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つれないキミと売れてる僕10-30 - 01/23 Mon

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「っ・・・なんだよっ・・・何も判らないっ!」
「判んねぇよ・・・お前には・・・」

西野は須野を叩いた手が熱くて痛くて逃げるように須野の部屋を出て行く
羨ましかった。里見の本を読んでドキドキした。自分と年齢の変わらない人がこれを書いたのだと思って小説家になろうとした。憧れだった
そして、須野がインタビューの度に里見の話をし、周りに里見の話をすると聞いて矢嶋に会う度に須野と里見の関係を熱く語り、自分が作家デビューできたら須野と里見を超える2人なろう。そう笑いあったのだ
そして、実際にデビューし、矢嶋もドラマの話が舞い込んだ時、約束した通りになると思った。全て順調に進むと思っていた・・・でも・・・

矢嶋のインタビューで西野の話が出ることはなく、番宣のためのバラエティ番組に登場してもやはり西野の話はなくて・・・憎かった。注目されないことが悔しくて、それとは反比例してテレビに出演し笑い順調な矢嶋が憎いと思うようになっていく・・・

「クッソ・・・クソォ」

それから必死で書いて書いて自分の書きたい物を書くのやめて薦められるままに書き綴った。そしてヒットしたのが今回須野の配役で映画化したこのシリーズ。正直、面白みもどこにあるのか判らない。自分を見失いながらのものなのに世間の評価はどんどん上がってまさか自分がイケメン作家とか注目を浴びるだなんて思ってなかったのにそんな方向からも見られるようになって本が売れ、雑誌が売れていく・・・

「お前すげぇじゃんっ!オレのは全部カットされたけど、ここでお前がオレらのこと言ったらオレらもお前の理想の須野 寛人と皐月 光になれるんじゃね?楽しみだな?!お前の小説映画化されたらオレが出るの!よくね?なぁ!晶」

そう軽く言って来た矢嶋にそれじゃただオレを利用しているだけじゃないかと笑った
あの時の矢嶋の顔は驚いていた。過去に自分たちもそうなろう。そう言って自分に友人のことを話せと言ってきたのは西野の方だったのに・・・

「お前はその程度なんだよ。だからオレはお前の話をこれからもしないし、お前もオレの話するな。なかったことにしよう。学生時代友人だったなんてだから?って話だろ」
「いや、晶?」
「もうこれで会うのもやめよ。友達だなんて白ける」
「はぁ?」
「じゃあ、さよなら」

勝手?ワガママ?どうしてそう言われなくてはならないのか・・・自分が頼んだことをやってくれなかったのに同じことをやれと言う方がワガママだと思った

「なんだよっ・・・判んねぇよっ・・・クソっ・・・友情なんてクソくらえ」

西野の言葉は闇に飲まれていく・・・須野を最初に紹介された時に腹が立った。優しい笑顔で本当に楽しそうに里見の話をする須野が・・・憧れていた2人が憎くなっていたから。そして楽しそうに里見の話をして本当に里見の書く話が昔から大好きなのだという須野が差し出してくる本が自分のモノになればイイ・・・そう思うようになっていた

ここから須野との関係を構築し、何年かしたら自分の本を出して友達が書いているんだ。と言ってほしい。薦めてほしい・・・でも、そうなると里見の存在が邪魔になる。須野が里見に陶酔していることぐらい須野の様子から判っていたから。だから引き離して、忘れさせて空いた穴を埋めるように自分が入り込もう・・・そう思ってからは少しずつ少しずつ須野の心から気付かれないように里見の存在を砂の山を削るようにゆっくりそっと削って来た
直接里見を悪く言うと須野の機嫌が悪くなるから判らないように。そして、里見にとってよくないというように・・・

なのに・・・須野から里見が消えることはなかった

里見を消そうとしたら須野が壊れることになった

壊した・・・

大損害・・・

自分が・・・

自分が・・・壊した・・・

「ああああああああああああああああああああああああああ」

西野は真っ暗な部屋で叫ぶと頭を抱えながら床に突っ伏した





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西野の葛藤も書きたかったのです
須野と葛西は無条件に里見が大好きで里見の作品が大好き。里見が人当たりよくない分、須野と葛西があちこちで里見の仕事を広げてる気はしている
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