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コイゴコロミズゴコロ3-36 - 04/05 Wed

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目を開けて腕の中に小さな頭があることに微笑み、あまりにも幸せでこみ上げてきた笑いが思わず口から小さく漏れだす

「ん・・・おはよ」
「起こした。ごめん」
「んーん?あー、まだ昼間だぁー!朝からコトに及んで昼寝してまだ昼間ー!ぜーんぶサボりって超だらけるー」
「っすね・・・腹、減りません?」

新井は少し考えて但馬の胸に頭を押し付ける

「たーじまぁー」
「はい?」
「オレら付き合ってるー」
「・・・はい」

再確認。新井からも確認されて但馬自身も再確認する。代わりでもない。敵わない相手もいない。もう、諦めなくてイイ相手

「あー、どーしよ。但馬と付き合うの2回目だけど前よりもなんかなんだろー・・・恥ずかしい?違うなー、ドキドキ?違うー・・・判んないなー・・・難しいなぁー」

新井がうーんうーんと唸っているのをそのまま抱きしめる

「イイよ。判ったから」
「え!?じゃあ但馬も一緒?!」
「一緒・・・好きって気持ちからもう逃げない。譲ることもしない。言っておくけど、オレ、結構しつこいよ?」
「えー?但馬ってそういうタイプじゃないでしょー?」

ニヤリと笑った但馬の顔が見える
どこか子どもっぽい表情・・・あまり見たことがない顔

「父さんたちに聞かなかった?実家のオレの部屋のコト」
「グラビアじゃなくてオレの雑誌の切り抜き貼ってあったってことぐらいしか」
「そう。あの人たちはオレがストーカーやってんじゃないかってずっと不安だったから新井さん連れてって付き合って、ホッとしてたと思う」
「ストーカー!」
「まぁ、その気質は結構あったんだと思うよ・・・なんせ、インハイであんたの泳ぎ見て大学まで追いかけて来ちゃうくらいだし」
「アハハ!じゃあずーっとオレのコト見ててねー?もう離さないでよー?」

ぎゅっと抱き返されて回している腕に力を込めながら「離さない」と囁く・・・

泳ぐ姿を見て一目惚れした
憧れて憧れて、出ている雑誌を買って部屋に貼った
一緒に泳ぎたい。もっと近くで泳ぎを見ていたい・・・そして追いかけた
あんなに美しい泳ぎをするのだから人魚か何かだと信じて

でも、実際に見て、同じ人間だと判った
しかも大分手の掛かるタイプの人間だと

いや、もしかしたら水の中では美しく速く泳ぎまわれる人魚が陸に上がると人間と同じように生活するのには不自由なのかもしれない。そう思った日もある

恋をした。でも信じたくない恋
自信のない恋

叶わない想いを抱えた心の寂しさを少しでも埋められればよかったのに
人には欲がある

1度得てしまった知ってしまった欲は彼を変えた

弱く、諦めることが1番だと逃げて波風を立てない人生がベストだと信じていた彼の心をも

「なぁ、但馬ー」
「はい」
「オレ、今ねー、幸せー」

そう言う彼の笑顔こそが彼を幸せにしてくれる

「でもねー、お腹も空いたー!」
「はい」

叶わぬ恋をしていた
それは突然、そして必然
窮地から救ってくれた相手に寄せた想い。叶わない想い

親友という立場を手に入れてズルさを学んだ
手に入らない親友。心に空いた寂しさを埋めるように自らの美貌を武器にし、手当たり次第に遊び、遊ばれた
どんどん大きくなっていく穴・・・埋めても埋めても広がるばかり

家族には罵られ、見放され、優秀な弟を守るためにほぼ勘当された

穴は広がっていく・・・傷つく度に身を守るようにそれに気付かなくなっていく

そして光・・・差し伸べられた光に縋ると初めて知った人の愛。本当の人の愛
闇に差した光に吸い寄せられるようにして惹かれ、新しく芽生えた本当の恋

流されていく人生が1番楽で傷つかない。そう信じていたのに知ってしまった光・・・
親友の想いを知って付き合っても光で埋められた記憶を心が覚えていて新しい光を感じることなんてできなくて親友への想いがもう恋ではなくなっていたことを体中が訴えた

そして流されるまま楽な生き方を、親友と決別することになってもやめようと思えた

「洋服を着てこの間行きたいって言ってた店行ってデートするか、コンビニで何か適当に買ってきて食べてまた洋服脱ぐかどっちがいーい?」
「!・・・また難しい選択ーーーーっ!」







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明日・・・コイミズ最終話です。っていうか最終回です。最終です。
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