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つれないキミと売れてる僕10-12 - 01/05 Thu

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里見はため息を吐いて葛西に連れてこられた異業種交流会と大それた名前のついた飲み会についていくことに簡単に了承した自分を悔いた
それでも外ヅラ良く皆が惚れ惚れするような完璧な笑顔を張り付かせて余所行きの言葉で話しかけてくる女性を喜ばせる

「ファンですよー!」

そんな言葉は慣れている。簡単に口に出す割りに読んだことがあるのは雑誌のエッセイか映画化して話題になった小説ぐらいのリップサービスなのも判る・・・
本当に自分の小説が好きな人間なんてきっと数少ない・・・内容よりもこの容姿が注目されてしまうのも仕方ないと里見はまた笑顔を作った

「あの・・・」
「?」

声をかけて来たのは男で、それでも一応振り返るとモジモジした男が里見の前で小さくなっている。まぁ、自分の周りには女性ばかり集まるし、おこぼれを貰えそうならと近寄ってくる人間も珍しくないこと

「あ、あ、えっと、私、こういうもので・・・」

差し出された名刺を一応受け取るとよく知らない会社名の開発技術部と名前を見て少し困った顔で笑う

「すみません。オレ、名刺持ってなくて」
「や!や!ややっ!存じ上げておりますので大丈夫ですっ」

確かにメディアには顔も出ているし、顔も知っている人間にも会うだろうと思いながら「皐月 光です」と言うと男はガサガサカバンから箱を取り出して里見の前に差し出した

「・・・は?!ちょっ・・・フハッ」

可愛らしいキャラクターの書かれた箱を見てその中身が何か察した里見が驚き笑い声をあげると周りの女性もその箱を覗き込み「ええー?!」と驚きとクスクス笑い声を上げる

「あ、や!!いや!いやいや、私、これの開発をしておりまして!お近付きの印というか・・・自信を持ってオススメしてますが、皐月先生のように女性経験豊かな方のなんというか、か、か、感想をですね!!!」
「ちょ、オレにこれ使って感想聞かせろって?フハッ・・・マジで?」
「やっだー!やらしぃーっ」
「そんなの使うなら私が相手しますよー?」

自分に自信のありそうな女性が里見の周りを囲んで、同時に男も囲う

「そーいや使ったことないなー・・・だから比較対象ないけど?」
「やや!えぇ、ええ!そうですよね!しかし!1度試して・・・いただけたらな・・・と」

緊張からかどんどん声も小さくなる男にまた笑うと「ありがとう」と笑顔で返す

「あ、でもオレカバンとかないけどさすがにこれ手に持ったまま帰るとかまずくない?さすがに」
「はっ!あ、じゃ、袋をっ!袋もっ!!!」

男はカバンから紙袋を出すとまた更に同じものを1つ紙袋に入れた状態で里見に差し出す

「なぁ、えーっと?佐々木さん?まだこれ、持ってる?っつかめっちゃあるっ」
「あ、はいっ!たくさんあります!弊社のモノを皆様に使ってもらって少しでも広めようと・・・あ、もっと御入用でしょうか?!」
「いや、あの男にも渡して来てよ・・・あいつの方がきっとイイ反応と感想寄越すと思うよ?」
「ShinGo監督ですか?!はっ、や!はいっ!喜んでっ」

里見はまた声を上げて笑うと女性に「それホント使うのー?えー?」と言われながらも紙袋を手元に置く

「男にはオナニー必要だぜ?セックスとはまた違ぇの」
「やっだー!」
「あたしがそれ使ってしてあげよっか?」
「それじゃプレイになっちまうだろー?」

ふわりと笑った里見からは性的な話をしているとは思えない程爽やかでそれでいてどこか隠れた淫靡な雰囲気に周りは胸の高鳴りを押さえながら里見を見つめた

頭の中では須野へ大しての悪戯心でいっぱいだなんてその場にいた誰もが知る余地もないコト・・・







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里見・・・丸くなったなぁ(しみじみ)
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