよ?っつかデートにこれ選ぶのって相変わらず単純な頭してんのなぁ」
「違ぇよ・・・あの人、恋愛もの好きなんだって・・・デートらしいことしたことないって言うし・・・」
「それでこのデートコース・・・ベタベタすぎて引くわー。このクソ童貞め・・・あぁ、せめてアクションとかサスペンスホラーならあたしも楽しめたのになぁ・・・」
「お前とは違ぇんだよ。あの人」

但馬が選んだ映画は話題の純愛もので、真田にとっては全く興味のないジャンルだったが、全ては新井のために立てたデートプランなのだから仕方がない。もう童貞でもない。そう言おうと思ったけれど、そんな話を真田にするものでもないかとそれに関してはスルーした

「まぁ、これじゃ他の男友達誘うわけにもいかないか」
「だからお前だっつーの」
「あたしも興味ないっつーの」

昔からお互いを知っている2人は元カレ元カノ以前に友人関係が長い・・・いつもケンカし、世話を焼いて焼かれて・・・仲のイイ友人・・・2人の間には愛だの恋だのは存在しないが、それ以上の友情が存在していて、それは大学生になった今も同じ






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真田のイメージとしては柚木の女バージョンな感じで書いてます
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