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コイゴコロミズゴコロ3-14 - 03/14 Tue

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新井と別れてから計ってみたタイムを見て但馬は首を傾げる
恋人を失って元恋人と以前のような関係になったのだからタイムに支障が出てもおかしくないと自分のミジンコメンタルを認めていたのにタイムは落ちるどころか上がっていて、周りには大会前に絶好調!と褒められていた

自分のメンタルが強くなったのか・・・そう思えば喜べるけれど、強くなったとはとても思えない程心のダメージは全く回復していない。新井のために余分に作っていた食事は作る気がなくなったし、そもそも食べる気がしない・・・眠りも浅く、目覚めも悪いし気付けばため息ばかりの毎日なのにタイムだけ上がっている理由が全く分からないでいた

それでも大会を目前に控えている今、タイムが上がっているのは但馬にも嬉しいことで練習している時だけは忘れられる気がして練習に打ち込み、バイトも新井の予定に合わせることもナイ

「あー?但馬ぁー?」

バイト帰り、声を掛けられ振り返ると長身の男が手を挙げていて但馬も手を挙げる

「何・・・1人?」
「いや、いつもあの人と一緒っつーわけじゃねぇし」
「いつも一緒だと思った」
「あの人も友達いるし、オレにだって付き合いはある」
「まぁ、そりゃそうだろうけど」

偶然道で会った柿内に適当に頷くけれど新井の話を振られるのが怖くて早く柿内と別れたかった

「お前ー・・・時間あるかー?」
「あーっと」
「どうせ暇だろ。付き合え」

柿内の言葉にどうしてすぐに否定し、別れなかったのかと自問自答したけれど、もう遅い。柿内の後ろを歩き、ファミレスへと入っていく柿内について行った

「・・・なんでファミレス」
「あー?時間潰し」
「あぁ?」
「奢ってやるから。今日鍵忘れてなぁ・・・」
「柚木さんは?」
「友達と飲み行って消息不明」
「おい、それでいいのかよ」

柿内は笑って「友達とっつっただろ」と余裕の答えを口にする・・・友達・・・もしその友達が恋人のコトが好きでいつか奪われたら?

「お前さー・・・」

メニューを見ながら「んー」と適当に返事する但馬からメニューを奪うとため息を吐いて頭を掻く柿内

「あー、クソ。なんでオレがこんな・・・バカみてぇ」
「なんだよ」
「だからアレだよ!アレ!オレになんか話したいことねぇかって・・・いうか・・・」
「・・・あー、なんか・・・さすが柿内っつーか・・・冷たいように見えてホントはすげぇ優しいっつー・・・そりゃあ柚木さんもメロメロなわけだー」
「茶化すな」
「茶化してるわけじゃない。単純に羨ましいだけ」

但馬は「ドリンクだけでいいかなぁ」と呟くが柿内に「食えよ」と言われてメニューを読み返す

「柿内は柚木さんに『好きな人できた』とか言われたらやっぱり優しいから身を引いたりする・・・か?」
「・・・お前、判っててオレの傷口さり気なく広げただろ」
「あぁ?何が?」
「・・・あー、罪悪感で軽くダメージ受けてる・・・」
「・・・あぁ。そっか。キスマーク事件か」
「思い出すな。バカ」

柿内が頭を抱えると但馬は笑うけれどすぐに顔を上げた柿内に「バカ」とまた言われて続けさまに「アホ」と言われる

「っつかお前、優しいから身を引くってなんだよ」
「・・・いや、柿内優しいから?」
「身を引くっつーのは優しさじゃねぇよ。ただの臆病だ」
「・・・」
「相手のことを思ってとか都合イイこと言って結局自分が可愛いだけだろ」
「んなこと言って柿内だってさぁ・・・」
「おう。オレも臆病だからな」

素直に認めた柿内がインターホンを押すと店員に注文を通す

「まぁ、オレは実際に言われたら暴走してめちゃくちゃしたけど・・・」
「オレは少しもがいた後、安心しちゃったんだ・・・これでこの人のサポートだけに全力を回せるって・・・愚痴言ったり慰めたり助けたりだけしてりゃイイ。って・・・まともに付き合ったことがないオレには新井さんを喜ばせたり楽しむこと考えるのは荷が重かったからなぁ」
「・・・」
「ホントはオレが2人いたらいいのにーみたいな・・・」
「安全牌でいいのか・・・お前は」
「んー。そだな」
「なんか意外だな・・・但馬はミジンコメンタルでももう少し芯あると思った」

柿内の言葉が思った以上に但馬の胸に突き刺さる・・・言われなくたって自分が臆病で意気地なしなのは判っている。でも、これがどうしたら克服できるのかだなんて誰も教えてくれるものじゃない。そして立ち向かわなくてはいけない相手が自分よりも格上だった場合はどうしたらイイかだなんてどこにも答えなんてないから・・・
負けたくない。だから負けないように最初から戦いを避ける。臆病だから・・・怖がりだから・・・

「結局柿内にもオレの気持ちなんて判んねぇよ」
「判るわけねぇだろ」
「じゃあ、考えてみろよ・・・竹市さんがホントは球さんじゃなくて柚木さんが好きで、柚木さんも実はずっと竹市さんが好きだったって」
「・・・お前、すげぇえげつない例え挙げてくんなぁ・・・まぁ、悩む・・・し・・・うわぁ。想像しただけでなんだよこのダメージ」
「だろ?だろう?」
「でもオレは諦めねぇけど」
「・・・は?柿内の癖に?」

思わず口を着いた言葉に但馬はすぐ口を塞ぐけれど聞き逃さなかった柿内に頬を抓られる

「大抵のことは確かに向こうが上だけど。オレは完全に負けるまで戦うさ・・・喜ばしいことにあの人の胃袋掴んでるのはオレだしな」
「・・・柿内の強みビミョーだな」
「バーカ。胃袋掴んでる奴は強ぇんだよ」
「・・・」
「お前だって新井さんがベタ褒めだったんだから。また弁当作ってやったり胃袋から呼び戻せよ」
「・・・新井さんは柚木さんみたいに食い意地張ってねぇよ」

それでも確かに料理はひとつのイイ手だと思った。きっと江口には真似できない但馬の勝てるところ・・・

「あとは自信もつことだーな」








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これを書きつつ、私はホントに柿内が好きなんだなぁ・・・と思いました。

えぇ。柿内の出番が多いのは贔屓ですよ?贔屓
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