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ビタースウィート6 - 10/05 Wed

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「・・・ホンット細いなぁ・・・今の子ってみんな細いけど、真山くんは痩せすぎだよね?」
「今の子今の子ってそれ、おじさん発言っすよ」
「いいよ。キミから見たら充分おじさんなんだろうし」
「・・・社長はそうでもないと思うけど」

山本に借りたTシャツと短パンを履いた真山は短パンのウエストから手が離せないでいた
手を離したらすぐに短パンが落ちてしまう

「ひとまわりってキミたちくらいだとすげぇ年の差だろー?」
「あぁ、松島部長はおじさんっぽい」
「何が違うんだよ」
「・・・見た目」

山本は首を傾げて「判らん」と言った後、自分も風呂へと向かった

「社長、テレビ、つけてもいいっすか?」
「え!そんなの許可要らないから!冷蔵庫の中も好きに食べて飲んでしてよ。大したものははいってないけどさ」
「・・・うん」

真山はひとつ頷くとテレビをつける
久し振りにソファに座ってみるテレビ。家のものは売れるものはほとんど売ってお金にした。唯一ある電化製品は炊飯器ぐらいで、冷蔵庫すらも売り払った今、家はあるがまともな生活と呼べるものではない気はしている。それでも、仕事はあるし、仕事をしているときは自分がここで生きていていいと思わせてくれる
今、真山の唯一の生き甲斐が仕事・・・

冷蔵庫を開けると冷えた飲み物が手に取ってもらうのを待っているように並んでいてドキドキしながら一本手に取り、ソファへ戻ってそれを開ける

「冷たい・・・」

買ってすぐ飲まなければすぐぬるくなってしまう。それは当然のことだが、今の真山にとって、家で飲むものは全て冷たくない。だからそんなことにも感動を覚える

「いいな・・・冷蔵庫・・・」

真山はテレビを見ながら冷たい飲み物を飲みながら、こんな生活に戻りたい・・・と願うのだった



「真山くん、彼女はー?」
「はぁ?いませんよ。そんなの」
「へぇー」

風呂から上がった山本がビール片手に真山の隣に座った。「近い」と文句を言おうと思ったが、ここは山本の家なのだから自分が文句を言うのもおかしいか・・・と黙る

「セクハラっすよ」
「えぇ?そっか・・・彼女いるか聞くのセクハラかぁ・・・」
「・・・社長・・・はいないでしょうねぇ・・・仕事ばっかりしてるし」
「んー?うん。いない。ずーっといない・・・婚約破棄してからずーっと」
「・・・結婚するつもりだったんだ」

山本は少しだけ笑って空になった缶を握りつぶす

「この部屋、明らかに独り暮らしの部屋じゃないだろ」
「あぁ・・・そっか・・・」
「でねー、もともとはー・・・そっちの空き部屋が寝室ー」
「え?」
「そこにねー、奥さんになる予定だった人が男連れ込んだのー」
「・・・」

山本は笑いながら「これ、笑ってくれないと苦しいからね?」と真山の頭を撫でるが、真山は笑えない

「もう5年くらい前の話なー・・・オレが悪いと思ってるし、もう過去だけどさー・・・」
「・・・許したの?」
「んー?許すも何も・・・そんなに怒ってなかったかなぁ・・・今、幸せみたいだし」
「・・・社長は優しいね・・・」

真山が全然笑ってもくれないことに山本は「どうした?」と聞く。真山は俯きながらため息を漏らすと口を開いた

「オレの借金・・・それだから」
「ん?どれ?」
「・・・婚約破棄の慰謝料」
「・・・真山くん結婚する予定だったの?!」
「いや・・・結婚する予定だった人の婚約を破棄させた」
「・・・浮気・・・相手?」

俯いたままの真山の頭を見つめて山本はそっと頭を撫でた






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真山の突然の告白!
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