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つれないキミと売れてる僕10-22 - 01/15 Sun

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部屋に戻った2人は須野が喋らない分、いつもよりも静かな、いや、静かすぎる部屋に不自然さを感じていた

「・・・寛人、あのな」

里見の声で顔を上げた須野はどこか不安を抱えたような表情で口を開くとパクパク口を動かし里見のシャツを掴む

「・・・判ってるっつーの」

声が聞こえなくても今の口の動きぐらいは読める

「久々・・・だな・・・お前にそう言われるの。つっても聞こえねぇけどっ!」

須野の頭を撫でると須野の横に腰を下ろす

「言われるのに慣れすぎてたのか久々のそれ、なんかすげぇお前が可愛く見える」

首を振る須野に「オレを否定すんの?」と里見が言うとまた首を振る須野

「なぁ、オレがケガしたとしても病気でもお前がいなきゃなんねぇわけじゃねぇよ」
『ダメ』
「それにオレはみんなにお前に甘えてるって言われるけど別にオレが甘えてるわけじゃねぇし。買い物くらい行けるし自分で病院も行けるし」

須野は頷く
そんなこと判っている。里見はなんでもできることくらい須野もよく知ってること

「ただ、お前が喜ぶことが全然わかんねぇんだよ。オレは」

須野が首を傾げて口を開いたあと手を動かして文字を打つが自分が嬉しいと思うことを考えて手を止める

「オレがなんか頼む時、お前すげぇ喜んでたじゃん。昔はオンナにやらせてたことお前にやらせると判んねぇけど喜んでたよなぁ?」

須野は頷いて目を潤ませる
里見は自分のためにワガママを全部ぶつけてきてくれているのを改めて感じて嬉しくて

「まぁ、最近はそれも違うのかって判ったけど」

須野は頭を横に何度も振り指先で文字を紡ぐ

『嬉しい。里見に言われると嬉しい』
「・・・んー・・・仕事、きついか?」

須野は少し考えて頭を振った後、頷く
「どっちだよ」と里見が笑うのを見て里見の手を握る
仕事はしたい。お金のために。一般の人より稼いでいる自覚はある。でもそれでも里見を一生幸せにできる金額かと言われたら判らなくてもっともっと働かなくてはと思うのと同時に里見と一緒にいる時間が少なくなることが不満

「あとお前が喜ぶことっつったらなんだよ」

須野は首を振って里見の手にキスをする
里見がいることが1番の幸せ

『ごめんね』
「何」
『里見が全て。僕らしさってわからなくて考えたら里見だけで空っぽなのに里見といない方が里見はいいもの書けるから』
「はぁ?」
『僕が里見の幸せを邪魔する。だから里見が本当に困ったときに役に立てない僕は里見のそばにこのままいてもいいのかわからなくなった。でもいたい。そばにいたい』
「お前まだそんなこと言ってんの?バカか?バカだ。クソ。オレがなんでお前の嬉しそうな顔見たくて名前まで呼んでんだよ!あークソ。オレまでバカだ。てめぇのが移った」

須野が青い顔で頭を振りながら口をパクパクさせて立ち上がった里見の腕を掴むがそれも振り払われて縋るように床へと座り込む

「なんだよ」
『でも、そうなんでしょ?ネットでの評価とか知らないし読んでも判らないけど僕がいない方が評判よくなるんでしょ?』
「・・・なんだよ。それ」
『僕は里見がいれば嬉しい。名前呼ばれると幸せすぎて好き。愛してる』

須野の打った文字を見て里見は自分の足を掴む須野の腕を掴んで引き上げる

「誰かに言われたか?」

頷く須野

「オレがお前に愛されてるくらいでオレの評価下がると思ってんの?」

須野は首を振る

「だろ?お前がオレを愛してんのなんて昔からだろ。それこそこの仕事につく前からだっつーの」

須野ははっと気付いて小さく頷く
出逢った時から愛してる。里見に尽くすことが全てだと出逢った瞬間から隣の親友という席に座った時から全て捧げてきた

「・・・西野か」

須野は瞳を揺らしながら小さく頷くと里見に頭を叩かれる

「あいつのこと信じるよりオレを信じろよ。そりゃオレは誠実とはかけ離れた人生送ってきたけどお前はオレを信じられるだろ?オレの気持ち以外は」

須野は最後がよく判らなくて戸惑いながら里見を見つめる

「情だけじゃこんな長く続くわけねぇだろ。お前と付き合ってからオレはなかなかの一途だと思ってんだけど・・・はぁ?じゃねぇよ!バァカ!てめぇが喋れねぇと調子狂うっつーの!クソ。余計なこと言った」

須野は嬉しそうな笑顔で里見を抱きしめる

「嬉しそうな顔してんじゃねぇよ!クソ!寝ろ!さっさと寝ろ」





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今日の更新セットするのすっかり忘れていて変な時間での更新すいませんー
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