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コイゴコロミズゴコロ2-6 - 09/05 Mon

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元カノという存在はやっぱり危険だということ・・・それは江口の他の友人にも聞いて回って判ったこと。現に今の彼女が元カノだという友人もいて新井は盛大に溜息を漏らす
真田のことは別に嫌いじゃない。でも、但馬と一緒にいてほしくない・・・それは恋人だから言ってもイイことだろうか・・・いや、ヤキモチは醜い。今までの相手だって電話の相手を聞いただけで怒られ、殴られたのだと思い出してブンブンと頭を振った

「・・・何ひとり百面相やってんの?」
「流ちゃーんっ!」
「おう」

午後の授業で一緒になった柚木の腕に頬ずりをすると気持ち悪いとシッシッと追い払われるけれどその表情は嫌悪じゃない

「んで?どした?」
「・・・ね、流ちゃんってカッキーと付き合う前、彼女いたんでしょ?」
「なんだよ突然」
「あー、でも流ちゃんはなんていうかちょっと違うもんなぁ・・・カッキーは元カノとかいなさそうだしー」
「何?」

新井の知る性格では、柚木は元カノから連絡があったって今、恋人がいるから2人きりで会うことはできないけれど相談があるなら電話とかで乗るし、グループでなら会ったりもする。そういう人間・・・

「但馬のねぇ、元カノが真田さんだったんだけどさー」
「・・・へぇ」
「へぇ・・・って!いや、それでさぁ、その2人がこないだ一緒にデートしてたの見たって・・・」

新井の言葉にペンを止めて顔を上げる

「それ、本人には確認したのか?」
「うん・・・だって、但馬だよ?そんな、見間違いじゃないのかなぁ・・・とか・・・」
「で、但馬はなんだって?」
「元カノで何もないって・・・でも、江口とか他の友達に聞いたら元カノとえっちすることだってあるって言うし」

柚木は鼻で笑う

「でも、但馬はそういうやつじゃないんだろ?」
「うん・・・そうだと思う・・・だって、だってさ、カッキーだってしないよね?」
「あいつオレが初めてだからなぁ・・・でもないな」
「だよね!だよねー・・・じゃあ大丈夫。うん。但馬もきっと大丈夫」

それはまるで自分に言い聞かせるような言葉だった








別に、周りの友人がどれだけ元カノと体の関係だけだったらアリだと思うだとか言っても但馬は但馬で違うのだからと思いながら部室でカバンを下ろす

「瑞貴ー!」
「わわっ!」

後ろから抱きつかれてよろけた新井を笑い飛ばす声はよく知っている声。ずっとこの声にドキドキし、安心してきた。でも、それは友情だと思う。江口から遊びや食事に誘われれば嬉しいけれど夜は普通に自宅へ帰りたい。泊まることになったところで何も期待しないのは但馬とは違うところ

「なぁ、ここの訳わかんねー?」

新井が着替えている途中、フランス語のテキストを開いてきた江口に「どれー?」と近付くと自分が置いたカバンに足が絡まって新井の体が宙に舞う

「おっと・・・」
「・・・?!」
「ぶはっ!!!おっまえ!どんだけ鈍臭いの?」
「うわっ!ごめっ・・・」

座っていた江口の膝の上に丁度乗る形で倒れ込んだ新井は慌てて降りようとするけれど足に絡まったカバンのせいで江口に密着する形になった
カバンを振り払おうと足を振るのに両足が器用に絡まっていてなかなか取れない

「・・・ごめ・・・」

ガチャ・・・

そう金属音を立てて開いた扉を焦りながら振り返ると驚いた顔をした愛しい人・・・

「や、違・・・」
「やーんっ!但馬くんったらノックしてよぉー」
「ちょ!」

江口が悪ふざけのノリで新井の腰を掴んで腰を突き上げてくる

「江口っ!!!」
「あー、瑞貴ーっ・・・イクイクーいっちゃうー」

但馬が困っている新井の足に絡まったカバンを黙ったまま解いてやるとストンと江口の上から降りる

「ノリ悪いぞー」
「趣味悪い」
「瑞貴ぃー」

江口が自分の首に腕を回してくるだなんて昔から。だから今、それを振りほどくなんてどこかおかしい気がするけれど、今すぐそれを振り払いたい。但馬に誤解を与えていないか心配だから・・・

「去年フランス語余裕で通ってたじゃん?ここ、教えてよー」
「っ・・・近くね?」
「んー?今更今更ぁー!オレたちの仲だろー?」

江口の声が耳元で響く。息が掛かる・・・少し前の自分だったらなんて至福の時だろう・・・そう思えただろうけれど、今は違う。但馬がいるのに・・・但馬が・・・もちろん、他の部員もその場にいたけれど見られたくないのは但馬にだけ・・・恋人だから。恋人だから・・・

「今日、ココ教えてもらいに行ってもイイ?」
「っーーーーー今日はっ・・・ダメっ!」
「えー!なんでぇ?」
「・・・オレもレポート書かなくちゃいけないしっ」
「お前が?」
「ダメ・・・今日は・・・ごめん」

江口の頼みを断るなんて今まであっただろうか・・・江口に彼女との待ち合わせまでのほんの少しの時間潰しに呼び出されても、バイトで疲れた後に雨降って来たから迎えに来てと言われた時も・・・いつだって断ることはなかったのに。自分の用事よりもなによりも最優先にしていた江口の誘いを断るだなんて・・・友達辞められたらどうしよう・・・そう思いながら顔を上げる

「そーかぁ・・・しょうがねぇなぁ・・・んじゃ、ここ、やってきてくれるだけでいいから!勉強するならついでにこっちもできるよな?」
「っ・・・うん・・・」
「お!サンキュー!んじゃよろしくー!」

テキストを受け取るとカバンにしまい込む。これでイイ・・・友達でいられるから。そして・・・恋人・・・

「・・・」

顔を上げて但馬のロッカーを見るともう着替え終わった但馬の背中しか見えなかった。興味がないのだろうか。恋人なのに・・・自分が江口とこんなに近い距離で喋っていても嫉妬しないのだろうか?自分はこんなにも元カノの存在にモヤモヤしているというのに・・・




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二次創作やってた時も友愛モノが大好きで下ネタギャグ本以外を出すときはいつも友愛気味でした
友情以上で恋愛以上。未満なんて存在しない関係が書きたい
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