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青春はプールの中で10-26 - 05/12 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「あー腹減ったー!腹痛いー!腰だるいー!変なところ筋肉痛ー」
「うるせぇしっ!黙ってメシできるの待ってろ!」

目を覚まし、薬も切れてはっきりした意識で家の惨状を見るとこれを自分がやらかしたのだと思うと痛む頭を抱えながら家事をこなしていった柿内。いつも通りの言いたい放題の柚木が起きて部屋を出てくるとホッとした半面、どう礼を言ったらいいのか判らなくて平常を振舞う柿内

「あーあー散々オレの体好き勝手にした奴のセリフがそれかぁーざんねーんっ!残念ーっ」

いつもの柚木だったけれど、今日は状況が違う・・・手を止めてひとつ唾を飲み込むとキッチンを出て柚木の前に膝をつく

「ごめん・・・」
「・・・あー?何してんの?メシは?」

上半身裸の柚木の脇腹が青く変色しているのを見て唇を噛む
頬も腫れているのに自分は無傷・・・
柚木にばかり傷を負わせて、更に無理をさせた

「柚木さん・・・オレ・・・」
「あー・・・腹痛い・・・トイレ行って来よう・・・」
「柚木さんっ!」
「漏れる」
「あぁ・・・」

掴んだ腕を離すと苦笑した柚木に頭を叩かれる

「いいよ。お前無事だったから」

そう言ってトイレへ向かう柚木の背中を見て再び唇を噛む
敵わない・・・本当に強くて常に自分の前を歩いている柚木に頭を垂れて両手で頬を叩くと再びキッチンへと向かい、柚木の食事を用意する

「あー、柿内ー」

トイレから出てきた柚木に呼ばれて顔を上げると「菓子折り、2つ買って来いよ」と言われて首を傾げる。今日からは1歩も部屋から出ず、ずっと2人で過ごすと約束していたハズで・・・

「・・・バーカ。神田と沙耶ちゃんのとこ!」
「・・・あぁ・・・いや、別にあいつらは今度オレが奢っておくし」
「黙って買って来い。沙耶ちゃんは車出してくれたし、神田は台車貸してくれたんだから。それ、返しに行く時、菓子折り必要だろーが」
「・・・まぁ・・・はい」
「あ!聞きそびれてたけど神田も知ってんの?同じ大学かー?」

出来た料理をテーブルに運びながら大学は同じでないと答える

「っつか・・・梅は沙耶の元カレ」
「あー、そか」
「何度かメシ食ったことあんだよ・・・あと、沙耶が車買うまで梅が迎えきたりもしてたし」
「んじゃー、そりゃあ心配するわなぁ・・・そうかー・・・幼馴染の元カレかー・・・」
「あ、メシ食える?」
「何で?」
「いや、腹痛いっつってたのあんただろ!」
「腹は痛いけど食える」

箸を掴んだ柚木にひとつ頷くと柿内も「いただきます」と手を合わせた

「もうあいつに近付くなよ」
「・・・昨日のは・・・不可抗力・・・っつか」
「判ってる。でも、柿内なんだかんだで人に冷たくできねぇ優しい奴だから」
「うっせっ!オレは別に優しくなんかしてねぇ!」
「ふはっ・・・お前、本気で言ってんの?」

照れた柿内が面白くて笑うとまた腹が痛んで腹を押さえる

「っ・・・」
「ちょ、大丈夫・・・?」
「いいからっ・・・」
「よくねぇし!オレのせい・・・だろ」
「うん。まぁ、でも煽ったのオレだし?」

食事も途中で箸を置いた柚木を心配そうに見つめてくる柿内の頭を撫でる
今日があってよかった。もしあの時帰って来ない柿内を迎えに行かなかったら、家で待ったままだったらこんな風に柿内に触れることはできなかったかもしれないから・・・あと少し遅かったら・・・そう考えると腹が痛いことなんて、殴られたことだってどうでもよくなる

「柚木さん・・・」
「昨日さー・・・マジで怖かったんだよな・・・オレ」
「え?」
「柿内いなくて、連絡つかなくて・・・怖かったんだ・・・柿内とずっと連絡取り合わなかったことだってあったのに平気だったのに・・・さ」

ゴロリとソファに横になった柚木の言葉をただ頷きながら聞く

「オレ、こんな弱かったっけ・・・何もできなかったっけって・・・震えた・・・柿内ぃー・・・」

柚木の髪を撫でると手を握られて指先にキスされる

「オレ、今まで強く生きてこられたの、お前がいたから・・・か?」
「・・・違ぇよ・・・あんたはオレに会う前からずっと強かった」
「・・・オレもそう思ってた・・・でも、もうホントはずっとずっと弱ぇのかもしれない・・・弱ぇのにお前がいるから強くいられるだけなのかもしれない」
「じゃあ、オレがあんたの傍にいられる理由、増えたな?」

笑った柿内に柚木も吹き出す
額を合わせるとすぐにキスをして柿内の首に腕を回した

「オレが強いままでいるためにお前、傍にいろよ」
「バーカ。その前にオレはあんたのなんだろ?全部あんたのもんなんだろ?」
「おう。全部オレの。だから傍にいろ」
「仕方ねぇから傍にいてやる」
「ひーひー言いながら腰振ってたくせに生意気すぎんだよ。お前」
「っ!そっ・・・れは!」
「もう出るもんもねぇくせにこの細い柚木先輩の腰にガツガツ押し付けて来やがってー」
「なっ!だっ・・・」
「おかげで腹は痛いし腰も痛ぇしーメシも全然食えねぇしー!」
「っ・・・悪かった・・・って・・・ば」

その言葉が全部本音じゃないことくらい判りそうなものなのにすぐにしょげて小さくなる柿内に気分を良くしながら笑う

「菓子折り買って来いよ?」
「あぁ・・・」
「3つな?」
「なんで増えてんだよっ!」
「オレの分!」
「ねぇよっ!なんであんたに菓子折り渡さなくちゃいけねぇんだよ!」

柚木は笑いながら本当にこうやってふざけ合えることが嬉しくて楽しくて幸せだと感じる
安心し、感謝する・・・沙耶へヤキモチ妬いたことも、連絡先を交換するための布石だったのだと思えばありがたく受け入れることができたし、体の大きい兄弟と本気の殴り合いのケンカをしたことも体の大きい相手とのケンカの仕方を覚えるためだったのだと感謝してしまう
無事だった。ただそれだけのことが今まで起きたすべてのことに対して感謝の気持ちを覚えることに繋がっている今の感情が不思議だけれどもおかしいとも思うけれど、愛する人と笑顔で触れ合えるのが幸せで・・・








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実は、ケンカップルも大好物なのだけれど(あ、知ってるって?)この2人が甘くなりすぎた故に新しいカップリングを生み出そうとしている・・・でも、なかなかこの2人みたいに萌えない・・・っていうかもう今出しているカップリングに萌えを詰め込みすぎて新しい萌えを探さないといけないのかもしれない・・・でも、基本、似たようなキャラクターしか書くことできないっていうさ・・・
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