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ビタースウィート34 - 11/03 Thu

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「笑顔が見たいとか恋人ですか!?」

いや、違う・・・

「でも恋してる子みたいですよ?それ!」

恋・・・?でも、真山くんは男の子だよ

「ですよねー!ないっすわー!」

ない・・・ない・・・あれ・・・?ないの?何故?
好きだという感情に男女の差はあっただろうか・・・

「・・・っ・・・」

ガバッと体を起こした山本は頭を抱えて今見た夢を頭で繰り返す

「・・・」

自分でも自覚してなかったけれど、考えてみれば全てが納得できる。好きだ。その簡単な一言で全て腑に落ちた。何故今まで気付かなかったのか判らないけれど、同時に、絶望・・・

真山は確かに恋愛対象は同性。だからチャンスはあるのかと期待するものだろう。でも、最初からタイプじゃない。そう言われている上に恋人がいるのだから
いや、チャンスが全くないわけじゃない・・・タイプじゃなくても・・・今いる恋人よりもイイ。そう思わせればいい。タイプじゃなくたって好きになることはある。これが恋愛の不思議・・・





「おはよう。真山くん」
「はようございます」

欠伸をしながらパソコンを触る真山が昨日渡したパーカーを着ていることに満足そうに笑う山本

「うざい・・・」
「それ、温かい?」
「そりゃないよりは」
「臭くない?」
「臭いって言うよりも・・・うざいですね」
「え!うざいって匂い?ねぇ!真山くんー」

昨日までよりも距離が近いことはお互い気付いていないこと
でも、確実に近付いている。心も・・・体も・・・







「醤油とって」

久し振りに松島から誘われて仕事帰りに飲みに行く2人
クリスマスの自慢か愚痴か・・・そう思いながら松島の言葉を待つけれど暫くしても何も言わない松島に山本から口を開いた

「なぁ・・・」
「んー」
「オレ・・・さぁ・・・」
「なんだよ」

少し話し辛そうにしている山本に箸を止めた松島

「真山くんのコト・・・好き・・・かも」
「・・・」

それは驚きの沈黙ではなく、今更?という呆れに近い沈黙

「あ、あー、うん。驚くよなぁ・・・オレもなんか・・・」
「っつか、お前さぁ・・・」
「違うよ?あの・・・いや、違わない。真山くんを恋人にしたい」
「・・・あっそ」
「あっそって!!!オレ、すごいこと言ったよ?自分のことだけど結構すごい告白したよ?今っ!」

何事もなかったように酒を飲み、箸を再度動かし始めた松島に焦る山本

「っつか、すげぇ今更感」
「え?」
「・・・お前が最初からあいつに構ってたの知ってたし。一緒に住むことにして、んで寝たとか言うし?クリスマスプレゼントをウキウキしながら選ぶし・・・イイ年したおっさんがなーにウキウキしてんだよって思ってた」
「・・・オレ、そんな前から?え?なんでオレは知らないのにお前が知ってんの?」

それは自分が聞きたい。そう思いながらため息を漏らす

「・・・プロポーズした」
「・・・え?」
「だから」
「ま、松島・・・結婚すんの!?」
「おー・・・そうなる」

目を大きく開いた山本が松島の手を握って立ち上がる

「おめでとうっ!!!おめでとうっ!!!」
「うっせっ!目立つ!目立ってるっ!!!」
「結婚するって!オレの親友がプロポーズしたって!!!」
「黙れ山本っ!!!!!」

周りから「おめでとうー」「上手くやれよー」などと声が沸いて山本の頭を押さえながら席へと座らせると目を輝かせた山本にため息を吐く

「お前にも会わせなくちゃなぁ・・・とは思ってた」
「うんっ!会いたい」
「・・・んー・・・まぁ、そのうち・・・なぁ」
「っていうか!松島結婚願望あったんだ?」
「そりゃ」
「なんていうか・・・オレのことあって・・・松島彼女できてもなんか、どこか線引きしてたっていうか・・・女性不振?いや、人間不信?になってたところあっただろ?」

山本の言葉に「まぁ・・・な」と同意し、頷く。そう。人間不信だった。三崎のことは学生の時から嫌いだったけれど、それでも一緒に会社を立ち上げて共に戦ってきた仲間・・・そんな彼女が山本を裏切った時、自分まで裏切られた気がして・・・会社はどうなるのかだとか、これからは山本と2人だとか考えていたら生きるのに必死で仕事に必死で誰も信じない方がイイと思ってきた・・・

でも、彼女に出逢って、話し、抱き合い・・・再び人間らしくなれたと思った。そして同時に彼女を失いたくないと思った・・・

「松島、おめでとう」
「ん・・・」
「あー、すっげぇ嬉しいー・・・結婚式はオレも呼べよ?」
「まぁ、うちの会社の社長のお前は呼ばなくちゃいけないだろうなぁ・・・」
「え!会社関係の席なの?!その前にオレ、お前の親友だよなぁ?」
「まだ席とか何も決まってねぇっつーの」

松島は鼻で笑うと山本が掲げたグラスに自分のグラスをカチンと重ねる

「お前も頑張れよ?」
「うん?」
「もう忘れてんのかよっ!」
「ううん。真山くんのコトはなんかいっつも考えてる」
「・・・だから今更・・・だろ?」
「そう・・・だなぁ・・・今更・・・かぁ・・・でもさー・・・真山くんは恋人いるし」

婚約者を間男に奪われた山本が逆の立場として奪うことができるのか・・・そう考えると色々と難しいことだらけだと思いながら苦笑した

「お前のタイプ・・・ずーっと変わんねぇよなぁ・・・」
「え?」
「ツンデレ?いっつもツンツンして冷たい癖にたまに見せる弱いところだとか可愛いことにコロッといく」
「・・・そう・・・だっけ?」
「まぁ、真山の可愛いところとか全っ然判んねぇけど」
「え!!!すごい可愛いよっ!オレのパーカーあげたら朝からぶかぶかなの着てるところとか」

一緒に暮らし、自分のパーカーを着せるだなんて本当に付き合っていないのかと疑問になる。本当に真山には恋人がいて、山本のことを何とも思っていないのか・・・?
いや、確実に自分と喋る時よりも山本と話すときの方が柔らかい印象の真山
忙しいとき、自分だって社に残って仕事ばかりだったのに自分こそ倒れる寸前だったくせに山本の心配をしていた真山・・・いつか親友の恋は成就する・・・そんな根拠のない確信をした




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喉が痛い・・・気がする。気のせいだっ!気のせいっ!!!とりあえずマスクして早めに寝るとしますToT
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