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スターサファイア1-8 - 09/27 Tue

trackback (-) | comment (0) | 苺華シリーズ
「ね、オレは星夜の真似して行けばいいんだよね?」

待ち合わせ当日、月夜がそう言って星夜の寝ているベッドにそう声を掛ける

「ん・・・」

月夜が星夜の真似をするなんてのは今まで何度も遊びでやってきた。2人の暇つぶし。話し方を気を付けて耳のピアスを変えたらもう2人の区別なんてつく人はいなくて、つまらない日常を新鮮なものに変えるちょっとした遊び

「星夜、服も借りたからね?」
「・・・」

布団から頭を出すと上から下まで自分の洋服を着た月夜の姿。耳には青い石・・・星夜のものとそっくりではあるけれど、今もまだ星夜の耳についている青い石とは別の石。所謂イミテーション

「ふふ。どう?星夜。鏡があるみたい?」
「眠い」
「ちょっとー!ノリ悪いよー!」

自分のフリをする月夜。でもそれはやっぱり月夜で自分じゃない・・・城と遊びに行くのは月夜。星夜の真似をした月夜・・・

「月夜」
「んー?」
「・・・きまずくなるからキスとかすんなよ・・・」
「えー?それってヤキモチー?ねぇ!やっぱり星夜が行くべきなんじゃない?」
「行かねぇし」
「星夜ーイイじゃん。城先輩と遊びに行くの」

行きたいと言ったのは。城が欲しいと言ったのは月夜じゃないかと思いながら寝返りを打つ

「どうせ、同じ顔ならなんだっていいだろ・・・あいつだって」
「えー?」
「だったら行きたいっつった月夜が楽しめばいい」
「・・・城先輩、星夜の顔が好きだって?」

顔・・・外見のことは何か言われたことがあっただろうか。いや、聞かなくたって判ってる。きっとこの容姿と美化委員で・・・

「まぁ、イイや。じゃあ、時間だし行ってくるね?」
「・・・ってら」

部屋を出て行く音がしてクシャリと髪を握ると頭を抱えるようにして目を瞑った







月夜が待ち合わせ場所に到着するともう既に城が来ていて、目立つ姿に注目を浴びていた

「・・・あんた、かなり目立ってんけど・・・」

顔を上げた城が少し驚いた顔をして辺りを見回す。風紀委員長を突然辞めた理由が謎の城から情報を聞きたい人間も多いはずで、城がキョロキョロとするのに気付いて慌てて目を逸らすような人間も少なくなかった

「・・・で、どーすんの?今日」
「あー、すまない。キミは輝の兄のほうだよな・・・?初対面だと思うのだが」
「・・・は?」

見破られるはずがなかった。親でさえも判らないこの遊び・・・時々本当に自分は誰だったか?と錯覚する程なのに・・・

「・・・そうか。輝は来ないのか」

半ば諦めたような表情でそう言った城は寂しそうに笑って席を立つ

「私は彼に強制したわけではなかったが、やっぱり重荷だったんだろうな・・・すまない。キミにも迷惑かけた」
「あー、なんで?」
「うん?」
「なんでオレが星夜じゃないって?」
「・・・そっくりだけど全然違うけどな?」

全然・・・?月夜の中では完璧に星夜を演じていたのに・・・

「まぁ、わざわざ来てもらったのだから、お茶ぐらいはご馳走させてほしいのだが何にしようか」
「アハ・・・噂には聞いてたけどホント紳士ー!では、お言葉に甘えてお茶ご馳走になりますね」





ひとりの部屋でゲームをしていた星夜だが、ゲームにも飽きてきてゲーム機をポイと投げ捨てるとソファに横になって壁にかかった時計を見る
丁度昼過ぎ。月夜は城と共にゆっくり昼食を摂っている頃だろうかと思うと無性に何か食べたくなって冷蔵庫を漁る

「何もねぇ・・・」

そう呟いた星夜だが、外に出て買うのもめんどくさくて携帯を手にすると月夜にメール文書を打ってそのまま送信せずに画面を消した
月夜がもし今楽しんでいたら・・・と思うとそれに水を差すのも気が引ける

「あー、つまんねぇ」

すっかり星夜の口癖になってしまったその言葉を天井に向かって吐き出すとソファに寝転んで目を瞑った




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スターサファイア、実はこれプロローグ部分だったりもする
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