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つれないキミと売れてる僕10-38《最終話》 - 01/31 Tue

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
須野が仕事へ出掛けるのが昼少し前になってから。そう言われて一緒に朝食をゆっくり摂っていた所にインターホンが鳴る

「あれ?山口さん今日は来ないし僕、まだ時間あるんだけどなぁ・・・」

そう言いながら須野が立ち上がってドアを開けるとあまり見たくなかった顔

「あ、待って・・・あの・・・これ・・・」

西野が差し出した袋を受け取ると戸惑った須野の後ろから里見が現れ「おう」と一言西野に掛ける

「里見っ」
「コーヒーくらいならあるけど?」
「・・・いただきます」
「里見っ!」

部屋へ戻っていく里見を追いかけると小さな声で「イイの?」と里見に聞く。里見は鼻で笑って頷くと少し振り返ってすっきりしたような顔の西野を見た

「あんだけ言われてまた来るんだからあいつも考えるとこあったんだろ?んじゃ謝罪ぐらいは受けてやらねぇと・・・お前は一応友達の1人だったんだし?」
「・・・」
「友達・・・なんだろ?」
「・・・うん」

そう。友達。先日、西野が思っていたこと、しようとしていたことを聞いてショックだったけれど、それまでは話をしていて楽しい友人のつもりだった・・・

「寛人くんっ!」

西野に呼ばれて顔を向けるとそこには土下座する西野の姿

「っ・・・ぇ・・・えええ?!」
「ごめん・・・なさい」
「ふぇ・・・ちょ・・・え・・・」
「皐月先生もすいませんでした」
「ほら・・・な?」

須野はどんな反応をしたらいいのかと戸惑いながらしゃがんで西野の肩に触れようかと迷いながら手を上げたり下げたりしている

「なぁ・・・友情、そんな簡単に壊れねぇだろ?」
「・・・うん・・・」
「んで、オレ、やっぱり天才だろ?」
「・・・それ、かなりムカつく」
「あぁ?あいつから本受け取ったんだろ?んで、読んで認めたから頭下げたんじゃねぇのかよ」
「・・・寛人くんに対してだもん・・・」
「あーそーかよ」

里見が笑っているのが須野には理解ができない
里見が笑っているから須野は怒ることができない
里見が・・・

「寛人くん・・・ホントにごめん。ボク、羨ましかったんだ」
「・・・え?」
「ごめんね・・・あと、最近の演技すごく良くなったって聞いたんだ。やっぱりボクが寛人くんの演技の妨げしてたんだね・・・ボクのこと嫌いになった・・・よね・・・でも・・・でも・・・ボク、謝り続けるから・・・また・・・いつか、いつか・・・ボクと遊んでくれる?」
「・・・判らない・・・でも、うん・・・友達だよ・・・友達だからまた、遊ぼう?」

須野が困ったように笑うと同じように西野も笑ってもう1度頭を下げて玄関を出て行った







「あーあーコーヒー無駄になっちまったじゃねぇか・・・」
「・・・里見、なんで笑ってたの?彼のコト許したの?なんで?里見に酷いコト言ったよ?なのに?」

里見が笑いながら煙草に火を点けると天井へ向かって紫煙を吐き出す

「あいつ、あれでもオレのファンの1人だぜ?」
「・・・え?」
「オレ、ファンは大事にするほうだし」
「でもっ・・・」
「オレの書くものが微妙になったっつーのはなー・・・まぁ、他にも言われてたことだし。そんだけオレの本、実は読んでたっつーな・・・オレのことがホントに嫌いならインタビューで矢嶋の話題ふらなせないようにしたのと同じようにオレの話もNGにしてただろ・・・それにあいつのこと聞いてたらオレの悪口言ってた様子どこからも出てこなかったしなぁ・・・」

須野はよく判らない。そんな顔をしながら里見の隣に腰を下ろす

「須野ー」
「・・・うん」
「オレはあいつが謝って、んでお前とまだ友達がイイっつったからそれでいい」
「・・・うん」
「でもオレはあいつがお前を名前で呼ぶ限り嫌い」
「え?!」

須野が里見を見つめて次の言葉を発する直前に携帯のアラームが鳴り響く

「仕事行く時間だぞー」
「や、待って・・・え!今のどういうこと!?」
「別に?あー、オレも仕事だ仕事ー」
「待ってよ!里見ぃー」
「あー、須野、お前帰りにタバコカートンで買って来い。ストック切れた」
「あぁっ!またやっぱり呼び方戻ってるっ!ねぇ!里見!もう僕のコト寛人って呼んでくれないの?!名前呼ばれると僕、すっごい幸せなのにっ!」
「じゃあ、今は幸せじゃねぇのかよ」

幸せじゃないかと問われればそんなの決まっている。幸せ。すごく幸せ。里見がそこにいて名前じゃなくたって須野を呼ぶ。呼んでもらえる幸せ・・・

「幸せっ・・・だけどっ・・・ねぇ!ねぇっ!それとアキラが僕のこと名前で呼ぶのは関係あるの!?ねぇ!里見ったらー!」

里見は鼻で笑うと「バーカ」と言いながら須野の尻を蹴って仕事へと促す
もう無理して須野を名前で呼ぶ必要なんてない。須野が誰かを名前で呼び、名前で呼ばれるからといって里見には何の脅威もないモノなのだから・・・須野と里見の間には確実な愛が育っているのだから




つれないキミと売れてる僕 10幕 おしまいおしまい







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つれないキミと売れてる僕 10幕完結ですー・・・もう10幕か・・・でも開設から意外と時間はもう経っているのよね・・・

先日、お休みをして再開につれキミ売れ僕を持ってきたのはやっぱり水尾にとって開設のきっかけにもなった須野と里見が大好きだからでなんだかんだでこの2人が皆さまに愛されているんじゃないかと期待を込めてのコト
今回の西野たちは新しく作り上げたキャラクターだったのだけれど、10幕の途中では全然定着してくれないし役に立たない・・・と悩んでおりました。でも、書き終わった今、彼らがこれからもちょくちょく出てくるんじゃないかと(吉田と同じ感じに)思える程になってくれて安心しております。今後のネタ的に安心・・・

明日からはもう2月・・・青プも書きたいけれどそれはちょーっとおいといて・・・別のお話をお送りします。相変わらず時間はあまりないけれどUPしたいお話は相変わらずたくさん水尾の中で抱えているんだ・・・ネタ切れ・・・もうダメ・・・って時まではまた突っ走ります

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