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透き通るブルー26 - 06/30 Fri

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「それ・・・で・・・さっちゃん・・・とは・・・どうなってんの」

歯切れの悪い高尾らしくない言葉に思わず吹き出した巴は今、自分が心の底から笑っているのだろうと感じながら高尾の背中を叩く

「なんともない」
「・・・笑ってたじゃん」
「ホントに?」

高尾が巴を見上げると高尾も思わず笑う
榎本と一緒にいるときの巴の笑顔とは違うことがはっきり判る・・・でも、高尾自身も久し振りに見た気がする巴の嬉しそうな笑顔

「巴、最近なんかどっか冷たかったもん」
「ん・・・まぁ、高尾を邪魔してた」
「えー?オレ?」
「榎本と付き合うのかと思って」
「え!なんで?!」
「なんか噂聞いたから」
「さっちゃんは巴ひと筋だし・・・」
「オレも高尾ひと筋だけど」
「っ・・・だ・・・から・・・それはっ」

首を振って立ち上がった高尾は巴を見つめて何度も何度も首を振る

「勘違い・・・ホントに思うか?」
「だって・・・だって・・・恋愛感情ってもっと、こう衝動的に・・・性的っていうか、もっと、こう・・・判んないけどっ!上手い言葉が出て来ないんだけど、違うと思うから」
「じゃあ、高尾はどうして友情だって思う?オレは他の奴が誰と仲良くしてようが関係ない。どうでもイイ。もちろん彼女ができてもなんとも思わない」
「っ・・・」

確かに、高尾だって同じ。友達は多いけれどその中で特別仲がイイ友達が自分以外の誰かと仲が良くても
、彼女ができてもなんとも思わない。山辺だってその中のひとりだけれど誰と仲が良くても気にしないし、彼女ができたとしたら喜んであげられると思う。でも巴は違う・・・でも、これは友情。恋愛感情じゃない。友情・・・
でも、性的な衝動は起こらないから。巴が誰かと話していると自分以外と話していると嫉妬に似たもやもやとした感情が生まれるし、彼女ができて、その彼女に触れるのも考えると苦しくなる。けれど、巴に触れたいかと思うとまた別の話

「オレは色々考えてたけど、高尾も同じように思うなら遠慮しない。遠慮してたらお互い勘違いして距離遠くなるって判ったから・・・」
「え?」
「今、もしかしたらオレは勘違いしてるかもしれない。でも、高尾も同じならとりあえず付き合おう。付き合うってことはお互い他に彼女も作らないし、今はそれでイイだろ?それで、これからこれが本当に友情なのか恋愛に発展するのか、一緒に考えよう」

普段の巴からは想像できないくらい強引な話。でも、高尾はそれに反論する言葉が出て来ない
否定したいのに、否定できなくて

「だ・・・けどっ」
「オレは高尾が誰と付き合うのが嫌だ。オレの知らない所でデートとかするの嫌だ。それはホント。できたら他の誰とも話してほしくないとか思ってる」
「・・・」

高尾はクシャリと自分の髪を掴む
どう考えてもおかしい・・・自分が好きなのは女の子で、今まで付き合ってきたのも女の子で、男の巴と付き合うなんておかしい・・・でも、巴の言っている独占欲は自分と全く同じもので・・・

「性衝動だとかそういうのはよく判らないけど、これからこれが本当に恋愛感情じゃないって判るかもしれないけどそれは高尾の傍で考えたい」
「・・・ずりぃ・・・巴、ずりぃ・・・」
「高尾が他の奴と付き合わないならオレはずるくていい」
「・・・だって、それ、オレに断れないようにしてる!」
「高尾だってオレに彼女とか作ってほしくないって思ったんだろ?」
「思ったっ!思ってるっ!」
「じゃあ、お互いにメリットあるだろ?付き合えばイイ」
「・・・つ・・・きあうって何するんだよ・・・」

巴は「そうだな・・・」と考えてふっと笑うと高尾の腕を掴んで引き寄せ、手を握る

「・・・基本変わらないけれど、お互いに大丈夫なことを増やしてちゃんと恋愛に発展するようにする・・・とか?」
「と・・・巴っ!なんか違うっ!こんなん巴じゃないっ!」

握られた手には嫌悪感はない。熱い巴の手がじわじわ高尾の冷たい手に熱を与えて全身熱くなってくるような感覚に顔を赤くする

「隠し事、しない方がイイんだろ?」
「っ!!!そうだよっ!あーもーっ!!!判ったっ!付き合うっ!」
「ふっ・・・なんか、今泳いだらきっと気持ちよく泳げる」
「あーあーそうですかー!」
「オレ、付き合うとか初めてだから」
「え!・・・あー、そっか・・・そうだった・・・」

さっきケンカしただなんて信じられない程穏やな表情の2人の手は暫く握り合ったままだった














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急展開しといて明日透き通るブルー最終話っていうさー
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