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透き通るブルー11 - 05/30 Tue

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先に部屋を出て行った巴を追いかける高尾

「巴ー!待てよー!巴ー?」
「・・・」

高尾の声に足を止めて振り返る
顔が赤い気がして手を伸ばすと額に手を当てる

「熱じゃなさそう・・・?」
「違う・・・悪い。オレ、帰る・・・わ。雰囲気壊すし。荷物、持って来てくれないか」
「んなことねぇって!っていうか・・・お前、楽しくない?」

トイレの前にあったソファに溜息を漏らしながら座る巴は本当に体調が良くなさそうで高尾も隣に腰を下ろす

「んじゃぁさー、金だけ置いてくるからさー、なんか食いに行こうか」
「あ?いや、お前はいればいいし」
「え!だってオレ、巴と遊ぼうと思って誘ったし」
「・・・でもお前」
「イイってイイってー!適当に言い訳してくるから後で口裏合わせとけよー?」
「・・・」

笑って戻って行った高尾を見て、やっぱり高尾のように、他の同じ男子高校生のように女の子と付き合うことなんてできないのだと自分の腕を掴む
巴が負った傷は巴自身が思っている以上に深い物。これが治るまでは皆と同じように遊ぶこともできないのだと思うとただ高尾が戻って来るまで震えていた






「たっだいまー!んじゃ行こうぜー?ほら、荷物」
「あ・・・あぁ」
「オレら先輩に呼び出されたことになってっから!水泳部の先輩にー!」
「・・・は?」
「ん?だからオレら水泳部だからさー、部活の先輩に呼び出されたら逆らえないじゃん?」

言い訳に部活の先輩を使ったことはどうかと思ったけれど背中を押されながら巴は店を出て高尾と共に歩いていく

「で、どしたー?」
「・・・苦手なんだ」
「さっちゃんが?!」
「いや・・・」
「え!女の子みんな苦手?!」
「さぁ・・・どうかな・・・でも・・・触られたりするのはちょっと」

そう呟いた巴に首を傾げながら巴の顔を見上げる
自分よりも大きな体。悔しいくらいに整った顔・・・

「んー、巴ってさー、童貞?」
「・・・」
「あ、いや、バカにしてねぇよ?みんなはオレが捨てんの早すぎだって言ってっし。さっきのあいつらもほぼみんなそうだし」
「・・・悪い。やっぱり帰る」
「え!ちょ・・・ごめん!巴!?」

高尾の言葉に顔色を変えた巴は高尾を振り切るように走り出して、高尾はその場に立ち尽くす
悪いことを聞いた・・・地雷を踏んだのかとため息を吐くと仕方なく家へ向けて歩き出した






翌日、いつものように昼休み、昼ご飯を一緒に食べようとパンの入った袋を掴んだ高尾が教室内で巴を探すけれど巴は既に教室にいなくて「え・・・?」とキョロキョロ巴の姿を探す
それでもやっぱりいなくて唇を噛むとため息を吐きながら周りに「高尾ーメシ一緒に食うー?」と誘う声も断りながら教室を出た

「山辺ー山辺山辺山辺ーーー!やーまーべぇーーーー」
「・・・呼びすぎだから」
「メシ、食お?」
「・・・いいけど」

わざわざ高尾が呼びに来たことを疑問に思いながら屋上へと向かう

「・・・山辺ってさー、巴のコト中学から知ってんだろ」
「まぁ、巴有名人だったし?」
「んー」

あぁ、巴のことを聞きたいのかと自分をわざわざ呼び出した理由を察した

「それで?」
「うん?」

屋上の適当なベンチに座った2人はそれぞれ口へと昼食を運ぶ

「最近ずっと巴といる高尾がオレと一緒にご飯ってどういうこと?」
「あー・・・地雷踏んだっぽいー」
「まぁ、高尾は結構あるよなぁー。無神経だしー」
「いやー、でもそんな傷つけるつもりじゃないしっ!」
「判ってるよ。でも、それでも傷つけることはある」

山辺の言ってることは尤もだと高尾は一応反省するが「でもー」とまだ腑に落ちなくてぼやく

「昨日さー、巴も誘って、カラオケ行ったんだー」
「へぇ?」
「んでさー・・・巴、女の子苦手っつーし、その反応?がー、山辺と似てたからさー、お前童貞なのー?って聞いただけだしー」
「・・・巴に・・・聞いたわけ?」
「んー、でもさー、別にただの疑問っつーか、っていうかあいつモテそうなのにどーなんだろーみたいな?」

山辺は箸を止めて「そっか」と頷きながらドキドキする胸を押さえる
山辺の知っている巴に関する噂が本当だったら・・・

「山辺なんか知ってんの?」
「あー・・・いや・・・」
「何・・・オレ、そんな悪いコト聞いてないだろ?」
「巴は・・・経験・・・あると思うっていうか・・・あるっていう噂っていうか」
「なんだよその噂!さっちゃんとはなんともないよ!」

ひとつ深呼吸した山辺は自分が言っていい話なのか判らなくて瞳を揺らす

「山辺ぇー!山辺ぇー!教えてー!何その噂ー!オレ知らないー!」
「・・・高尾・・・」
「山辺ぇー!やまべー!!!」

ゆらゆら揺らされてベンチがガタガタ揺れる

「噂だしっ!事実じゃないかもしれないしっ!」
「なんだよー!噂ってなんだよなんだよー!」
「巴っ・・・兄弟で色んな女の子と関係持って通ってたスクール退学になったっ・・・っていう・・・それで・・・水泳強豪校の推薦もなくなった・・・っていう噂・・・」
「・・・巴が・・・?」
「噂・・・だってば・・・」
「・・・いや、ないないー!ないってー!巴だよ?女の子と話してる姿すら想像つかないやつだよ?なんなら男とも話してないっつーし!女の子苦手だっつって気分悪くなってた意味もわかんねぇしー」
「自重しようとして女の子避けてる・・・とか・・・」
「ハハ!なんだーその噂ー!バカみたい。噂は噂だよなぁー」

高尾は笑い飛ばして山辺の言う噂を知ってパンを再び齧りはじめる
ただの噂は巴からは考えられない噂。じゃあ、何がそんなに巴を傷つけたのか・・・そう考えると判らなくてため息を空に漏らした









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なんていうか、忙しい以外のことが言えない・・・
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