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ビタースウィート60 - 12/03 Sat

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山本が寝返りを打つと傷口が鈍く痛んで目を覚ます

「・・・んー・・・松島ー?ハルー?」

目を擦りながら周りを見るけれど、自分の自室のベッドでここまで運ばれたことを理解する

「・・・水・・・」

なんだか重い体をよたよた動かすとリビングの電気を点ける

「・・・眩しい」

部屋が暗かったということはハルや松島が部屋の電気を消していったということ・・・もしくは真山が帰宅し、部屋にいるということ・・・

山本は冷蔵庫からペットボトルを手にすると真山の部屋のドアを小さくノックする

「・・・あぁ、起きました?」
「いつ帰ってたの?お帰り」
「・・・薬でぐっすり寝すぎでしょ。松島さんとハルって人、すっげぇ騒いでたのに起きないとか」
「あぁ、うん・・・なんかすごい寝た感じ」
「時間的にはそうでもないかもですけど」

真山がヘッドホンを片付けながら時計を指す
それでも深夜を指している時計の針は山本が十分すぎるほどの睡眠を摂ったと思わせる時間

「・・・仕事?」

山本が指したのは真山のパソコン

「あー、これは趣味のほう・・・」
「そっか」

趣味もプログラミングだと笑われることはない・・・立花には散々バカにされてきたけれど、もうそんな心配もない・・・

「どうしたのー?眠くなっちゃったー?布団行こうかー」
「・・・部屋、戻ってください」
「えー?真山くんを充電したいなぁ」
「オレは電源じゃないんで」
「真山くんからボクに抱きついてきたんじゃん」
「抱きついてないんで」

山本の胸に付けていた額を剥がすとため息を吐きながら布団へと入る。山本もその後に続いて同じ布団へ潜り込む

「・・・何してるんですか?」
「だから言ってるじゃん・・・真山くん充電したい」

真山がため息を吐いて山本の胸に再び頭をつける
規則的に動き聞こえてくる心臓の音に安心して目を瞑ったけれどすぐに目を開けて口を開く

「オレ、感謝してるけど怒ってもいます」
「ええ?!怒ってんの?!なんで?」

腕の中から眉を顰めた険しい表情で見上げてくる姿に山本はへらりと笑うがすぐに鼻をつままれた

「怒ってるって言ってるのになんで笑うんですか」
「や・・・可愛くて」
「・・・頭おかしいんじゃない・・・ですか」

それでも嬉しいのは事実・・・好きな人に褒められることは嬉しい・・・でもそれが自分の外見の話になるとやっぱり恥ずかしい

「真山くんは可愛いよ・・・ホント・・・どこにも出したくないくらい」
「・・・っ・・・オレっ・・・怒ってるって言ったのっ」

胸をドンと叩くと腹の傷が疼いて「っぅ」と小さく呻き声を上げた山本に真山は焦って謝る

「ううん・・・何?怒ってるって」
「・・・オレ・・・山本さんのコト何も知らないし・・・ハルって人の方がオレよりも山本さんのコト知ってるかもだけどっ・・・オレに何も言ってくれない・・・」
「・・・」
「オレ・・・頼りないから?」

山本が優しく真山の不安そうな顔を撫でる

「これからお互いにもっともっと知っていこう?って言ったよね?」
「だけどっ・・・知らないこと多すぎ・・・ですよ」

山本は年上だし、真山が知らないことだってたくさんあることぐらい判っていたけれど、山本の交友関係とかが全然見えてこない。普段の社長をしている姿だとか親友の前で見せる少年っぽいところとか、自分の前で見せる情けないくらい緩んだ顔以外は何も知らない・・・

「真山くんも、遠慮してるでしょ?敬語だし、苗字で呼ぶし」
「そんなのっ!山本さんだってオレのコト苗字で呼んでるでしょう!」
「・・・名前で呼んでいいの?」

急に低く、色気を伴った声が耳に響く・・・山本に名前で呼ばれることを想像するだけで背筋が震える・・・きっとそれは快感を伴う程の歓び

「ほら、オレの名前覚えてる?」
「そんなのっ・・・社長のフルネームぐらい・・・言えるし」
「呼んで?」
「っ・・・や、山本さんだって」
「ほら、友己、遠慮しないで呼んで?なんでも聞いて?」

ゾクリ・・・名前で呼ばれるくらいなんともない。家族にはもちろん名前で呼ばれて来たし、友達だって立花だって、あまりよく知らないハルだって名前で呼んでくるのに山本に呼ばれるとこんなにも重く、違う感覚

「っ・・・ぅ・・・」

真山は唇を噛んで少しだけ震えた後、攻撃的な瞳を上げて口を開いた






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遂に60話突破っ!!!!

・・・ビタースウィート後はホント、少しお休みいただきます。でもクリスマスにはちゃんとUPしてたい・・・イベントっぽい話上げたい・・・
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