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青春はプールの中で10-20 - 05/06 Sat

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
柿内が原付に乗ってバイトへ行ってしまったから仕方なくランニングで柿内のバイト先へと向かう。柿内が出てきたらなんと文句を言おうか。それとも待ちきれなくて迎えに来たと笑おうか・・・そう思いながら折角シャワーで流したのにまた出てきた汗をシャツで拭いながら店の近くに置かれた柿内の原付をポンポンと叩いて店へと入る
店員に「おひとり様ですか?」と尋ねられるが首を振りながら店の状況を見るが、もう忙しいような様子もなくてお人好しの柿内はこの状況でまだ帰れずにいるのかと「柿内、います?」と尋ねた

「え?柿内・・・は・・・」
「柿内、帰ったけど」
「・・・いや、でも」

顔を出した店長が戸惑った店員の代わりに柚木の質問に答えたけれど帰ったというのならば店先にあった原付が説明つかない

「帰って来ないし、携帯連絡つかないし、原付もそこに」
「えー・・・?あぁ、キミ、もしかして柿内とルームシェアしてる・・・」
「はい。柚木と言います。柿内、ホントに帰りました?」
「うん・・・あぁ!そう。柿内と大学同じ子がそこで潰れてて、一緒に帰ったのかも」
「それって・・・どういう人でした?女の子?」
「どうって・・・体が大きい男の子でー・・・柿内、知り合いっぽかったなぁ」
「・・・ありがとうございます」

頭を下げた柚木は胸を押さえる。妙に胸騒ぎがするのだ
柿内のゼミ生は全員じゃないけれど柿内に聞いたし、学祭に遊びに行った時に紹介もしてもらった。そんなに大柄。というような男はいなかった気がする・・・もちろん、柚木に紹介していない学友も中にはいるだろうから、そのうちの1人なのかもしれない。でも・・・でも・・・

店に出ると柿内の原付を撫でて柿内の行き先をどう突き止めればいいのかと考える
そもそも、柚木が待っているのが最初から分かっているのだからその学友と共に遊びに行ったわけがない。酔っぱらった人間を放っておけずに送って行くことになったのならば柿内はきっとひとこと連絡を入れてくるだろう・・・それをしなかった・・・できなかった・・・

「っ・・・」

胸がザワザワして背中に冷たい汗が流れる。柿内が部活の先輩から狙われているという沙耶の話を思い出して震えそうな手を押さえながら沙耶に電話をする
以前、なんとなく連絡先を交換していた・・・交換しただけで連絡を取り合うことなんてなかったけれど、こんなことで連絡しなくてはいけないことを申し訳なく思いながら・・・それでも必死で。柿内の無事を確認したくて居場所を知りたくて・・・でも心当たりもなくて唯一柿内と同じ大学で知っている沙耶にしか頼れない自分を不甲斐なく思いながら

『もしもし・・・?柚木さん?』
「あ・・・沙耶ちゃん・・・」
『え・・・どうしました?なんか声が・・・』
「・・・ごめん。こんな遅くに・・・でも、聞きたくて・・・っ・・・前に柿内が部活の先輩から迫られたとか何とか言ってたよな?あれって、どんな奴か判る?」
『・・・え、え・・・え?!なに?!柿内いないのっ!?』
「・・・沙耶ちゃん・・・頼む・・・」
『柚木さん、今どこ?私、そっち向かう!』
「沙耶ちゃんっ!教えてくれるだけでイイからっ!もう遅いから・・・教えて」
『ヤですっ!今どこ?行くっ!』
「・・・柿内のバイト先」
『オッケー!じゃあ超特急の沙耶号で向かうから!落ち着いて!ね?!柚木さん、今!超!!!声震えてるから!』

押し切るように電話を切られて原付にもたれながら深呼吸をする。沙耶に気付かれる程声が震えていた自分がみっともなくて。もっともっと強いと思っていた。なんでも笑って解決できる・・・そう思っていた・・・でも、今は無理。柿内の所在が判らないだけでこんなにも不安で心細くて心配で胸が潰れそうなくらい苦しい・・・










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柚木が弱くなってる・・・

こんな時でも強いぞ柚木!とか思ってたんだけど、どうも違うっぽいです
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