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コイゴコロミズゴコロ3-27 - 03/27 Mon

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柚木に自分の気持ちを明らかにされても但馬を選ぶことができなくて、江口から離れる決心もつかなくてとうとう但馬との約束の日を迎えた

但馬の実家にオムライスを食べに行く約束・・・

トントントン

但馬のノックの音だと顔を上げてドアを開けると「準備できました?」といつも通りの但馬。いつだってしっかりしていて優しい但馬が柿内の前ではすごくめんどくさいというのが想像できなくて頷くと鍵を閉めようとして鍵がないことに気付き但馬を困ったように見上げた

「・・・昨日着てた服は?」
「・・・ない」
「じゃあ風呂場」
「えー!そんなところにないよぉー」

新井は笑いながらバスルームへ向かうとドアの前に落ちているのを見つけて「エスパーだ!」と感動しながら但馬を尊敬の眼差しで見上げながら鍵を閉める

「なんでー?なんでー?」
「あんた、風呂入る時にポケットのモノ全部出してその場に置く癖あるから」
「そう?」
「そう!」
「そ・・・っか・・・」

自分の癖も知っている。いつも見ていてくれる安心感・・・江口だったら「瑞貴はバカだなぁ」というだけで一緒に探すこともしてくれないのではないだろうか・・・

「ねぇねぇ!やっぱり喫茶店!って感じなの?レトロなの?どーなの!?」
「・・・アンティーク・・・感・・・はある・・・かもしれない」
「えぇ?!アンティーク感!?古いの?!レトロとは違うの!?オムライス!」
「いや、突然オムライスって意味わかんないけど・・・オムライス2人前食えるくらいには腹空かしてください」

大きく頷いた新井と2人分の切符を買って電車に乗り込む
新井とこの電車に乗るのは2回目・・・あの時はデートの行き先が思いつかなくてただ一緒にいたくて自分の中で逃げ場を失くすために早めに終バスのなくなる地元のあの場所を選んだ。今日は違う。ちゃんとした目的も目的地もあって向かう故郷・・・

「電車の後はまたバスー?」
「いや、歩きます」
「駅近いの?」
「新井さんの近いと地元の近いは違うかもしれないけど、バスもこの時間微妙なんで・・・」

よく判らなかったけれど適当に頷いた新井も以前但馬と一緒にこの電車に乗ったことを思い出して少し笑う

「なんですか」
「ううん。前も但馬とこれに乗ったなぁ・・・って。あの時は行き場所も教えてもらえなかったけど」
「・・・っすね」

あの時とはまた状況も関係も違う・・・あの日、関係が不安になった。抱いてくれない但馬とはもう別れた方がイイと思った・・・でも、それも乗り越えて、今ここにいる・・・もう抱き合うような関係でもなくてただの元先輩と元後輩という関係でもない・・・じゃあ、この関係の名前は?親友?親友というのは新井にとっては柚木のような気もして、但馬との関係が上手く表現できないでいた



駅に到着すると海の香りがして思い切り空気を吸い込む

「海の匂いー!」
「もう少ししたら海水浴に来るって手もあったなぁ」
「あぁ!じゃあまた来る!」
「・・・っすね」

またこうやって一緒に出掛けてくれるのだと安心して但馬は先を進む
暫く歩くと海水浴場があって新井は「イイなー海!」と言いながら但馬の背中を追いかけてまた暫くして足を止めた但馬に顔を上げて建物を見上げる

「・・・え?」
「ここ・・・ですね」
「えええー?!なんか想像と違うっ!おしゃれっ!わかんないっ!アンティークってこーゆーこと!?すごいっ!え!普通のTシャツだけど大丈夫?!お財布大丈夫?!」
「や、実家だっつってんじゃん・・・」
「え!でも」

戸惑う新井を横目にさっさとドアを開ける但馬

「はい。いらっしゃい」

そう聞こえて顔を上げると但馬によく似た但馬の部屋から出てきた人がカウンターの中にいて新井は「ぁ」と小さく声を上げると入り口で固まった

「なんだよ。和範か・・・」
「カズーおかえ・・・り・・・って新井くんだー!!!」

テーブルを拭いていた大会で「但馬の父」だと話し掛けてきた男性が顔を上げるとすぐに2人に近付いて来て新井はこの状況がよく判らなくてただ頭を下げる
実家だと聞いていた。家庭環境が複雑だとも聞いていたけれど、どうして2人の父親が同じ店で働いているのかと・・・

「あ?何。今、忙しくないから手伝わなくてもゆっくり友達とコーヒーでも飲んでりゃいいのに」
「オムライス」
「あ?」
「あの人にオレのオムライスと親父のオムライス食べ比べさせる」
「へぇ?オレと勝負か?あ?でっかく出たなぁ?」

さっさと厨房へと消えていった但馬にどうしたらイイのか判らず新井はおろおろするがすぐに「こちらへどうぞ」と席を用意されて新井は頭を下げながら席へ着く

「絶妙な時間に来たなぁー・・・さすがこの店がいつ混んでていつ空いてるのか知り尽くしてる息子ー」
「・・・えーっと、挨拶もロクにできてないんですけどイイんですかね」
「新井くんでしょー?あ!僕!?あ、自己紹介してなかったっけ?高田です。高田 周作・・・」
「・・・あーっと・・・新井 瑞貴です」

苗字が違うと思いながら複雑だという言葉を思い出して黙り込む

「ふふー。但馬じゃないんだーとか思ったー?」
「や・・・えっと」
「カズー!僕らの関係言ってないのー?言っていいのー?」

厨房へ向かってそう声を上げた高田に厨房から「どうぞ」と但馬の声がして「そっかー」と笑った高田が再び新井の向かいに座る

「僕らの関係伝えていいって言うからにはカズの特別なんだねぇ・・・あ、そりゃ特別かぁ!カズは新井くん追いかけて行ったんだもんねぇ・・・僕はカズの父だけど血縁関係も戸籍もどこにも関係はないよ」
「・・・?」
「あっちがカズの父親。本物の」
「えぇ、似てます・・・よね?」
「でもねぇ、僕も父親。カズともう1人僕の子どもと4人で家族。僕も敏彦も2人で2人の子ども育てて来たからさー」
「・・・えっと・・・」

シングルファーザーが2組・・・ということかとよく判らないけれど納得したようにうなずくと急に高田が吹き出す

「あ、ごめん。なんか新鮮だったからー・・・ここ来る人たちはもう結構受け入れちゃってるからさー・・・オレらゲイカップルね」






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ふぅ。目的の所までやっとこさ到達した・・・
但馬の家族のことはぼやーっと考えてはいたのだけれど、ギリギリまで悩んでおりましたーでももう逃げられねぇぞぉぉぉーーー私ーーーーっ
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