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透き通るブルー14 - 06/02 Fri

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「じゃあオレにこのままもやもやしたままでいろってことか?!」

急にケンカ腰になった高尾に唇を噛む

「とりあえず忘れてもイイ!でもオレはバカだからきっと同じこと繰り返す!お前が言わないままだったらお前が言われたくないこと、傷つくこと繰り返す!!そしたらきっと昨日みたいに!今日みたいに!!!お前逃げるんだろ?!オレのコト避けて逃げるっ!んでオレがまたこうやって無茶してケガするっ!それでイイっつーことだな!」
「んなこと言ってないだろっ!」
「巴が忘れろっていうのはそういうことっ!!」

巴が小さく舌打ちし、高尾から目を逸らす。高尾の真っ直ぐな目は見ていられない。真っ直ぐで汚れなんて知らなさそうで

「オレにはケガしても迎えに来てくれるような優しい兄貴はいない代わりに精通した翌日には筆おろしの相手を連れてくるようなクソな兄貴はいる」
「・・・あ?」
「そのクソ兄貴はな・・・きっとこの世に生まれ落ちた瞬間から女を引き寄せて操る能力持ってんだよ・・・どこがいいのか判らないけど群がる女どもは兄貴への踏み台にするためにオレに近寄ってきた。最初はそりゃあサルみたいにヤったさ・・・1度知った快楽には逆らえねぇしっ。好きだとかそういう感情を理解する前に快楽だけ知ったサルになってた」

高尾の頭に過る山辺の言葉。女関係でトラブルになって進学先もクラブに残る道もなくなった・・・そして今は自重しているから女は苦手だと言っているんじゃないかという噂

「でも、そのクソ兄貴はクラブのコーチと駆け落ちした・・・」
「え・・・」
「そしたら兄貴の取り巻きだった女共は行き場を失った怒りをオレで発散するようにオレは女に・・・女にっ・・・」
「巴・・・」
「でも、それが明るみに出た。クラブでは大事件だ・・・でも、それを知った周りの反応はオレを被害者だなんて思ってなかった。やることやってたわけだから楽しんでたんだろうって。んなわけねぇっつーの・・・でも、確かに、相手は複数だったっつってもオレは力もあるわけだし、男だし・・・逃げられたはずだ。嫌だったら勃たなかっただろう・・・?だと・・・オレの入ってたクラブは進学予定だった高校の系列グループだったからそこも行けなくなった。クラブも辞めた・・・だから女に触られると色々思い出す・・・これで満足・・・?高尾・・・?」

俯いたまま固まっている高尾を見てやっぱり話すんじゃなかったと後悔が襲う。同情でも軽蔑でもない。高尾はどんな態度を取ったらいいのか判らずに悩んでしまったのだと

「・・・教えてくれてありがと」
「っ・・・」
「なんか・・・悪い。オレ、わざわざ巴の古傷抉って思い出させるようなことさせてた」
「な・・・え?」

高尾の瞳が潤んで揺れているのを見て胸が詰まる・・・

「でも、ありがと・・・オレ、もう忘れない。んで、ごめん。さっちゃんのことしつこく聞いたのも遊びに行こうって誘ったのも」
「や・・・は?ちょ・・・お前、今の話、聞いてた・・・んだよな」

変わらない高尾の態度。同情でも軽蔑でもなくていつもの高尾・・・違うとしたら瞳が潤んでいることぐらいで

「聞いたよ。全部覚えた。オレ、記憶力は悪くない!」
「じゃあ・・・」
「あー!お前、さてはオレが羨ましいとか言うとか思った?んなAVみたいな体験羨ましいー!とかオレが言うと思ったんだろー!んで意外だったんだろー?」
「いや・・・」
「オレをんなこという奴らと一緒にすんなよ・・・オレはお前のこともっと知りたいって思うし、これから一緒に色々やりたいこともあるしっ!うわべだけの友達になりたくないから」
「・・・」
「オレ友達多いじゃん?でもさー、それ、全部うわべだけっつーの知ってるし!けど、それでイイ。それはそれで楽しいし。でも、お前は違うから」
「高尾」
「なんでだろうなー・・・付き合いっつーなら山辺の方が長いんだけどさ・・・あぁ、山辺のことも好きだよ。あいつ、オレがどんなんでもいつも同じだったし・・・でも、山辺とも違うんだ。巴は。だけど知らなさすぎるから!お前、全然話してくれないし、水泳以外のこと・・・全然言ってくれない」

胸が熱い・・・高尾にあの時、あの瞬間感じていたこと、それが高尾も同じ気持ちだったのかと。今も同じなのだと思うとじわじわ襲ってくるような心地よさに涙が出そうで

「もっともっと知りたいんだ。友達ならいっぱいいるし、遊んで楽しいはずなのにそれよりも巴と一緒にこうしてるほうが充実してる」
「あぁ・・・オレも。でも、オレは友達がいなかったから・・・」
「ハハ・・・じゃあ、オレも本当の意味では友達いなかったのかも」
「ん・・・」
「もう、隠し事ナシな?オレが傷つくかもとか考えちゃうかもとか難しいコト考えるな。共有したらイイ。オレは全部受け入れて笑ってやるし、泣きたいときは胸貸してやったってイイ。オレも同じ!んで、今すっげぇ泣きそうだから胸貸してっ!」
「え・・・は・・・え・・・えぇ?」

巴の返事を聞く前に巴の胸にドスンと預けられた高尾の頭・・・頭の重さと高尾の体温を感じる。人の体温は苦手だと思ったのに、これが高尾だと思うと嬉しくてどうしようか迷いながら恐る恐る高尾の頭を撫でる

「・・・オレ、頭撫でられるの好き」
「・・・甘えん坊なのか」
「ん。そう。オレ、甘えん坊次男だから」
「・・・なんで泣いてんだよ・・・」
「恥ずかしいコト言ったのとお前と出逢ったのもっと早かったらよかったって思ったら泣けてきた」
「・・・ん・・・」

でも、もう出逢えた・・・そう思いながら高尾の頭を優しく撫で続けた









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