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スターサファイア1-6 - 09/25 Sun

trackback (-) | comment (0) | 苺華シリーズ
城に連れていかれた喫茶室は本当に判りにくい場所にあって、もしまた来ようと思っても来られない気すらした

「春は花見が、秋は紅葉。雪が降れば雪景色・・・だから今は1番空いている時期かもしれないな」
「・・・ふうん」

それでも小さな枯山水があり、雰囲気もイイ。何よりも入った瞬間から香っているお茶の香りが星夜の心を静めてくれる

「そばも美味いけれど、和膳はデザートもつく」
「・・・デザート何?」
「今日はあんみつだそうだ」
「ふーん・・・なぁ、そのデザートメニュー見せて」

城は食事のメニューを閉じると立て掛けてあったデザートのメニューを渡す

「・・・あ・・・あー・・・そうかぁ・・・んー・・・」
「どうした?」
「なんでもない」
「食べたい物、見つかったか?」

別に今更、隠すことでもないけれど嫌いなものを知られるのと同じように好きな物を知られるのは弱みに思えて好物から目を逸らす

「和菓子はなぁ・・・なかなか作ることができない」
「言ってねぇし!」
「あぁ、そうだな。でも、キミが喜ぶ姿が見たい」

ニコニコとする城にデザートメニューを突き返すと食事のメニューを見ながら「天ぷらそば」と言うとメニューを閉じた
城が店員を呼ぶと注文を伝えた後に

「デザートにいもようかんを2つ」

そう言って「っ!!!」と声にならない叫び声を上げる

「うん?あぁ、キミの視線と今まで弁当に入れた好きそうなもので予想してみたが、当たったか」
「・・・クソ・・・」
「なぁ、輝・・・」
「あぁ?」
「・・・今度、一緒に」
「お待たせしましたー。天ぷらそば2つお持ちしました」

城が何か言いかけたときに店員が天ぷらそばを持ってやってきてホッとする星夜
あれはきっとデートの誘い。付き合っていないし、付き合うつもりもないのに誘われて断ればイイに決まっているのに断ることができるのか不安だったから

「いただきます」

手を合わせた星夜に城も同じく手を合わせて「いただきます」そう言った後、そばを啜る音だけが響いていた






食事の後に出てきたデザートに震えながらいもようかんを堪能する星夜

「・・・私のも食べるか?」
「い・・・要らねぇし」
「そうか・・・持ち帰り用のもあるぞ?」
「っ・・・要らない」

城が笑いながら「そうか」と言うと切ったいもようかんを口へ運ぶ

「うん。美味いな・・・」
「・・・笑わないんだな」
「何を?」
「オレ、まぁ、自分で言うのもアレだけど見た目派手じゃん。和って似合わないだろ」
「食の好みは見た目とは関係ないだろう」

確かにそうなのではあるが、自分が食べるよりも城が食べている方が明らかに似合っていて・・・

「というか・・・今、私は笑うとか余裕なんてない」
「ん?」
「喜んでいるキミがあまりにも可愛く見えて心臓が爆発しそうだ」
「・・・バカかよ・・・」
「輝、苺華は遊戯施設も揃っているだろう?だから、今度、今度・・・一緒に遊びに行こう」

言われた・・・やっぱりデートの誘い・・・目を伏せると頭を引っ掻く

「あぁ、身構えなくてイイ。友人同士のそれだ。別に・・・その」
「っ・・・」

友人同士。そう言われてますます断りにくくなる。その前に自分たちは友人だっただろうか?先輩と後輩の間柄でもない。いや、確かに学年は違うけれど委員会は勿論、部活も何も関係がない学校が同じだけの先輩と後輩

「普段休みは何をしているんだ?」
「・・・寝てる」
「ずっと?休み全部?」
「まぁ、パーティーに今でも親から呼び出しかかることあるからそれがあれば帰るけどな」
「・・・そうか・・・」

そう。だからつまらない。ずっと苺華学園での日々がつまらない。ゲームセンターもあるし、小さいけれど映画館もある。カラオケもあるし食事をする場所だってあちこちにある。でも、面白いものなんて何もなくて、一緒に遊んで楽しい相手も誰もいなくて・・・

「じゃあ、これから楽しいことを一緒に見つけないか?」
「・・・なんだよ楽しいことって」
「例えば・・・苺華は広いだろ?道に迷って迷子になるなんて聞く話だし、ここのように隠れた名店も多い。一緒に美味しいものを食べたり、見たり・・・探そうじゃないか」

確かにここは連れてきてもらわなければ高校3年間知らずに終わっていた場所・・・
楽しそうな提案に思えていつのまにか頷いていた






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今回の苺華はあれです。エロは期待できません。えぇ。多分。多分。
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