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透き通るブルー13 - 06/01 Thu

trackback (-) | comment (0) | 透き通るブルー
ファーストフード店に入ってそれぞれが食べ物と飲み物を買うとテイクアウトにして外へ出る。騒がしすぎる店内は落ち着きそうもなかったから

近くの大きい公園へと入ると空いているベンチを見つけてそこへ腰を下ろし、買ったハンバーガーを出す

「付き合ってくれてありがとなー!」
「あぁ・・・あ、病院は行けよ?」
「マジかー!先生みたいなこと言うんだな!」
「泳げなくなったら困る」

泳ぐことを心配しているのだと思ったら高尾は吹き出す

「お前、そこか!」
「あぁ・・・」
「まぁ、巴らしいけどー・・・捻挫だとは思うけどなー。この感じ!」
「癖になったら困る」
「んー・・・巴に負けっぱなしなのも悔しいしなー。テスト終わるまでにはちゃーんと治しとくー」

巴は頷いてポテトを口へ運ぶ

「・・・巴ってさー、人と距離とるのにオレには近いよなー」
「?」
「え!無意識!?」
「近い・・・?」
「まぁ、オレはいいけど。スキンシップ大好きだし」
「・・・?」
「巴は他のヤツにはこんな感じ」

高尾は巴から少し離れて睨んで牽制するような表情で腕を組む
明らかに近寄りがたい雰囲気で巴は「え」と驚いた顔で戸惑った

「フハッ!マジだってー!」
「・・・そ・・か」
「でもさ、オレにだけ普通ー!第一印象めっちゃ悪かったはずなのに巴、超イイ奴だった!」
「・・・そうか?」
「そうそう!ケンカ売りに行ったのに、それ買われたのになんでかわざわざコンビニまで走って温かい飲み物買いに行ってさー・・・何こいつ!超イイ奴か!みたいなー!でも表情はやっぱり無表情でさー。でも最近柔らかくなってきた!たまに笑うし」

あの時は、確かに必死だった気がする。練習なんてしたくない!バカらしい!そう言う高尾を練習に来てほしくて
強豪校に入るつもりだった・・・スイミングクラブでも泳ぐつもりだった。それが全てなくなって。「あの事」を知ってる人間がいない場所へ行こうと思った。その中で強い高校・・・最近は名前を聞かないけれど、この学校ならばもしかしたら・・・と願いを込めて。入ったらやっぱり強く、速い人間なんていなくて練習に張り合いもない日々。それでも必死に泳いでいたけれど、共に高みへと目指す相手が誰か欲しくてもがいて、諦めかけていたところに突然やってきた高尾の存在

速さはまだ自分と差はあった。でも、まだまだ伸びると確信した泳ぎ・・・そして闘志

「でもさー・・・昨日から、また表情硬くなっちゃったよな・・・」
「・・・」
「オレ、巴のこと全然知らないし、余計なこと絶対これからも言うと思うけどさ、ヤなことあったら、言ってくれよ・・・オレと話したくない!って思うかもしれないけどオレ、言ってくれないとそこら辺バカだから判んないっていうか」
「高尾は悪くないんだ・・・オレの問題っつか」
「じゃあそれ教えろよ!巴、全然話してくれないからオレは判んないままお前の地雷踏みまくるってことだろ」
「・・・話したら・・・お前・・・」
「何?」
「イイだろ・・・もう、別に。お前は悪くないっつってんだから!」

言いたくない。高尾に言ってもどうせ反応は判っているから。皆と同じ反応。同情するか軽蔑するか・・・いや、高尾の性格から軽蔑するとは考えられない。でも、巴は高尾に同情してほしいわけじゃない。同情なんて要らない。知らないまま今までのままでイイ








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