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つれないキミと売れてる僕10-26 - 01/19 Thu

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
里見の部屋に来訪者がいることはなんとなく気配でわかる。それが女性なのもなんとなく。確信はないけれどそんな気がしていた

声が出なくなって数日。仕事はできないのに周りには気を遣われるし里見には罪悪感で触れることすらできなくて須野のストレスは以前より自分でも膨らんでいるように思えた

そんなところに里見の部屋に女性。もしかしたら仕事の担当者かもしれないし、不安に思うことなんて何もないのかもしれないけれど気が気ではない須野

(僕に愛想尽かしたのかもしれない)

須野は唇を噛む
里見の身の回りのことを全部したい。世話させてほしい。そう言っていたのに自分がいるからダメなのだと思ってそれを辞めた。その間にケガをして自分を頼ってくれたのに何もできなかった。いや、何もしなかった自分が許せなくて里見に好きだと言う資格なんてもうない気がしてきて
あの時、何故気付けなかったのかとすぐに駆けつけなかったのかと後悔する
今回はたまたま大したケガではない。というだけでもっと重大な事故やケガだったらと考えると苦しくて苦しくてただ自分を責め続けているのだった

あの時のように里見を苦しめない。そう誓ったのに出来ていないのが許せない






「皐月先生からご連絡頂くなんて思わなくてー」
「そう?」
「ちょ・・・っと距離が・・・」
「あぁ、ごめん。オレもこんな担当者が可愛いだなんて思わなくて」

里見の笑顔にやってきた女性は頬を赤くする
例えそれがお世辞でも里見ほど整った顔の男にそう言われて嬉しくないわけがなかった

「西野 晶先生いるでしょ?彼も君の担当って聞いたけど噂のイケメン作家とオレ、どっちが好み?」
「え?!えぇっ?!」
「オレみたいに遊んでそうなのはダメ?」
「っ・・・先生たちをそんな目で見てないです」

声が小さくなって行くのに里見は笑って畳み掛ける

「オレ、そんなに遊んでるように見える?」
「っ・・・でも、モテるんだろうな。とは」
「そうでもないよ?この仕事、外出る機会も減るからね。人と会う機会なくって」

里見とソファに座る女性は慌てて立ち上がろうとする

「あぁ、安心してよ?口説いてるわけじゃないから」

そう言って里見に腕を掴まれまた座る
勘違いしたなんて恥ずかしくて俯くと里見に出された紙に目を通す

「あとは打ち合わせしていって、話詰められたらって思うんだけど」
「ぁ、はいっ、そうですね!あのっ、はいっ」
「西野先生とは長いの?」
「え?あぁ、はい。西野先生が今のシリーズ書き始めた時からで」
「へぇ。同じ出版社からインタビュー記事出てたけど」

里見の妖艶な笑顔に体が固まる
ただ話をしているだけなのに誘われているわけではないのに目が潤んで里見から目が離せなくなってくる

「オレも君のところで書いたらインタビューとかされる?」
「はい。お願いできるなら是非。皐月先生のお話ならどこも聞きたいと思います」
「そう。じゃあ、彼と同じ記者さんがいいな」
「はい。もちろんです」
「会ってみたいな。彼をイケメン作家って言った人と。オレはなんて呼ばれるんだろう?」

恋した時に出される脳内麻薬のようなものが体に溢れるのを感じる
ただ見つめられて微笑まれているだけなのにもっともっと話をしたくて入り込みたくて

「連絡させるよう手配します」
「そう?じゃあ早めにね?この件もよろしく」
「はい・・・はいっ」

里見はポンと軽く女性の背中を叩くとにっこり微笑んだ
それが全て計算されたものだということは里見しか知らない








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里見はなんかの魔力がきっと目から出せるんだと思う
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