コイゴコロミズゴコロ3-13 - 03/13 Mon
但馬は困った顔をして手のやり場に困る
目の前で泣きながら自分を求め、好きだと言っている新井を今すぐ抱き締めて撫でて慰めたい。新井がそれを求めているから求められるがまま与えたい。でも、それではずっと同じ・・・
「新井さん・・・新井さんが決めたことだよ」
「っ・・・そうだよっ・・・そう・・・そうだね・・・そうっ!っ・・・っ・・・」
その場に蹲って泣き崩れた新井を見ながら拳を握る。新井が望むならこれでいい。でも、こんなに泣いている新井は本当にこれを望んでいるのか?自分が拠り所になればいい。そう望んでいたのに突き放したのではないか・・・新井は本当に江口が用意する「未来」を望んでいるのか・・・自分には未来が用意できないのか。何もできないのか・・・
年齢は成人と言われる年齢に達し、大人と言われるけれど、未来を語るにはまだ幼すぎてどうにもできない自分がもどかしかった
朝、目覚めるとのろのろと着替えを済ませて鏡を見る。昨晩泣きすぎたせいで目は赤いし腫れていて顔を洗って冷たいタオルで冷やしても全然引かなくて悩みながらため息を吐き出すと学校へ行く気もしなくなって再びベッドへと倒れ込む
そういえば、好きだと思っていた恋人だと思っていた今までの相手にどんな酷い別れ方をされても連絡がつかなくなってもこんなにも喪失感を感じたことなんてなかった
失ったものを埋めるために新しい相手を見つけてまた失って埋めての繰り返し。今回も但馬の穴を江口で埋められるはずなのにどうしようもない喪失感を感じながらまた溢れてくる涙を拭う
トントントン
「・・・」
扉のノックの音で驚き体を起こす
気のせいかと思ったけれど再びノックされて恐る恐る扉を開ける
「はよ・・・ございます」
「お・・・はよ」
そこにある但馬の姿に思わず頬を緩ませてしまう
「あー・・・但馬あれでしょ?オレと別れるのやっぱりヤダーみたいなー!オレの体に未練あるーとか」
さっきまで出ていた涙なんて吹き飛んでしまった・・・但馬がこんな朝から来るなんてやっぱり自分に気があるからだと思うと嬉しくて・・・
でも、但馬がペチンと新井の頭を叩いた後、頬をつねる
「頭相変わらずお花畑ですか。あんたのことだから学校行かないとか言い出しそうだから迎えに来た」
「・・・」
「っつか今起きたでしょあんた・・・」
「但馬・・・」
ため息を吐きながら新井のカバンに教科書を突っ込むと新井の手に握らせる
「さ、行きますよ」
「但馬・・・普通・・・」
「はぁ?だから言ったでしょ。昔に戻るだけって」
「・・・うん」
但馬があまりにもいつも通りで・・・もう簡単に吹っ切れたのだと思うと少し複雑だったけれど但馬がそうなら自分も江口と付き合うことに決めたのだから前を向くべきだと決意した
「ねぇねぇ、但馬ぁー」
「なんすか」
「・・・ううん?なんでもないー!今日もいい天気だねぇー」
「・・・曇ってますけどね」
新井は曇り空を見上げると「それでもいい天気!」と空に背伸びして但馬の背中を追いかけた
「瑞貴ー、今日部屋行くなー」
江口にそう言われてももう躊躇することもない
但馬とは完全に終わったのだ。新しい恋人は江口だけ。だから新井は部活帰りにそう笑顔で頷く
「終わったんだなー」
新井の部屋で買ってきたコンビニの弁当を開けながら江口がそう笑ったのを見て新井は首を傾げた
「あー?但馬と終わったんだろ?」
「・・・エスパー?!」
「バーカ。瑞貴程判りやすい奴いないだろ」
新井は「そうかなぁ」と言いながら困った顔で笑う
但馬と本当に別れた翌日は判りやすかったと思う。目は真っ赤で腫れていて、周りに驚かれ心配されたから。でも、今は・・・
「でもちゃんと別れたなら別れたって早く言えよなぁー」
「・・・?」
オムライスを口に放り込みながら但馬の作るオムライスは美味しかったと思い出してしまう
「瑞貴が言ったのちゃーんとオレ我慢して待ってやったのになぁ・・・あーあーオレはその程度かよー」
「オレが・・・言った?」
「はぁ?」
箸を机に叩きつけた江口が急に新井へ顔を近付けて目を丸くする新井
「セックス」
「!・・・や・・・えっと・・・」
「オレばっかり待ってたみたい」
拗ねたような顔が子どものようで可愛い・・・横暴で王様のようだけれど時々子どものようで・・・いや、ずっとワガママで自分中心で子どもっぽいとも言えるのかもしれない
江口の機嫌を取るように微笑むと少し顔を赤くする新井
「だって、なんか・・・江口としたくて別れたみたいな感じになるのも違うし」
「じゃあ、したくない?」
最後に肌を触れ合わせたのはいつだっただろうか・・・新井にしてみれば結構長く触れて触れられていないことを思い出して頭を振る
人と肌を合わせることは好き。気持ちイイことが好き。色々忘れられる体の関係が好き
「ご飯・・・後で温め直す?」
新井の上目遣いの誘いに江口がニヤリと笑うとそのまま新井を押し倒した

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目の前で泣きながら自分を求め、好きだと言っている新井を今すぐ抱き締めて撫でて慰めたい。新井がそれを求めているから求められるがまま与えたい。でも、それではずっと同じ・・・
「新井さん・・・新井さんが決めたことだよ」
「っ・・・そうだよっ・・・そう・・・そうだね・・・そうっ!っ・・・っ・・・」
その場に蹲って泣き崩れた新井を見ながら拳を握る。新井が望むならこれでいい。でも、こんなに泣いている新井は本当にこれを望んでいるのか?自分が拠り所になればいい。そう望んでいたのに突き放したのではないか・・・新井は本当に江口が用意する「未来」を望んでいるのか・・・自分には未来が用意できないのか。何もできないのか・・・
年齢は成人と言われる年齢に達し、大人と言われるけれど、未来を語るにはまだ幼すぎてどうにもできない自分がもどかしかった
朝、目覚めるとのろのろと着替えを済ませて鏡を見る。昨晩泣きすぎたせいで目は赤いし腫れていて顔を洗って冷たいタオルで冷やしても全然引かなくて悩みながらため息を吐き出すと学校へ行く気もしなくなって再びベッドへと倒れ込む
そういえば、好きだと思っていた恋人だと思っていた今までの相手にどんな酷い別れ方をされても連絡がつかなくなってもこんなにも喪失感を感じたことなんてなかった
失ったものを埋めるために新しい相手を見つけてまた失って埋めての繰り返し。今回も但馬の穴を江口で埋められるはずなのにどうしようもない喪失感を感じながらまた溢れてくる涙を拭う
トントントン
「・・・」
扉のノックの音で驚き体を起こす
気のせいかと思ったけれど再びノックされて恐る恐る扉を開ける
「はよ・・・ございます」
「お・・・はよ」
そこにある但馬の姿に思わず頬を緩ませてしまう
「あー・・・但馬あれでしょ?オレと別れるのやっぱりヤダーみたいなー!オレの体に未練あるーとか」
さっきまで出ていた涙なんて吹き飛んでしまった・・・但馬がこんな朝から来るなんてやっぱり自分に気があるからだと思うと嬉しくて・・・
でも、但馬がペチンと新井の頭を叩いた後、頬をつねる
「頭相変わらずお花畑ですか。あんたのことだから学校行かないとか言い出しそうだから迎えに来た」
「・・・」
「っつか今起きたでしょあんた・・・」
「但馬・・・」
ため息を吐きながら新井のカバンに教科書を突っ込むと新井の手に握らせる
「さ、行きますよ」
「但馬・・・普通・・・」
「はぁ?だから言ったでしょ。昔に戻るだけって」
「・・・うん」
但馬があまりにもいつも通りで・・・もう簡単に吹っ切れたのだと思うと少し複雑だったけれど但馬がそうなら自分も江口と付き合うことに決めたのだから前を向くべきだと決意した
「ねぇねぇ、但馬ぁー」
「なんすか」
「・・・ううん?なんでもないー!今日もいい天気だねぇー」
「・・・曇ってますけどね」
新井は曇り空を見上げると「それでもいい天気!」と空に背伸びして但馬の背中を追いかけた
「瑞貴ー、今日部屋行くなー」
江口にそう言われてももう躊躇することもない
但馬とは完全に終わったのだ。新しい恋人は江口だけ。だから新井は部活帰りにそう笑顔で頷く
「終わったんだなー」
新井の部屋で買ってきたコンビニの弁当を開けながら江口がそう笑ったのを見て新井は首を傾げた
「あー?但馬と終わったんだろ?」
「・・・エスパー?!」
「バーカ。瑞貴程判りやすい奴いないだろ」
新井は「そうかなぁ」と言いながら困った顔で笑う
但馬と本当に別れた翌日は判りやすかったと思う。目は真っ赤で腫れていて、周りに驚かれ心配されたから。でも、今は・・・
「でもちゃんと別れたなら別れたって早く言えよなぁー」
「・・・?」
オムライスを口に放り込みながら但馬の作るオムライスは美味しかったと思い出してしまう
「瑞貴が言ったのちゃーんとオレ我慢して待ってやったのになぁ・・・あーあーオレはその程度かよー」
「オレが・・・言った?」
「はぁ?」
箸を机に叩きつけた江口が急に新井へ顔を近付けて目を丸くする新井
「セックス」
「!・・・や・・・えっと・・・」
「オレばっかり待ってたみたい」
拗ねたような顔が子どものようで可愛い・・・横暴で王様のようだけれど時々子どものようで・・・いや、ずっとワガママで自分中心で子どもっぽいとも言えるのかもしれない
江口の機嫌を取るように微笑むと少し顔を赤くする新井
「だって、なんか・・・江口としたくて別れたみたいな感じになるのも違うし」
「じゃあ、したくない?」
最後に肌を触れ合わせたのはいつだっただろうか・・・新井にしてみれば結構長く触れて触れられていないことを思い出して頭を振る
人と肌を合わせることは好き。気持ちイイことが好き。色々忘れられる体の関係が好き
「ご飯・・・後で温め直す?」
新井の上目遣いの誘いに江口がニヤリと笑うとそのまま新井を押し倒した

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なんでこんなに筆が進まないかって考えてみたら萌えが足りないからだと判った。っていうわけで萌えるために色々見たり読んだりしてるのにまだ萌えゲージが溜まらない・・・どしたら萌えゲージ溜められますか
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