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ビタースウィート23 - 10/22 Sat

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部屋へ戻った山本と真山。山本は「お風呂入ってきたら?」と言うだけでやっぱり何も聞いてこない

「聞かないんすか」
「ん?」
「・・・突然、こんな夜中に呼び出されて、聞かないんですか?」
「・・・聞いて欲しい?」

ふわりと笑った山本にムッとしながらも首を振る
聞いて欲しいわけじゃない。でも、何か言って欲しかった。文句でも説教でも・・・責めて欲しかった
こんな時間にちゃんとした住所も判らない場所に迎えに来いと呼び出されたのだ。少しくらい文句を言われてもおかしくないし、聞かれないのは不自然な気すらする

「じゃあボクも聞く必要ないよ。真山くんも大人だし」
「・・・」

所詮は恋人でも友人でもないただの他人。上司と部下で雇い主と社員・・・

「じゃあボク寝るねー。おやすみ」

手を振って寝室へ向かう山本の背中を引き止めたくてでも出来なくて。ただ悔しい気分でバスルームへと足を向けた






「・・・ってことがあったんだけどオレはその相手に文句言いたいんだけどどうしたらその人見つけられると思う?」
「・・・」

昼休み、珍しく社内にいた山本は松島を誘って出かけたうどん屋でそう力説する
松島はうんざりした表情でうどんをすするとため息を吐いた

「聞いてんの?ってかお前最近ホント付き合い悪いー。夜だって速攻帰っちゃうし」
「彼女がいるときのお前もこんなもんだったぞ」
「いいや!オレは彼女がいてもお前と週の半分は飲んでた!」

確かに学生時代から関係を疑われる程つるんでいた。それがもう20年近くもなればいい加減、変わってきてもイイもの。特にそろそろ結婚を考えてもおかしくない年齢だから

「オレらもそれだけオトナになったっつーことだ」
「・・・大人ねぇ・・・」

山本は少し口を尖らせながらかつ丼を頬張る
三崎と別れてから付き合った女性たちと長続きしなかった理由がすぐわかる。変わってないのだ。山本は。学生のころから全然変わっていない

「で?」
「うん?」
「お前はなんで真山の相手に文句言いたいの?」
「そりゃ、うちの社員をあんなボロボロにしてさぁ・・・」
「でもそれ、プレイの一種かもだろ?」

山本は「うーん」と言いながら真山が乳首にピアスをしているという話を思い出してそれもあり得る。そう頷くがすぐに首を振る

「いや、でもさ、あれがもし、そういうものだったとしてもあんな時間に1人で外出すことないでしょう?送って行くかタクシー用意するのが礼儀だろ」
「あいつだぞ?『そんなの要らないから』とか言いそうじゃん」
「言うかなぁ・・・確かに言いそうだけど」

いつもの態度から想像する。ツンツンした真山が送って行くと優しく言った相手に素直に従うとも思えない
そこで自分を呼び出したのは真山に友達がいないから・・・それも判る。頼れる相手はいない。頼るなんて自分の弱みを見せることはしない彼だからこそきっと自分だったのだろうと思った

「そんなに気になるならちゃんとあいつと話せばいいだろーが」
「だ・・・だって!!!あれでしょう?上司が恋人のコト聞いたりするのってそれもセクハラなんだろ?」
「じゃあ上司としてじゃなく聞けよ」

山本は松島の言葉の意味が判らずただ「うん?」と首を傾げながらかつ丼を平らげた






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あぁ、夜はすっかり冷えるようになりましたねぇ・・・更新されてからすぐ読んでくださっている皆さま。ありがとうございます。でもあったかくして読んでくださいねー
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