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ビタースウィート44 - 11/15 Tue

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「判りましたー」
「・・・本当に判ってるのか?オレ、すっげぇ酷いコトお前に頼んでるよ?」

ハルは笑顔で山本に頷く

「だって、オレの命救ってくれたのも新しい命くれたのも山本さんだから」
「でも」
「まぁー?その好きな奴ってのがオレじゃないのは寂しいっすけどねぇ」
「ハル・・・」

山本にそう呼ばれるとただ微笑む
ずっと昔、山本に与えられた名前。あの時から自分は『ハル』ただの『ハル』

「オレの髪の先から足の爪の先まで全部山本さんのモノですよ」
「・・・」
「でも、オレ、そいつの趣味に合うんですかねぇ・・・」

山本は舌を出すとハルも舌を出して見せる

「これ・・・多分、ヤツはこれに乗って来ると思う・・・」
「ハハ・・・そういう趣味ですかー・・・んじゃー久々に後ろも編み上げたほうがいいですかねぇ」

ハルの舌に光るピンクゴールドの金属・・・ハルの体のいたるところに付けられたピアスの殆どが山本に助けられる前に開けられたもの

「えー・・・でも事務所にこんなピアス開いてそうなやついなくなかったですか?」
「・・・どこにも開いてなさそうな子だよ・・・そいつに無理矢理つけさせられてるんだと思う」
「あー、それ聞いちゃったらオレ個人的にそいつのこと許せなくなっちゃいましたねぇ・・・」
「ハル・・・でも、危ないと思ったらすぐに逃げるんだぞ?」
「そんな心配しないでくださいよ・・・オレ、逃げ足早いし」

困ったように笑ったハルは山本の頬を撫でるとカクテルグラスを傾ける

「何よりも山本さんが助けに来てくれるでしょう?」

そう悪戯っぽく笑ったハルに「当然だ」と山本がハルの頭を撫でた








眠れなくてパーカーを着て毛布をかぶりながらパソコンを使っていた真山は玄関の開く音で山本の帰宅に気付く
静かに歩く音と鍵を机に置く音・・・そしてコートを脱ぐ衣擦れの音

「カメ吉ー、真山くんにご飯貰った?よかったなぁ?可愛がってもらえて」

そしてカメ吉に小声で話し掛ける声

「・・・お・・・かえりなさい」
「!」

突然開いたドアから顔を出した真山を見て驚いた山本は口を開けて暫く真山を見つめる

「ただいま」

そう言ったけれどいつものように笑顔じゃなくて真山は唇を噛むと「おやすみなさい」と俯いた

「あ・・・や・・・あー・・・クソ・・・ムリ・・・」

山本に腕を引かれて抱きしめられると山本のスーツから臭う知らないタバコの香り・・・

「ごめん・・・少しだけ・・・な?」
「ヤダ・・・」

腕の中でもがく真山を押さえつけるように抱きしめる山本・・・背中がソファに沈むのを感じる

「真山くん・・・出て行かないよな?」
「は?」
「だって・・・朝ごはん作ってくれるしおかえりとか言うしっ・・・もう少し待って・・・オレ、頼りないと思ってるかもしれないけど、オレのコトタイプじゃないかもしれないけど・・・そのうち付き合ってくれるって少しでも考えてくれてるなら」
「思ってない・・・けど・・・オレも追い出されたら困るし」
「・・・え?」

山本はきつく抱きしめていた腕を解くと目を逸らしたままの真山を再び優しく抱きしめる

「だからなんでまたっ・・・」
「真山くん・・・好きだよ」
「っ・・・」
「もう、例の人に呼ばれても行かないでよ・・・お願いだから・・・オレ、独占欲強いんだ」
「そ・・・そもそも・・・オレ、社長の所有物でもないし付き合ってもないしっ」
「まだ・・・ね?」

顔を上げた山本の整った顔で視界がいっぱいになる・・・真っすぐで優しく微笑む山本の顔・・・

「っ・・・」

山本を精一杯跳ね除けると痛くて仕方ない胸を押さえる痛くて痛くてドキドキとうるさい程鳴る胸を・・・

「真山くん?」
「オレ・・・寝るんでっ・・・」
「一緒に寝る?」
「寝ないしっ!」

赤い顔をしながらそう強く言った真山が部屋へと入ると山本はソファで腕を伸ばす
強く抱きしめたら折れそうな程細くて、でも、骨がしっかりしていて簡単には壊れなさそうで。柔らかい肌ではないけれど自分も同じ石鹸を使っているハズなのにどこかいい香りがして・・・

こんなにも簡単に山本を跳ね除け、断ることができるのになぜ立花のことは断れないのか・・・それは脅しの材料を握られているから?本当にそれだけなのか・・・そう思いながらしばらくさっきまで抱きしめていた手を見つめていた






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なんていうか、ビタースウィート、まだ続くけれど一応終盤へと向かってはおります
ビタースウィート終わったら少しお休みもらって(いつだそれ)つれキミ売れ僕からまたスタートしたいなぁ・・・
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